予防接種・ワクチン

新型コロナワクチン接種前の注意点は?してはいけないこと・問題ないこと

【医師が解説】新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいます。ワクチン接種前に注意すべきことはあるのでしょうか? 入浴・食事・運動・飲酒の可否、薬やサプリメントの服用、検診や献血、手術の可否などの疑問にお答えします。集団接種会場での問診医、接種医としての経験から、当日の持ち物や服装、持っておくと安心なものについてもあわせてご紹介します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

新型コロナワクチン接種前、注意すべきことはある?

新型コロナワクチンの集団接種

世界的に行われている新型コロナワクチンの集団接種。日本でも接種が進んでいます

新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいます。自衛隊大規模接種センターを始め、自治体の集団接種、職域接種、個別接種などさまざまな接種場所が準備されていますが、ワクチン接種前に日常生活のちょっとしたことが気になる方もいるようです。ワクチン接種前にしていいこと・注意が必要なことをまとめて解説します。
 

新型コロナワクチン接種前に注意は不要? 入浴・食事・運動・飲酒など

基本的には接種前の日常生活における注意点は特になく、普段通りに過ごせば大丈夫です。入浴はいつも通りで、食事制限もありません。ウォーキングやランニング、ジムなども含めて運動も問題ありません。マッサージを受けるのも大丈夫です。

飲酒歴のある人は中和抗体がやや少ないと報告されているため、個人差かもしれませんが、接種前には飲酒は控えめにしたほうがよいかもしれません。しかし、抗体量が少ないから感染しやすいわけでもありませんので、あまりに神経質になりすぎなくてもよいでしょう。

基礎疾患の悪化によって接種できないこともありますので、自己判断で定期薬を中止するのは避けましょう。基礎疾患が悪化してしまうことの方が問題です。
 

新型コロナワクチンの接種前に控えるべき薬・サプリメント・食品

基本的に、新型コロナワクチン接種前に飲んではいけない薬、サプリメント、食品はありません。自分のアレルギーの原因となる食品を控えることは、ワクチンの有無に関わらず大切ですが、接種前は普段以上に気を付けた方が安心でしょう。うっかりアレルゲンとなる食品を食べてしまい、接種後にもし何らかの症状が出た場合、ワクチンによるアレルギーかどうかの判断が難しくなってしまうからです。

血液をサラサラにする抗凝固薬を服用している人は接種した部分の腫れや内出血が起こることがありますので、注意が必要です。主治医に相談の上で一時的に中止する方法もあるかと思いますが、中止しない場合も、接種部位を2分程度圧迫しておけば大丈夫ですので、服用していても接種は可能です。
 

新型コロナワクチンの接種前の健診・献血・手術は問題なし?

新型コロナワクチン前の健診は構いませんし、献血も問題ありません。

手術はどのような手術かによって変わってきますので、主治医にその後のワクチン接種時期について相談しましょう。術後の回復が良ければ可能ですが、緊急性の低い手術は控えた方がよいかもしれません。いずれにしてもワクチンは体調の良い状態で受けることが望ましいです。
 

37.5℃以上の発熱は接種不可!しっかりと体調管理を

他の多くのワクチンと同様、新型コロナワクチンも37.5℃以上の発熱がある場合は接種することができません。すでにコロナ対策で万全かと思いますが、ワクチン接種の予約日が決まったら、それまでに体調を崩さないように整えておきたいものです。
 

最後に……ワクチン接種時の持ち物・服装の準備を

最後に、新型コロナワクチンを受け、医師としては集団接種会場で接種医、問診医の経験もある立場から説明したいと思います。

先述の通り、接種前は基本的に普段通りの生活で大丈夫ですので、接種時の持ち物・服装をちゃんとチェックしておきましょう。接種時には接種券、問診表や個人確認できるものなどの必要書類が必要です。医療機関の場合は保険証が必要なこともあります。次回の予約ができていない場合は、スケジュール帳も持っていきましょう。また、37.5℃以上ある場合は接種できませんので、当日、出かける前に体温を測定しておきましょう。服装は脱がなくても「肩まで」出せるものにしてください。

また、会場によっては寒かったり、暑かったりします。ワクチン接種後はアレルギー反応に備え、15~30分程度、会場で待機する必要があります。羽織るものを一枚持つ、夏場は熱中症対策として飲料を持参することも大切です。会話は控えた方がよいので、それぞれ静かに時間が過ごせるように本などを持っておくと良いでしょう。この季節は急に天候が変わるため雨具なども携帯しておいたほうが良いかもしれませんが、接種会場には荷物置き場がないこともあるため、持って動きやすい範囲にとどめましょう。

■参考
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