老後不安を解決! 30代から60代までを年代別・ライフプランの立て方
ご存じのとおり、日本人の平均寿命は伸び続けています。私たちはすでに「人生100年時代」を生きているのかもしれません。寿命が伸びた分、必要なお金も増えました。65歳で退職して、老後は年金と退職金で生活する……こうしたロールモデルは今後通用しないでしょう。それぞれが将来のことをイメージしながら、ライフプランを考える必要があります。
本稿では、30代から60代までを年代別に分けて、ライフプランの立て方を提案します。どんな人生を送りたいかイメージしながら、一緒に考えてみましょう。
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30代・半年分の生活費を確保 余裕資金で投資も
まずは30代。仕事にも慣れ、過去の経験や勉強してきたことが実を結び出す、そんな頃合いかもしれません。結婚や子育てをしている人もいるでしょう。住宅を買う人もいるかもしれませんね。さまざまなイベントがあります。独身のとき、あるいは結婚して子どもが生まれる前は、お金を貯めやすい時期です。将来の自分にお金を渡すつもりで、貯金しておきましょう。
貯金の目標額は、まずは半年分の生活費。半年分の生活費があれば、急なトラブルに備えることができます。お金の余裕と時間があると、冷静に対策を考えることもできます。
貯金がたまったら、それとは別のお金、余裕資金で投資を始めてもよいでしょう。後述しますが、投資は運用期間が長いほど有利になる傾向があります。
40代・長く働くには 転職やスキルアップを考える
40代は、引き続き仕事や子育てに忙しい人も多いでしょう。仕事面では、社会に出て20年以上経ち、このまま今の会社にいてもよいのだろうか、このまま同じ仕事を続けるのだろうか……とキャリアについて悩む人もいるかもしれません。
転職や再就職を考える際は、20代・30代で積み上げてきた自分の「できること」を棚卸してみましょう。同じ分野でキャリアアップを目指すのか、違う分野へキャリアチェンジするのか……。できれば60代以降も働くことを視野に入れながら考えるとよいかもしれません。
家計の面では、40代で貯金が少ない人は要注意です。収支のバランスが崩れている可能性があります。月々の収入と支出を把握して、お金の使い道を把握しておきましょう。気が早いかもしれませんが、60代以降の生活費を意識して、少しでも貯蓄額を増やたり、資産運用しておくと安心です。
また、今後の住まいのことも考えておきたいところです。購入か賃貸かの選択は迷うところですが、ローンを組むことを考慮すると40代で決断しておくとベターです。
50代・少しずつ退職後のことを考えて
50代は、子育ても終わり、仕事もいったん落ち着く頃合かもしれません。管理職として、若手をサポートする役目を担ったり、一線から少し離れたポジションにつく人もいるでしょう。この時期から、退職後のことを具体的に考え始めましょう。具体的には、自分にはどの程度の生活費が必要か、貯金はいくらできそうか、年金はいくら受け取れるか……など確認します。
将来受け取れる年金額は、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で確認できます。年金予定額が分かれば、現在の支出と照らし合わせてみましょう。65歳以降の生活がより具体的にイメージできます。
60代・家計のダウンサイジングの検討を
最後に60代です。60代は、仕事面ではペースダウンするケースが多いと思われます。一方で、趣味や好きなことに使える時間が増える時期でもあります。
現状、65歳をめどに退職することが多いですが、この先、70歳を超えても働くことも考えられます。セカンドキャリアとして続けられそうな仕事を、趣味や好きなことから探してみるのもよいかもしれませんね。
60歳以降は収入が減る可能性が高くなります。60代の前半で、家計のダウンサイジングをしておきましょう。年齢を重ねると、これらの見直しがおっくうになってしまいがち。元気なうちに早めに対処しましょう。
また、この60代になると、親の介護をする人が増えます。介護が必要になっても、できれば仕事は続けましょう。一度辞めてしまうと、再び働くことが難しくなるかもしれません。介護保険制度も上手に活用しましょう。
対策しつつ、できるだけ働くつもりで
70代以降は、年金や貯金を使いながら過ごす期間になるでしょう。もちろん、働ける人や働きたい人は、大いに働きましょう。年金以外の収入源があれば、家計は安定します。退職したあとも、収入が支出を上回る状態がベストです。
身もふたもない話になってしまいますが、老後の対策として一番有効なのは「寿命が延びた分、長く働く」ことです。国も、高齢者に働いてほしい、そして税金や保険料を納めてほしい、と考えています。高齢者が働きやすい、働くと有利になるような制度が作られることは間違いないでしょう。
とはいっても、「そもそも高齢者に仕事はあるのか」という問題があります。人によっては、ないかもしれませんし、そもそも健康でないと働けません。そこで、今から運用で資産を増やしたり、年金を増やしたり、いくつかの対策をとっておくと安心です。
30代の項目で投資について述べましたが、仮に、毎月3万円ずつ投資信託を購入し、年間の平均利回りが5%だった場合。30年後には約2500万円になります。その内訳は、積み立てたお金が約1080万円で、運用益が約1500万円(複利計算で税金は考慮していません)。運用益が元本を超えていますね。
上記のような運用益を元本に加える「再投資型」の運用は、期間が長いほど、大きな効果を生みます。投資は、時間のある若い人ほど有利なのですね。
投資は「つみたてNISA」「NISA」「iDeCo」といった税制優遇されている制度から始めましょう。※元本保証ではありません
執筆協力:ファイナンシャルライター 瀧 健
参考本:『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』
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