中学受験

脱・魔の成績不振スパイラル!伸びる子から学ぶ、成績を上げるために「絶対やらない4つのこと」

成績不振スパイラルに陥っている子が改善したい残念な習慣を、成績が伸びる子が「絶対やらない」ことから学びましょう!

宮本 毅

執筆者:宮本 毅

学習・受験ガイド

「賢いあの子たち」とわが子は一体何が違うのかしら……。頭の出来がそもそも違うの? それとも努力すればうちの子も今から成績アップできるのかな。そんなお悩みをお持ちの保護者の方、たくさんいると思います。成績不振スパイラルに陥っている子が見直したい残念な習慣を、成績が伸びる子が「絶対やらない」ことから学びましょう!
「魔の成績不振スパイラル」に陥っている子はチェック!

成績不振スパイラルに陥っている子はチェック!

 

1. 計算練習をおろそかにしない

「オレは算数テスト大問1の計算問題は間違えるけど、最後の応用問題は解けることがあるぜ」などと自慢げに話す子がいます。確かにこういうタイプのお子さんは、算数のセンスがあるのかもしれません。しかし「計算力」をしっかりと身につけておかないと、算数の成績はどこかで必ず頭打ちになります。

算数の問題というのは多層的なものです。第一段階でここまで解けたら、出てきた解を使って第二段階を解き進め、さらにその解をもとに第三段階ヘ上がって解答に到達するというように階段を上がるように解くのが特徴です。ところがたとえば第一段階の解を計算間違いしてしまったとします。すると第二段階がうまくいかなくなり、結果、せっかく道筋は見えているのに、正解にたどり着けないということが起こります。計算力のなさが足かせとなり、算数の才能を開花させる妨げになってしまうのです。

本当に頭のいい子は、基礎をおろそかにしません。かのイチロー選手も大谷翔平選手も、基礎的な体力づくりは欠かしません。勉強にだって同じことがいえるのです。
 

2. 漢字や語句の学習を軽視しない

漢字・語句は国語の基礎体力となるため、それを欠かしてはいけないというのは「計算練習をおろそかにしない」ことと相通じますが、それ以外の重大な理由があります。

国語という科目について多くのお子さんや保護者、そして一部の教師たちが知らないことがあります。それは、国語とは日本語であるということです。すなわち、「語学」の一種なんですね。最近注目を集めている「英語4技能」(「聞く」「話す」「読む」「書く」)で問われる力と国語で求められる力とは基本的に同じものです。

学校のテストや受験では「聞く」「話す」の試験は一般的にできないため、「読む」「書く」に偏った試験となっていますが、目的は英語のテストと同じです。読んだり書いたりするのに必要な力は当然「語彙力」ということになります。そのための基礎訓練が漢字・語句なのです。

皆さんが高校や大学受験のときに英単語や英熟語を必死に覚えたのを思い出してください。優等生は一生懸命単語帳を作って、通学電車の中で覚えていませんでしたか? そうした基礎努力の上に国語力がのっかっているということを、どうか忘れないでください。

「うちの子、国語が本当にできないんです」と嘆いているお子さんをお持ちの皆さん。だまされたと思って「日本語単語帳」を作らせて意味を覚えさせてみてください。国語の世界がガラリと変わりますよ。
 

3. 宿題やテストの「丸付け」「間違い直し」を後回しにしない

「テスト中が一番成長できるって、どういうことですか?」これはある大手塾の模試のテレビコマーシャルに出てくるセリフです。この言葉はなかなか真実をついていますが、実は一番成長できるのは、テスト中ではなくテスト”後”なんです。

テスト後に成長できるとは一体どういうことでしょうか。テスト中というのは恐らく、授業中や宿題をやっているときよりも真剣になって必死に考えていると思います。何しろテストなのですから、緊張感や気合いの入り方が違います。それゆえ、テスト中は成長できるのです。

しかしせっかく一生懸命脳を使って考え、自分ができていないのはどこなのか判明したのに、その後に解き直しをしなければ全く意味はありません。よく、丸付けをしておしまいにしてしまう生徒がいます。しかし大切なのは自分が「正解した問題」ではなく、自分が「不正解だった問題」です。解き直しをしないということは、成長を放棄するというのと同じなのです。

成績優秀なお子さんは、さらに普段の宿題のときからこの点をおろそかにしません。彼らの多くは宿題をやった後すぐに丸付けをして、間違えた問題を必ず解き直します。「宿題をやり、丸付けをして、解き直しをする」そのサイクルがルーティンとなっているわけです。

保護者の皆さんはまずお子さんが、宿題をした直後に丸付けをしているかどうかをチェックしてください。できない子の多くは、やったらやりっぱなしにしているはずです。
 

4. 宿題を先延ばしにしない

学校の宿題は帰ってからすぐに終える、塾の宿題は出された日か次の日には必ず終える、そんなの当たり前じゃん、わかってますよ、そうおっしゃる方にお聞きします。あなたは、なぜ宿題を先延ばしにしてはいけないのか、その理由を明確に答えられますか? 「その方が頭に入るから」「その方が学習効果が高いから」「エビングハウスの忘却曲線によると」などなど様々な理由があるでしょう。

しかし最も重要な理由は「サッサと終わらせちゃった方がその後がラクじゃん」ってことなんです。賢い子は無駄なく要領よく生きています。要領よく生きているから生活にも余裕が生まれ、余暇を楽しんだりしてストレスなく受験生活が送れたり、余った時間でプラスアルファの学習ができてさらに成績を伸ばすことができるのです。

一方、賢くない子はお勉強をやりたくないので宿題を先延ばしにしがちです。すると授業の内容を忘れてしまい、その日のうちにやるよりも習得するのに時間がかかってしまいます。時間がかかれば、勉強はつらいものと感じてモチベーションが下がり、さらに時間がかかってしまいます。「成績降下の魔のスパイラル」に陥ってしまうのです。

成績を伸ばしたければ、友だちと遊ぶ約束やバレエのレッスン、サッカーの試合など何があっても、絶対に先延ばしせず宿題を終わらせてください。「解き直しが終わっていなければ夕食は出さない」くらいの覚悟が、成績に伸び悩む子の保護者の方には必要だと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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