調査によると、オンラインショッピングを楽しんだり、家族や友人と音声通話で会話したりとステイホーム期間をスマホとともに過ごしている様子がうかがえます。LINEを使っているシニアが41.2%、SNSツールを楽しんでいるシニアが7%いることから、ネットでのコミュニケーションも楽しんでいるようですね。
ただ、コロナ禍に限らず、地震や災害などにより人々が不安になっている時には、デマやフェイクニュースが飛び交いやすくなります。離れて暮らす親がトラブルに巻き込まれていたらと思うと、とても心配ですね。
今回は、もしものときに備えて、シニア世代の親に話しておきたいことをお伝えします。
※「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」(MMD研究所)
ネットやSNSの情報が正しいとは限らない
親世代がデマやフェイクニュースに騙されないために
・ネット検索で上位に出てくるサイトの情報が正しいとは限らない
しかし実際には、検索サイトで上位に表示されるサイトは広告サイトやまとめサイトであることも多く、信憑性が怪しいケースもあります。ネットはテレビや新聞のように責任者がいるわけではなく、個人が思ったことを自由に発信できる場です。正しくない情報があることをまず理解してもらいましょう。
・SNSのフォロワー数が多いからといって信用できるとは限らない
SNSに関しても、同様です。フォロワーが多いアカウントだからといって、信頼できる人とは限りません。特にTwitterでは、問題発言を繰り返す人を見続けるためにフォローする人も多く、その結果フォロワーが増えているケースもあります。
・いいね!やRT数=信頼度ではない
ツイートのいいね!やRT(リツイート)の数も、信頼度とは異なると考えましょう。RTしたのちに、「前RTはおかしいよね。なぜなら~」とツイートに異論を唱える人も多くいます。
・Twitterは「エコーチャンバー現象」が起きやすい
また、Twitterには「エコーチャンバー現象」が起きやすい特徴があります。エコーチャンバー現象とは、自分に近い意見の人ばかりに囲まれることにより、みんなが同じ考えだと思い込んでしまうことです。意見がまったく異なる人はあまりフォローしないため、Twitterを開けば自分と同じ意見ばかりが表示されるようになり、現実の社会でも同じ考えの人が大多数だと勘違いしてしまうのです。
・フェイクニュースやデマは、電話やメール、メッセージなどで直接伝えられることが多い
そしてフェイクニュースやデマは、SNSでの拡散よりも、電話やメール、メッセージなどで直接伝えられることが多いことも話しておきましょう。
総務省が2020年6月に発表した「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」によると、フェイクニュースやデマを知ったときの共有方法の1位は「家族や友達、同僚などとの会話・電話・メール」(29.2%)、次いで「家族や友達、同僚などとのメッセージアプリ(LINEなど)」(11.8%)と、個人間で行われています。
最初の緊急事態宣言の頃、「新型コロナウイルスは熱に弱いのでお湯を飲めば感染が予防できる」「○○病院のドクターが医療崩壊していると話している」といった連絡を受け取ったことはありませんか? 知り合いから直接聞くと説得力が高く、つい信じてしまいます。すると、自分も誰かに伝えなければと思ってしまいます。こうしてフェイクニュースやデマが拡散していくのです。
フェイクニュースやデマに騙されないためには
ネットやSNSの特性以外にも、ぜひ伝えてほしいことがあります。それは、ネットやSNSに流れるフェイクニュースやデマを見抜く3つのポイントです。1. 誰が発信している情報か確認する
まず、発信元を確認すること。その情報を誰が出しているのか、サイト名を見たり、Webで検索したりして確かめます。大手メディアや官公庁であれば安心ですね。シニアには難しい場合は、逐一相談してもらうように頼んでおきます。
2. 複数の情報源で確認する
2つ目は、複数の情報源で確認することです。SNSの投稿を1つだけ見た段階ですぐに信じてはいけません。他にも同じ情報を出している人はいないか、ネットのニュースになっていないかなどを確認しましょう。複数のメディアが報じている場合は、信頼度が高まります。この時、記事のタイトルだけではなく、本文もしっかり読んで判断します。
3. すぐに行動しない
そして3つ目は、すぐに行動しないことです。人に言いたいと思っても、いったん時間をおきましょう。冷静になると矛盾点に気づくこともありますし、世間の調査により徐々に真実が明らかになってくることも珍しくありません。
ネットやSNSとの付き合い方は、どの世代にとっても難しいものです。フェイクニュースやデマは自分たちが騙されるだけでなく、誰かを混乱させてしまう可能性もあるので、親と一緒にゆっくり学んでいきたいですね。