今回、All About編集部が実施したアンケートをもとに、「賞味期限切れの牛乳、いつまで飲めると思いますか?」の回答結果を発表します。また、傷んだ牛乳を飲んでしまった時のリスクや対処法をご紹介します。
※アンケートは全国各地500名を対象に実施
※男女比:男性 162名/女性 331名/回答しない 7名
※年齢比:10代 7名/20代 121名/30代 150名/40代 139名/50代 64名/60代 18名/70代 1名
※アンケート実施期間2021年8月17日~8月22日
4割以上が賞味期限から「1日後」まで
「賞味期限切れの牛乳、いつまで飲めると思いますか?」のアンケート結果は以下の通り。「賞味期限切れの牛乳、いつまで飲めますか?」の結果
最も多かったのが「1日後」の43.8%、次いで「3日後」が25.2%で、多くの人が賞味期限切れ直後から数日までなら飲めると判断しているようです。一方「1週間後」と回答した人も11.4%存在しました。
また今回のアンケートで500人のうち132人のもの人が実際に賞味期限切れの牛乳でお腹を壊した経験があることも分かりました。
〇「1日後」と回答した人の意見
・お腹を壊したことがあるので、期限厳守しています。(女性 40代)
・子どもも飲むのであまり過ぎたものを飲みたくない。調理用であれば使う。(女性 30代)
〇「1週間後」と回答した人の意見
・開封していなければ大丈夫。(女性 40代)
・牛乳は本当に悪くなると固形化するので、固形化するまでは飲みます。(女性 40代)
牛乳はお腹を壊しやすい、傷みやすいというイメージがあるだけに、賞味期限を強く意識する人が多いようです。「1週間後」と回答した人の中にも「未開封であれば」「シチューやグラタンにして加熱する」など条件付きで飲むという意見が多く見られました。
雑菌が増殖しているかも? 開封後の牛乳は注意
では、賞味期限切れの牛乳を飲む場合、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。牛乳が腐る主な原因は、以下の2つ。
1. 低温殺菌をした場合、牛乳に含まれる乳酸菌が増えてしまう
2. 開封後に空中の雑菌が混入して増殖してしまう
1の場合、乳酸菌によって乳糖が分解され、乳酸や酢酸が作られます。そのため、酸味を感じることになり、量が多い場合は胃腸への負担が出る可能性があります。
ヨーグルトのように適切に発酵すればよいですが、バランスが悪いと嘔気や下痢などの症状を起こすことがあります。
2の場合、空中の雑菌はブドウ球菌などが考えられますが、毒素を産生するので、食後数時間で嘔吐、下痢、発熱、腹痛を起こすことになります。牛乳は殺菌されているからといって安心はできません。空中にはカビも浮遊していますので、カビが生えてしまうこともあります。
2000年にあった雪印集団食中毒事件は黄色ブドウ球菌の毒素が原因で1万4780人の食中毒が発生しました。
もしものときの対処法は?
胃腸炎の症状があれば、下痢で脱水を起こさないように水分補給に努めることになります。下痢で細菌を排出していますので、下痢はとめずに、下痢で失われる水分の補給が重要です。ただし、細菌によっては、抗菌薬による治療が必要になることがあるので、発熱、下痢、腹痛、嘔吐がひどい場合、血便がある場合には医療機関を受診しましょう。
また牛乳に含まれる細菌は加熱によって減るので、加熱することも重要です。カビには毒素を出すカビもあり、毒素のひとつであるアフラトキシンB1は発癌性があったり、慢性中毒の原因になるので、基本的には予防が大切です。