今回は、令和3年に発表された国土交通省「都道府県地価調査」より、京都府の10万人以上の人口がいる市町村に属する、地価が上昇した市区町村のランキングを発表します。
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京都御苑、京都府庁のある市内中心部。1位は「京都市上京区」
地価変動ランキングTOP3
1位は、京都市上京区。京都府庁や京都御苑がある京都市内の中心部。上京区の南に位置する中京区・下京区と比較して住宅地のイメージが強い場所です。
鉄道の駅は京都市営地下鉄烏丸線の「鞍馬口」駅と「今出川」駅の2駅のみであり、市内各所の移動はバス等を利用すれば良いのですが、大阪(梅田)への移動は阪急京都線「烏丸」駅やJR東海道線「京都」駅まで移動する必要があります。
鉄道での移動が不便、とりわけ大阪への通勤利便性が低かったため「大阪通勤圏」として住宅開発の波に飲まれなかった上京区は、中京区・下京区よりも低利用・未利用の住宅等が多く、昨今のインバウンドブーム・民泊ブームで不動産価格の上げ幅が大きかったと言えます。
また住宅開発が進まなかったことが、隣接する中京区や下京区よりも「京都らしい街並み」としてプラス評価にもなりました。
京都市役所、金融機関が集まるオフィス街。2位は「京都市中京区」
2位は、京都市中京区。京都市役所、二条城などがあり東西に京都市営地下鉄東西線・阪急京都線、南北に京都市営地下鉄烏丸線・JR山陰本線が走り、京都市内では珍しく交通至便で、大阪へのアクセスも優れたエリアです。下京区との区界の四条通(道路自体はほぼ下京区に属する)は京都市内随一の繁華街であり、コロナ禍以前は多くの海外旅行客でごった返していました。
京都市内中心部は全般的に、インバウンドブーム、それに伴う商業テナントの賃料上昇や宿泊施設建設ブームによって不動産価格の上昇が見られましたが、トップの上京区と比べ中京区はオフィス・商業のイメージが色濃く知名度の高いエリアだったため、上京区よりも伸び幅が少なかったように思えます。
祇園、清水寺。山間の閑静な街並み。3位は「京都市東山区」
3位はJR「京都」駅東方、鴨川の右岸となる「京都市東山区」。山側には知恩院、八坂神社、高台寺、清水寺等々数多くの著名な神社仏閣が並び、祇園の街並みや京都国立博物館もある観光エリアですが、商住混合エリアも多く、路地奥に建つ小規模な町家が多いのも特徴です。京都市東山区についても、価格上昇の理由は上位の2エリア同様でインバウンド効果です。ただ東山区は、街区が整理されておらず道路幅員が狭い箇所が多く、空き家も多くあります。傾斜地の多い山間も含まれ価格上昇の比率は上京区・中京区と比較して低かったと考えられます。