持病の悪化で収入は月5万円の年金だけ。将来が不安です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、以前マネープランクリニックに相談をされた48歳の女性の方。持病があるもののアルバイトで生計を立てていたが、コロナ禍と体調の悪化で、現在の収入は障害年金のみ。親との同居により生計が成り立っているが、将来が不安……。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
コロナ禍と体調の悪化がありました

コロナ禍と体調の悪化がありました


■相談者
ふこふこうさぎさん(仮名)
女性/無職/48歳
関西/実家で親と同居(マンション) 
家族構成/両親(70歳代)
 
■相談内容
2年前に、マネープランクリニックで相談をした者です。

45歳パート月収10万円。体調が悪く、将来のマネープランが見通せません

自身の体調が良くなく月10万円のアルバイトしかできない状況です。親は6部屋が賃貸用の小ぶりのマンション(兼自宅)を経営しているが、収入は月60万円程度。だが、かなりの老朽化と、兄弟姉妹3人で相続するため、不確定要素も多く、老後がとても心配です。

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あれから、体調は一時改善したものの、アルバイトは母に手伝ってもらいながら、さらに最近はそれもできず、現在は収入は障害年金だけとなりました。そういう状況のため、以前にも増して、老後が心配です。資金的にも不安ですが、母親なしには生きられない状態。母親がいなくなれば、家事支援が必要になるレベルです。家事はもちろん、食事も母親に用意してもらっています。
 
ちなみに、体調が回復した時期は、転職を考え、障害者就労支援施設で働こうと考え、お試しで働きましたが、疲れてとても続きませんでした。現在、服用している薬(医師処方)はぜんそくとうつ病。ひどい吐き気は原因がわからず、医師もさじを投げています。
 
ここ数年で、健康回復や自己啓発のために計130万円使ってしまいました。130万円は、健康のために使い、使ってよかったと思います。ただ、貯蓄が減ってしまったことを思うと、心配になってしまいました。
 
■家計収支データ
相談者「ふこふこうさぎ」さんの家計収支データ

相談者「ふこふこうさぎ」さんの家計収支データ



 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 まずは相続財産について明確にしておきたい
アドバイス2 家賃収入よりリスクのない現金を
アドバイス3 施設という選択肢も視野に入れる
 

アドバイス1 まずは相続財産について明確にしておきたい

以前、ご相談をいだいたときは、まだ持病の腰痛がありながら、アルバイトは続けられていたわけですが、その後、お母さんに半分手伝ってもらい、現在は持病が進み、まったく働くことができなくなってしまったとのこと。大変な思いをされていることは、ご相談からも伝わります。
 
さて、ふこふこうさぎさんの今後について、資金的な面でアドバイスをするとすれば、ご両親がお元気なうちに、相続について明確にしておくべきだと思います。具体的には、ご両親が所有し、収入を得ているマンションを将来、3人のご兄弟姉妹でどう相続されるのか。それがはっきりすることで、今後のライフプランも具体的になり、そのための対策も取れるからです。また、それにより、ご自身の不安も緩和されるはずです。
 
確かに、相続はデリケートな問題です。子どもからは切り出しにくいでしょう。しかし、そう言ってはいられない状況です。もしかしたら、ご両親はすでに相続について考えているかもしれません。ともあれ、相続財産をどうご自身が受け取るのか、早い時期にご両親、あるいはご兄弟も交えて相談してほしいと思います。
 
ふこふこうさぎさんは法定相続人として、遺言書がなくても(あるいは遺言等によって不公平な分割となっても)、財産を公平に受け取る権利を有します。それでも、事前に家族間で納得のいくよう話し合われ、その内容を、正式な遺言書として形にしておくことが、相続そのものをスムーズに行うために、とても重要です。作成した遺言書は、法務局に依頼すれば、適正に管理・保管もしてくれます(自筆証書遺言書保管制度)。あるいは公正証書遺言を作成されてもよいでしょう。
 

アドバイス2 家賃収入よりリスクのない現金を

実際にどのような相続となるかは、わかりません。ですが、仮にふこふこうさぎさんがマンションを相続するなら、以前のご相談でもアドバイスしたとおり、早めに売却して現金化する。あるいはマンションは他のご兄弟に任せ、ご自身は相当分の現金を相続することが、望ましいでしょう。
 
マンション経営は、定期的な収入を長期間得られることがメリットではありますが、日頃の管理やメンテナンス、ときに手間のかかる住民との対応が発生する可能性もあります。また、建物や付随する設備の老朽化は、資金面でも大きなリスクです。したがって、売却がより有利となるうちに手放すことが賢明だと考えます。
 

アドバイス3 施設という選択肢も視野に入れる

では、収入はどうすべきでしょうか。

現在の収入源は障害年金だけですから、生活費はご両親に頼っている部分が大きいことになります。今後また、体調が改善して、アルバイトに復帰できるかもしれませんが、そこは不確定です。
 
また、これまでふこふこうさぎさんが厚生年金に加入していたかどうかは不明ですが、それがなければ、公的年金を受け取る年齢になった際、現在の障害基礎年金か老齢基礎年金のどちらかを選択しなくてはいけません。併給はできないのです。当然、どちらにしてもそれだけでは生活費はカバーできません。
 
そうなると頼るべきは貯蓄となります。現在の1000万円が目減りしない、あるいは目減りの速度が遅くなるよう、管理していくことがとても重要になります。現在、家計収支が赤字なのも気になります。
 
もちろん、何から何まで節約、我慢では息が詰まります。したがって、月いくらまでは使っていいと、予算を決めましょう。医療費など必要なコストは仕方がないとしても、まとまった支出を突発的または安易にしてしまうことは避けたいところです。
 
今後、ご自身がどのような生活、人生を希望されているかは不明ですが、現実的な側面から言えば、将来一人暮らしになられるとすると、家賃が発生する(マンションを売却または相続しないなら)ことに加え、介助などの助けの要らない生活が送れるかどうか、心配です。そして、その不安がご本人にもあるなら、施設への入居という選択肢が出てきます。ただし、施設といってもその内容はさまざま。どのような施設が自分に向いているか、資金面も含め、まだ動けるうちに検討されてはどうでしょうか。
 
必要以上に焦る必要はありませんが、不安を抱えたまま、対策が後手後手となると、それがリスクになりかねません。必要だと思う行動は、早めにしておくことが大事だと考えます。
 

相談者「ふこふこうさぎ」さんから寄せられた感想

収入が年金のみなので、税金も少なく今のところ両親に金銭面では頼っているので、いざというとき頼れる場所を見当をつけておこうと思います。ありがとうございました。


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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
  

 
 

 

 

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武


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