お金の悩みを解決!マネープランクリニック/教育費が準備できるか不安な子育て世代

38歳、貯金730万円。コロナで主人の収入が減り、食べ盛りの子どもたちの食費は節約できない(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、コロナ禍で夫の収入が減ってしまい、貯金のペースが落ちてしまったことで悩む38歳の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 減収でも家計管理がしっかりしている。当面は現状維持で

収入減、ボーナス減と厳しい状況で、本当におつらいと思います。でも家計を拝見すると、しっかりと管理されていて、収支プラスマイナスゼロは立派です。当面は現状維持、今のペースで大丈夫ですから、毎月10万円の貯蓄は続けていってください。
 
毎月10万円で年間120万円。ご主人が60歳になるまでの17年間で2040万円になります。収入がいつ元に戻るかはわかりませんが、戻ったら特別費積立の4万円、奨学金返済が終わっていれば1万5000円、これで5万円は貯蓄の上乗せができ、仮に10年間とすると600万円。ご主人が60歳時点で、2040万円+600万円+現在の金融資産730万円で3370万円となります。
 
この間、お子さんの教育費として、1人600万円、2人で1200万円はかかるものとします。残りは2170万円です。学資保険代わりの終身保険と、学資保険の満期金は、進路次第で教育費の余裕分としてもいいですし、使わなければ、老後資金として残ります。
 
さらに、ご主人の定年退職は65歳ということですから、ここからさらに貯蓄を増やしていけます。ご夫婦の老後資金としては、十分ではないでしょうか?
 
ボーナスから支出していた分が、当面は厳しくなりますが、収入が戻るまでは、現在の家計管理、毎月の貯蓄を維持することが、一番のポイントになります。
 

アドバイス2 60歳時点で住宅ローンを完済すれば、その後も貯蓄が可能

まだ先の話にはなりますが、住宅ローンについては、ご主人が60歳時点で一括繰り上げ返済をされるといいでしょう。おそらく650万円程度が残っていると思われます。これを完済しても手元には1500万円ほど残ります。このあとの住宅ローン返済がなくなれば、住居費が削減でき、その分を貯蓄に回すこともできるでしょう。教育費のめどがたつまでは、無理に繰り上げ返済をしなくても、最後で帳尻は合いますので大丈夫です。
 
ただ、少し心配なのは、保険です。住宅ローンの団体信用生命保険(団信)に加入していても、保障は住宅ローンの分のみです。お子さんが成人するまでの保障として、夫も妻も保険金額1000万円、保険期間10年の割安な定期保険に加入すると安心です。また、医療保障も共済などのシンプルなものに夫婦それぞれ加入しておくといいでしょう。ガン保障付き団信だけでは、一般的な病気・ケガの入院保障はありません。
 
お子さんが成人するまでは、最低限の保障を確保しておくことが大切です。保険料は1万円ほど増えてしまいますが、なんとか家計のやりくりで捻出していただきたいと思います。
 

アドバイス3 収入が戻ったら以前のペースに戻し、ボーナスからの貯蓄も

今が一番苦しいときかもしれません。ここを乗り切り、収入が戻り、ボーナスも支給されれば、家計はぐっと楽になるでしょう。もしもボーナスの支給が再開したら、家族の楽しみのために使ってください。以前のように年間40万円に戻ったら、半分の20万円は貯蓄に回すようにしてください。
 
現在の家計管理で大丈夫です。改善するところもありません。保険追加の1万円だけ、雑費をもう一度整理するなどして捻出してください。教育資金も老後資金も大丈夫です。もう少し肩の力を抜いて、育ち盛りのお子さんたちとの時間を楽しんでくださいね。
 

相談者「あんこ」さんから寄せられた感想

コロナという先行きの見えない中で、収入だけが減ってしまい、でも生活は今までと変わらず、
どうしていいかとても不安でした。そんな中、先生に「現状維持で大丈夫」とアドバイスをいただき、肩の荷が少し降りたとともに、漠然とした不安がスーッと消えて、またがんばろうという気持ちになることができました。感謝の気持ちでいっぱいです。アドバイスいただいた夫婦の保険も、今まで気にはなりつつも手を付けていない部分でした。私が入院し治療費で大変な思いもしたこともあるので、早速夫と相談し、加入したいと思います。このたびは本当にありがとうございました。



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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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