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生活保護とは? 受けられる条件と種類を解説

生活保護は、最低限の生活の保障と本人の自立を助けること、この2つを目的として、その人の困窮の程度に応じて必要な保護を行う制度です。憲法25条で掲げられている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するものです。最低限の生活を営むための最後のセーフティーネットといえるでしょう。生活保護の基本と種類について解説します。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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生活保護制度は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する

生活保護は、最低限の生活の保障と本人の自立を助けること、この2つを目的として、その人の困窮の程度に応じて必要な保護を行う制度です。憲法25条で掲げられている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するものです。最低限の生活を営むための最後のセーフティーネットといえるでしょう。

【ガイドの福一さんが生活保護制度を動画で解説します】


厚生労働省によると、2021年12月の生活保護の申請件数は1万7751件で、前の年の同じ月より444件、2.6%増とのこと。生活保護の申請件数が前年同月比で上回るのは、なんと8カ月連続だそうです。リーマン・ショックの影響を受けた2009年度以来、11年ぶりの上昇で、コロナ禍での影響で生活が立ち行かなくなった人が増えたからでしょう。
 

生活保護を受給できる人の4つの条件

生活保護を受給できるのは、その人の、資産、能力等全てのものを活用しても、なお生活に困る人です。ですから、生活保護を受けられる条件は、4つあります。
 
1)資産の活用
預貯金や自動車、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充てる必要があります。ただし、不動産、自動車は例外的に保有が認められる場合もあります。
 
2)能力の活用
働くことが可能な方は、その能力に応じて働く必要があります。
 
3)あらゆるものの活用
年金や手当等、他の社会保障制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用します。
 
4)扶養義務者の扶養
親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けます。

まずはこれらを全て活用し、それでも生活に困ることが生活保護の受給要件となります。
 

生活保護の8つの種類とそれぞれの具体的な支給内容

生活保護には、8種類の支給があります。
 
1)生活扶助
日常生活に必要な、食費・被服費・光熱費等の費用です。

支給の基準額は、【1】食費等の個人的費用と【2】光熱水費等の世帯共通的費用を合算して算定します。【1】個人的費用は家族それぞれに年齢別に算定され、【2】世帯共通的費用は世帯人員別に算定されます。また、障害者加算や母子加算等の加算があります。
 
2)住宅扶助
アパート等の家賃で、定められた範囲内で支給されます。
 
3)教育扶助
義務教育を受けるために必要な学用品費として、定められた基準額が支給されます。
 
4)医療扶助
医療サービスの費用で、本人負担なしで医療機関にかかることができます。
 
5)介護扶助
介護サービスの費用で、本人負担なしで介護事業者のサービスを受けることができます。
 
6)出産扶助
出産費用で、定められた範囲内で実費が支給されます。
 
7)生業扶助
就労に必要な技能の修得等にかかる実費が支給され、高等学校等で学ぶための費用も含まれます。
 
8)葬祭扶助
葬祭費用が定められた範囲内で実費が支給されます。
 

どれくらい支給される?

支給される保護費はどれくらいでしょうか? 収入と厚生労働大臣が定める基準(最低生活費)を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。この最低生活費は住んでいる地域や世帯の構成によって決まります。
支給される保護費のイメージ

支給される保護費のイメージ


また、1)生活扶助の例としては……
生活扶助基準額の例 (令和3年4月1日現在)

生活扶助基準額の例(令和3年4月1日時点)


となっており、この他に必要に応じて住宅扶助、医療扶助等が支給されます。

誰もがお世話になるかもしれない「生活保護」。他人事と思わず、自分のこととして、制度を知ることが大切です。保護が必要な人には、迅速に生活保護を受給できる社会になってほしいと思います。

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