映画『イカロス』はドーピング体験をドキュメンタリー映画にしようとした監督が、ソチ五輪のドーピングに加担した張本人から、真実を明かされるという衝撃のドキュメンタリーなのです。
衝撃1:ドーピングはみんなやっている!?
『イカロス』のブライアン・フォーゲル監督はアマチュア自転車競技の選手でもあり、成績を上げるためにドーピングを試みようとします。なぜならスポーツ関連の関係者が「みんなやっているよ。ドーピングの知識があれば、検査を陰性でパスできる」と衝撃の発言をしたからです!フォーゲル監督はロシアの反ドーピング機関所長のグレゴリー・ロドチェンコフに協力してもらい、薬物を使用しても検査でパスできるかどうかの実験にチャレンジすることに。
衝撃2:薬物注射を打ち続ける日々
監督は、自身の太ももに薬物注射を打ち続け、そのたびに検査用の尿を採取して保管します。「太ももじゃない、尻に打て!」とグレゴリーに言われ、その通りにすると出血が……。監督は自身の体を実験台に、薬の効果が出るのを待ちますが、効果が表れるのに時間がかかることに驚きました。監督のパフォーマンスがパワーアップしたのは2カ月後くらい。それまで体に薬を入れ続けるのです。
衝撃3:協力者のグレゴリーが追われる身に!
この映画は当初「ドーピングしてもバレないのか」という実験映画だったはずでしたが、本作の撮影の途中、ソチ五輪において、ロシア選手団が国家主導で集団ドーピングを行っていたことが、ドイツの公共放送で暴かれます。そして、選手のパフォーマンスを向上させるための薬物が検出されないようにするシステムをかつて作ったグレゴリーが追われる身になってしまうのです。衝撃4:ロシア選手団のドーピングを証言!
グレゴリーに助けを求められたフォーゲル監督は、なんと彼の亡命を手助けします。グレゴリーがアメリカに入国するまでのハラハラはまるでサスペンス映画!アメリカでフォーゲル監督に匿ってもらったグレゴリーは、カメラの前で、ロシア選手団のドーピングの詳細を語り始めました。それは薬物が含まれている尿をクリーンな尿にすり替える巧妙な手口。国家ぐるみのドーピングのすべてを明らかにしたのです。
衝撃5:ドーピングについて考えるきっかけをくれる作品
北京五輪で、ロシアは国家としてではなく、ROC(ロシア五輪委員会)として出場しましたが、本作で描かれた裏工作を見ると、やはり出場させてはいけなかったんじゃないかと……。そんな風に観終わったあと、いろいろ考えさせられるドキュメンタリー映画『イカロス』。今こそ見るべき映画でしょう。
作品情報
Netflixドキュメンタリー『イカロス』
監督:ブライアン・フォーゲル
出演:ブライアン・フォーゲル、グレゴリー・ロドチェンコフ
Netflix映画『イカロス』独占配信中