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受験生を狙うネットの書き込みが増加、共通テスト前には「痴漢祭り」予告も

共通テスト前に、受験日に遅刻できない受験生を狙った痴漢予告がSNSで相次ぎました。そのような事態が起きた背景と行われている対策、受験生ができる、被害に合わないための対策までをご紹介します。

高橋 暁子

執筆者:高橋 暁子

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「共通テスト痴漢祭り」をご存知でしょうか。

1月15、16日に実施された大学入学共通テストを前に、インターネット上で受験生を標的とした痴漢を予告する書き込みが相次ぎました。この事態を指した用語です。

なぜこのようなことが起き、どのような対処が考えられるのでしょうか。
受験生狙う「痴漢祭り予告」対策は

受験生狙う「痴漢祭り予告」対策は(画像はイメージ)

 

かつての「センター試験痴漢」と同じもの

「明日はJK(女子高校生)を痴漢しまくっても通報されない日です」
「入試は遅刻厳禁だから、女子高生を痴漢し放題」
 
大学入試共通テスト前、SNSにこのような書き込みが多数投稿されました。共通テストは、試験開始後、20分以上遅刻すると受験が認められません。つまり、遅刻できない受験生に痴漢しても泣き寝入りするだろうと考えて、このような投稿をしたと考えられるのです。
 
これは2022年だけの話ではありません。大学入学共通テストは2021年開始であり、2020年までは大学入試センター試験と呼ばれていました。2020年にも同様に、大学入試センター試験の前に、「センター試験は絶好の痴漢日和」「大学入試の電車で痴漢しまくるぞ」という投稿が多数投稿されていました。
 
これは「センター試験痴漢」と呼ばれ、受験生の人生の大切な日を狙った卑劣な行為に対して、やはり非難が殺到しました。
 
SNSには、「私も受験日に痴漢にあいました」「何でわざわざこの日にと怒りに震えた」など、実際に被害を受けた受験生の声も挙がっています。
 

警察、ネットでも続く被害対策

書き込みが相次いでいることを受け、神奈川県警察本部犯罪抑止対策室のTwitterアカウントでは、1月13日に以下のような電車の痴漢に対する警告ツイートが投稿されました。
 

「電車は、可能な限り女性専用車両を利用したり、混雑しやすい車両は避けましょう。また、不自然に隣に座ってきたり、近づいてくる人がいたら、別の車両に移動しましょう。もし、被害に遭った場合は、勇気を出して声に出し、周りの人に助けを求めましょう。」

 
また県内54署に対し、試験当日は午前7時半~8時半の間、警察官が管内の駅のホームや改札口に立って警戒し、駅周辺では赤色灯をつけたパトカーで巡回するよう通知しました。
 
SNS上などでは、「#共通テスト痴漢撲滅」や「#withyellow」のタグをつけた、受験生を狙った痴漢に対する抗議も多数投稿されました。「#withyellow」はベンチャー企業RadarLabが2年前に始めたもので、電車内で黄色い小物を身につけることで痴漢をさせないと意思表示する運動です。
 

なるべく被害に合わない対策を

被害防止のためのパトロールや抗議運動などが続いているのは、非常に心強いことです。しかしそれでも受験日に被害にあってしまった場合、受験生は泣き寝入りするしかないのでしょうか。実は、独立行政法人大学入試センターによると、必ずしもそうではないようです。
 
受験生が受験日当日に痴漢被害にあった場合、警察への聞き取りに協力して遅刻したのであれば、証明できるものを出したり、試験場から警察に事実確認を行なえば当日に時間をずらして受験したり、別の日に追試験をするなども可能だといいます。人生がかかっている大切な受験です。決して諦めずに行動してほしいと思います。
 
それでも、受験日に被害にあうのはできるだけ避けたいもの。なるべく女性用車両を選んだり、階段近くや乗り換えが便利な車両は避けるようにしましょう。乗車位置もドア付近で立ち止まらず、座席付近まで移動しましょう。また、不自然に近づいてくる人がいたら離れたり、かばんでブロックするなど拒絶の意思を示すといいでしょう。
 
SNS上の投稿は本当の犯行予告とは限りません。匿名で、ただの嫌がらせで投稿する愉快犯も多いものです。そんな卑劣な行為に惑わされることなく、受験生の皆さんが本番でこれまでの努力を最大限に発揮できることを祈っています。



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