コロナ禍で注目される住宅地・商業地は?
年明け早々、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」が猛威をふるうなか、2022年の不動産建築業界もコロナの影響は免れない状況です。コロナ禍にあった2021年を振り返り、東京都の「地価」が顕著に上昇・下落したエリアトップ10をそれぞれまとめてみました。1. 最新地価調査結果の検証 | 住宅地
東京都区部の住宅地変動率の上昇幅は前年(2020年)に比べ減少していますが、マンション需要の高いエリアで上昇率の上位(【表1】参照)を占めております(前年上位10位と比べると準工業地域が5倍増)。下落したのはすべて世田谷区(【表2】参照)で、駅から離れたエリアとなりました。なお多摩エリアは前年と比べると下落地点が減少しております。これは、生産緑地22年問題とも微妙にリンクしていますが、実際には2022年問題は起こらないと予測されますので注視が必要です。
【表1】2021年地価調査 基準地上昇率順位一覧表(住宅地)
【表2】2021年地価調査 基準地下落率順位一覧表(住宅地)
2. 最新地価調査結果の検証 | 商業地
商業地においては、区部・多摩エリアともに不要不急による外出自粛によって自宅近くの商店街などで買い物を済ませる動きに伴ってか、地価が上昇した地域も(【表3】参照)あります。区部の下落エリア(【表4】参照)は、順位は入れ替わっているが前年度と同じような地域となっていて、飲食店が入居するビルの空室や収益性の低下、また新型コロナ感染拡大によるインバウンド需要の低下などの影響と考えられます。
【表3】2021年地価調査 基準地上昇率順位一覧表(商業地)
【表4】2021年地価調査 基準地下落率順位一覧表(商業地)
危機的状況から学んだこと
中国大手不動産会社「恒大集団」の経営危機がささやかれ、デフォルト懸念が高まっており、万が一の場合、中国国内だけでなく2008年のリーマンショックのような大打撃が世界中に与えられるのではないかと憂慮されています。過去を振り返るとバブルの崩壊、リーマンショックと経済停滞に陥っていた時代もありました。しかしながら住宅系の賃貸経営は、ほとんど影響は受けていないのです。
銀行融資に頼った不動産投資家や大型開発をするディベロッパーには大きなダメージが出て破綻が相次ぎましたが、多くの賃貸住宅の家主さんは大きな傷を負った方は少なかったのではないでしょうか。
例えば、バブルがはじけて六本木の地価は10分の1に暴落しましたが、賃貸住宅の家賃は同じように暴落したわけでなく、影響が強かった物件で2~3割程度の下落で済んでいます。
土地活用の中でも「賃貸住宅経営」に限っては、世の中の大変動に対して影響を受けにくい安定した事業であると言えます。
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