お金の悩みを解決!マネープランクリニック/教育費が準備できるか不安な子育て世代

39歳専業主婦、貯金2100万円。倹約生活で老後のため5000万円貯金をしたいです

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、幼稚園に通うお子さんがいる39歳の専業主婦の方です。倹約生活を続けて5000万円の貯金を作りたいと考えています。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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子どもが幼稚園のため専業主婦ですが、スマホで在宅ワークをして収入はあります

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、幼稚園に通うお子さんがいる39歳の専業主婦の方です。倹約生活を続けて5000万円の貯金を作りたいと考えています。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
スマホで在宅ワークをしていますが……(写真はイメージです)

スマホで在宅ワークをしていますが……(写真はイメージです)


■相談者
nekotanさん
女性/専業主婦/39歳
埼玉/持ち家(マンション)
 
■家族構成
夫(36歳)、子ども(6歳)
 
■相談内容
深野康彦先生、いつも記事を拝見させていただいております。このたびはどうぞよろしくお願いいたします。夫婦と息子1人の家計です。食費に偏りがありすぎる家計だと承知し、お恥ずかしい限りですが、今後の人生設計におきまして、忌憚なくご指導・ご指摘いただければ幸いです。

子どもの教育資金については、親族より、教育資金贈与信託を受けることができたため、支出は現金での端数程度です。主人の会社は福利厚生が手厚く、退職金は1000万円程度。60歳から65歳は再雇用制度があり、月収15万~20万円程度の収入を得られます。
 
私は現在、子どもが幼稚園のため専業主婦ですが、ちょこちょこスマホで在宅ワークをしたり、フリマサイトで不用品を売ったりして、月1万円程度ですが収入があります。また、昔、払い終わった終身保険や定期預金の利息を集めると月1万円程度になります(記載外)。来年度からは週3日のパートにでも出る予定です。
 
完璧に支出を把握できているわけではなく、私の無駄遣いもあり、月の収入だけでは賄いきれない場合は、ボーナスから補填したりもしています。65歳までは時短でも働き続けたい所存です。老後のために、今の倹約生活を続け、5000万円は貯めたいです。未熟者ではございますが何卒ご指導のほどよろしくお願いいたします。
 
■家計収支データ
相談者「nekotan」さんの家計収支データ

相談者「nekotan」さんの家計収支データ


■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使い道
年間で支払いがあるものとして、固定資産税9万1000円、自動車税3万9500円、地震保険3000円、お年玉1万円、家族旅行20万円、終身保険24万円(夫:保険金額1000万円、28~55歳支払い・貯蓄用)。合計58万3500円。残りは、月々の支払いに充当したり、次の繰り上げ返済に向けて貯めています。
 
(2)家計収支について
食費8万円は、減農薬生協宅配、スーパー、外食。水道光熱費は春・秋のエアコン不要の季節のもの。通信費はPC・スマホ2台(格安会社)、雑費2万円は洗剤、日用品、クリーニング、文具、美容費月割りなど、小遣いは夫3万1000円(昼食代、散髪代込み)、相談者2万5000円(ブラックボックス)。
 
(3)住居費について
・購入年/2015年
・購入価格/2100万円
・ローン借入額/1600万円
・借入金利/0.625%
・返済期間/30年(残り21年)
・ローン残債/1170万円
※返済は毎月返済のみ。3年分ほど繰り上げ返済済み。今後も夫50歳完済を目標にこまめに繰り上げ返済予定。ローン返済以外に管理費2万円。
 
(4)自動車について
所有台数は1台。現金購入につき、ローンなし。駅徒歩圏内の居住につき、あと2~3年乗り続け、利用頻度が低ければ手放してもよいと考えている。電車・バスのみでも不自由ない。駐車場+駐輪場+ガソリンで1万8000円。
 
(5)教育資金贈与信託と子どもの進学について
児童手当は同一口座であり特に分けて管理していない。教育資金贈与信託は1000万円。子どもの進路は、大学は、自分自身が国公立だったので子どもにも国立を希望。中高は、私立でもよいし公立でもよい。小学校は公立校決定。第2子の希望はありません。
 
(6)加入保険について
[夫]
・生命保険(終身型、55歳まで払い込み、死亡保障1000万円)=年間保険料24万円、ボーナスで支払い
・医療保険(終身型、60歳まで払い込み、入院日額5000円)=年間保険料3万円

[相談者]
・生命保険(終身型、払い済み、死亡保障200万円)=全額払い済み
・医療保険(終身型、60歳まで払い込み、入院日額5000円)=年間保険料2万4000円
※相談者の医療保険は特に必要性もないので解約も検討している。年間保険料を月割りにすると、毎月の保険料は4500円。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 先取りで貯蓄し、年間70万円を目標にすること
アドバイス2 5000万円に不足する分は、パート収入でカバー
アドバイス3 住宅ローンの繰り上げ返済は、貯蓄のペース次第
 

アドバイス1 先取りで貯蓄し、年間70万円を目標にすること

老後のために5000万円貯めることが目標とのことですが、毎月の貯蓄がゼロでは実現は難しいです。家計を見直し、毎月貯蓄、ボーナスからもきちんと貯蓄することが先決です。
 
食費が高いと自覚されています。食材にこだわりがあるのは理解しますが、やはり貯蓄のためには、食費を減らすことも必要です。食費と夫婦の小遣い、雑費を見直し、月2万5000円を捻出してください。ボーナスから年払いの保険料がありますが、この保険は現在の家族の状況に合っていません。払い済みにし、ここまでの保険料分の保障は残し、これ以降の保険料の支払いをストップします。これで24万円は貯蓄に回せることになります。そのほかの支払いで削れないものもありますが、ボーナスからは40万円貯蓄するようにしてください。これで、年間70万円貯めることができます。
 
ご主人が60歳になるまでの24年間で1680万円になり、今ある貯蓄と投資の2100万円、教育資金贈与信託の1000万円を加えると、4780万円となります。
 
この間、子どもの教育費が出ていきます。中高私立、大学は国立を希望されていますので、おおよそ1300万~1400万円。余裕を持って1500万円を見込んでおきます。4780万円から差し引くと、3280万円です。退職金の1000万円を加えて4280万円。これが、60歳時点で残せる金融資産となります。
 
ただし、車の買い換えが3~4回あるとすれば、残りは3500万円ほどになります。車を手放すことも考えておられますので、車の買い換え次第で、老後資金として残せる金額は変わってきます。
 
3500万円あれば、老後資金としては十分だと思われます。しかしながら、これも毎月貯蓄できるか、ボーナスから貯蓄できるかにかかっています。今すぐ家計の見直しに着手してください。なお、貯蓄は先取りが基本です。決まった額を先に貯蓄として取り分け、残ったお金で家計をやりくりしてください。残ったら貯蓄では、いつまでたってもお金は貯まりません。
 

アドバイス2 5000万円に不足する分は、パート収入でカバー

3500万円残せたとしても、目標とする5000万円には1500万円足りません。来年度からパートを始めるとのこと。あと20年働いて、年間75万円貯蓄を増やせれば、5000万円になります。年間75万円ということは月額6万2500円です。パート収入から6万2500円貯蓄できるような働き方を検討してみてください。
 
ただし、老後資金として3500万円あれば、特に問題があるとは思えません。ご主人が60~65歳まで再雇用で働き、毎月の収支がプラスマイナスゼロであれば、貯蓄からの取り崩しは最小限で済みます。住宅ローンもあと21年ですから、ローンが終われば、生活費を20万円程度には抑えられるようになっているでしょう。
 
単純に考えると、現在2100万円の金融資産がありますが、教育費として教育資金贈与信託で不足する500万円を差し引くと1600万円です。目標の5000万円貯めるには、今後24年間で3400万円の貯蓄が必要です。つまり、年間141万円の貯蓄をすれば、目標を達成できるわけです。
 
毎月の貯蓄ゼロから年間100万円以上の貯蓄をするのは大変に思うことでしょう。しかし、最初のアドバイスのとおり、まずは家計を見直して毎月2万5000円。ここからスタートし、徐々に貯蓄のペースを上げていけばいいでしょう。まだまだ時間はあります。今始めれば、大丈夫です。
 

アドバイス3 住宅ローンの繰り上げ返済は、貯蓄のペース次第

最後にいくつかのアドバイスをします。まず、年払いの保険を払い済みにとアドバイスしましたが、子どもがまだ小さいので、必要な保障を割安な掛け捨ての保険で確保しましょう。保険金額1000万円、保険期間10年の定期保険であれば、毎月の保険料は2500円程度で収まります。
 
住宅ローンの繰り上げ返済については、無理に50歳までに完済しなくとも、残り21年であれば、ご主人が57歳時点で完済できます。家計の見直しができ、貯蓄のペースが整い、めどがたったら繰り上げ返済に回してもいいでしょう。現時点で優先すべきは、繰り上げ返済ではありません。
 
65歳以降の公的年金の受給額は、今ははっきりしませんが、増やす工夫は今からしておかれるといいでしょう。例えば、貯蓄が増やせるようなら、一部はiDeCoを利用して老後に備えるのもひとつの方法です。掛金は全額所得控除になりますので、節税効果も期待できます。また、週3日のパートから徐々に時間を増やして、厚生年金に加入できるようになれば、ご相談者の公的年金を増やすこともできます。
 
いずれにしても、まだまだ老後までには時間があります。やれることはたくさんあります。1日も早く、毎月の貯蓄ゼロから脱出し、貯蓄ができる家計にしてくださいね。応援しています。
 

相談者「nekotan」さんから寄せられた感想

食費と生命保険料が高すぎることをご指摘いただき、やはりそうだったかと反省しております。また早期完済を急ぐあまり、住宅ローンの繰り上げ返済と現預金とがアンバランスになっていることもご指摘いただき、早めに気づくことができて本当に良かったと思います。これから支出を削減し、車を手放すことも視野に入れ、現預金が増えるよう気を引き締めてまいりたいと思います。このたびは誠にありがとうございました。

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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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