2021年冬のボーナス支給、コロナ禍の影響はどこまで?
コロナ禍の影響から業績が改善した企業も出てきた中、2021年の冬のボーナス支給はどのような結果に?
前年比0.77%増、76万565円。3年ぶり増
2021年冬のボーナス回答・妥結状況。全体の支給額平均は76万565円で2020年冬比0.77%増。 調査対象の企業は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ有力な非上場企業で回答629社のうち集計可能な508社で算出。(出典:日本経済新聞社賃金動向調査、2021年12月1日時点。加重平均、増減率と前年比は%、▲は減)
前年比2桁増の企業が全体の23%にあたり、大きく支給額を伸ばした会社も多かったようです。コロナ禍の影響も落ち着き、業績が好転した企業が多い中、ボーナスの支給額が業績連動型をとっている企業を中心にあがったようです。ただし、2桁減の企業も10%あり、明暗わかれた結果となっています。
製造1.63%増、非製造1.76%減
製造業は前年比1.63%増と3年ぶりに前年を上回りました。平均支給額も80万円を超えており、製造業は好調です。一方、非製造業は1.76%減で平均支給額も65万円弱。コロナ禍の影響を受けやすい非製造業は、まだ好転とはいかないようです。高支給業種トップは情報・ソフト、精密機械、電機
業種別のボーナス平均額をみると、トップは情報・ソフトの104万5064円で前年比2.47%増でした。唯一100万円を超えた業種となります。2位は精密機械で98万4058円。なんと前年比10.22%アップです。3位は電機で96万5722円、前年比8.94%増でした。外食13.25%、繊維13.53%、精密機械10.22%増
前年比10%超増加した業種が3つあります。外食・その他サービスは13.25%増の52万6740円。金額は少ないですが、大幅アップとなっています。コロナ禍からの業態悪化から少し復活したようです。繊維は13.53%増の77万9327円。素材需要が増えたことから業績があがった企業が多かったとのこと。支給額ベスト2だった精密機械は上げ幅も高く、前年比10.22%増と好調です。鉄道・バス11.85%減
一方、前年比10%超減少したのは、鉄道・バス。前年比11.85%と大きく減りました。支給額も55万9348円と低い水準になっています。人の流れが戻らない中、苦戦を強いられています。他にも造船7.69%減、化学7.47%減、百貨店・スーパー5.32%減と前年より減っている業種も目立ちます。
会社別支給額トップは東京エレクトロン、平均290万円!
会社別の支給額のトップは東京エレクトロン(エレクトロニクス)で支給額は290万49円! 300万円近いこの金額は、ここ数年で初めての高額結果となりました。2020年冬も東京エレクトロンが1位となっていました。東京エレクトロンは過去最高の営業利益を出したばかり。この業績より、前年比24.76%増という、急増高額の結果となりました。2位はディスコ(機械)238万9243円、前年比25.59%増、3位はトーセイ(住宅・建設・不動産)183万9696円、前年比24.43%増と続きます。この上位3社は、2020年の冬ボーナスでもトップ3でした。
来年はさらにプラスとなるか?
コロナ禍の影響も落ち着き、製造業を中心に好業績の企業が増える中、2021年の冬ボーナスは前年比増という結果になりました。ただ、鉄道・バスが前年比11.85%減と、まだまだコロナ禍の影響が大きく残っています。新型コロナウイルスがおさまってくると、今回不調だった業種も増加に転じることでしょう。2022年冬のボーナスはさらに増加という展開が期待できそうです。【関連記事をチェック!】
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