そこで、All About編集部は「ネガティブ感情になった時の脱し方」に関するアンケートを実施。今回はその結果を発表するとともに、医師である筆者がネガティブ感情からの良い脱出法、悪い脱出法を解説します。
※アンケートは、下記条件で実施
・男女比:男性 181名/女性316名/回答しない 2名/その他 1名
・年齢比:10代 4名/20代 86名/30代 160名/40代 135名/50代 90名/60代 23名/70代 2名
・アンケート実施期間:2022年1月14日~15日
ネガティブ感情から脱出する時にすること1位は「睡眠をとる」
グラフに示しているのは、1カ月以内にネガティブ感情になったという人476名について、ネガティブな感情になったとき、どういった症状が現れたかを整理したものです。ネガティブ感情になった時の身体反応
次に、睡眠障害になったグループとそうでないグループに分け、「ネガティブ感情になったときの脱し方」の回答を整理したものです。
ネガティブ感情を解消する時にすること
気持ちがのらない、何をしてもつまらないようなネガティブな感情の時は、寝るのが一番!という結果でした。
ランキングの2位は、「テレビ・ドラマ・映画を見る」でした。効果はコンテンツ次第ですが、確かに元気や気持ちのアップにつながります。実際、筆者自身もかなり気持ちが落ち込んでいた頃、ぼんやりと見ていたドラマの主人公のそのさまに、なんだか元気が出てきた事を覚えています。ただ、そうした際は、いつまでもダラダラとそれを見続けないようにしたいものです。
気持ちがネガティブになる理由は、脳がそのような心理状況を作り出すからです。脳内の不調が、ふだんとは違う心理状況を作ります。その引き金は通常、何らかのストレス。ネガティブな感情から脱出する手段は、ストレス対処法とかなり重なります。
今回のアンケートで筆者が推奨したいのは、ランキング5位の「泣く・感情を表に出す」です。これは特に、何らかの喪失体験を乗り切る際に役立ちます。喪失体験を引き金とするうつ病などから心を守るためには、しっかり悲しむ必要がある……といった事も、付け足しておきます。
逆効果!? ネガティブ感情から抜け出せないのはこれが理由
ネガティブな感情からの脱し方の良し悪しは、結果次第です。したがって、例えば「お酒を飲む」は、アルコール依存症へのリスクがあるので、その悪い結果が出る可能性を考慮すると、筆者としては全く推奨できません。しかし、その理由をしっかり説明する前にあっさり切り捨てるのも、NGかと思います。実際、依存症へのリスクは、個人個人でかなり違います。生活環境の違い、それぞれの脳内構造を定めるDNAの違いなど、さまざまな違いで、アルコール依存症へのリスクが異なります。
具体的なイメージとしては、100人いれば、そのうちの60人近くはリスクが小。30人程度はリスクが中程度。そして、リスクがかなりある者が数名いる…… といったものが分かりやすいかもしれません。
このイメージが意味することは、ネガティブ感情からの脱出に「お酒を飲む」人が100人いれば、そのうちの30人程度には、「ご注意ください」という必要があり、その数名には「お酒はダメですよ」とはっきりNGを告げる必要がある、ということです。
「お酒を飲む」方にお伝えしたい注意点は、その数名が誰なのかが、あらかじめ分からない…… ということ。こうした依存症への注意点は、「ゲームをする」といった項目でも同様ですので、該当する方はどうかご注意ください。