亀山早苗の恋愛コラム

自分の中の“オンナがうごめく”感じ?不倫は恋ではないと断言する妻

男女問わず不倫をやめられない人は少なくない。どんなに有名人の不倫発覚やドロ沼夫婦関係が報じられても、自分だけはバレないし、深い恋愛関係ではないからと不倫を軽くみているのかもしれない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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「ちょっとした浮気」がやめられない

プチ不倫

男女問わず、不倫をやめられない人は少なくない。どんなに有名人の不倫発覚からドロ沼夫婦関係が報じられても、他人事に思えるのだろうか。自分だけはバレないし、深い恋愛関係ではないからと不倫を軽くみているのかもしれない。

 

恋ではなく、軽い息抜き

既婚女性が不倫の恋に陥ると真剣になりがちだというイメージが強いが、実際にはみんなが深刻になるわけではない。むしろ、もっと割り切っているのが現代ならでは。

「好きだから、その思いが満たされるまでつきあう。バレないようになるべく早く別れますけど」

そう言うのはモモカさん(42歳)だ。彼女は32歳で結婚してから10年間に、3人の男性と恋に落ちたという。もちろん、それは誰にも話していない。

「私、幼なじみと20年ぶりに再会して、勢いでつきあって妊娠して結婚したんですよ。もちろん、夫のことは大好きなんだけど、小さいときから家族みたいな感じだったから、再会したときも恋愛のときめきというよりは、懐かしさと安心感で盛り上がった感じだった。20代ではそれなりに恋愛していたので、結婚後、あのときめきがどこへ消えたのかと思うことがよくありました」

とはいえ、子どもが生まれると、共働きでの家庭の維持は想像以上に大変だったから、恋だのときめきだのとは言っていられなくなった。

「夫は基本的には“いいヤツ”だし、何でも言えるんですが、それでも子どもが生まれて数年間は激しいケンカが絶えませんでした。幼なじみだからこそわかってもらえるはずという思い込みもあったんです。ふたりとも思い通りにいかず、イライラしていたから一触即発という感じでした」

1回目の浮気はそんなときだった。子どもが2歳になったばかりのころ。どうしても残業せざるを得なくなり、夫に連絡するとすぐに保育園に迎えに行ってくれることになった。

「ほっとして仕事を続け、終わったのが夜8時。一緒に残業をしていた先輩男性が、軽くメシでもというので行くことにしました。めったにないチャンスだものと思って」

はしゃぎすぎたのか、モモカさんは酔っ払った。あげく先輩を口説いてしまった。先輩が帰ろうと促すと泣いて抵抗したところまでは覚えているそうだ。

「気づいたらホテルにいて、なんだかいい雰囲気になっちゃって(笑)。夫とはその気になれなかったので、現役の女として私、まだまだイケるんだわと思えてきた」

先輩とは一夜限りの関係だった。翌日から、お互いに仕事仲間として素知らぬふりで働いている。

 

2度あることは3度ある

婚外恋愛、婚外セックスについて罪悪感が少ない、もしくはないという人はいると思う。理屈ではなく、「そんな感じになってしまったし、その人のことは好きだし」という理由があれば、数回の交渉は「恋愛」の範疇には入れないと断言した女性もいる。

モモカさんも、どちらかといえばそういうタイプだ。

「2度目の浮気は、子どもが小学校に入ったころ。大きくなったなあとホッとしたところで、また自分の中の“オンナ”がうごめいてきたんですよね」

そうなると、自分で自分を押しとどめることができなくなる。かといって、相手に執着するわけではない。

「本当に息抜きなんですよ。重たい恋愛をしたいわけではない。そこに人としての好意や一瞬の愛はあるけど、日常的に恋を背負うのはむずかしいから、パッと発散できればいい。2度目も3度目もそんな感じでした。2度目は半年くらい続いたかな。けっこう燃え上がったけど、燃えた分、冷めるのも早かったですね。お互いに家庭がある場合は、そのくらいでやめておくのが賢明だと思いました。だから3度目も半年足らずで終了。そのせつなさを抱えていると、数年は楽しめるような気がします」

相手を弄んでいるわけでも、弄ばれているのでもないとモモカさんははっきり言う。単なるスポーツ感覚とも違う。刹那の恋愛感情を燃え尽くす感じだろうか。

「夫とはうまくいっています。つい先日、私は他の男性と数年に1回、短期間、恋愛することで、夫のよさを再認識したいと思っているのかもしれないなと気づいたんです。トータルでみるとやはり、私がいちばんうまくやっていけるのは夫なので。結果的にですが、夫婦円満のためのスパイスになっている可能性もありますね。同じ認識をもっている相手なら、二組の夫婦が救われていることになる」

最後は冗談です、とモモカさんは笑ったが、その目は案外真剣だった。
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