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コロナ解雇、緊急事態宣言再発令で深刻化、これからの家計をどうする?

製造業、飲食業、小売業を中心に、コロナ解雇の流れが止まりません。収入を確保すべく、スムーズな再就職に備えることは当然として、万一、再就職までの期間が長引いたとしても、多少の貯蓄の切り崩しなどで切り抜けられるよう、対策を検討していきましょう。

執筆者:大島 浩之

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コロナ禍では、解雇、雇い止めが、もはや、他人事でない

厚生労働省によると、令和3年1月15日時点で、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇等は、製造業、飲食業、小売業、宿泊業、労働者派遣業を中心に、8万2000人を超えるとのこと。コロナ禍にあっては、解雇、雇い止めが、もはや、他人事でなくなってしまったといえます。
 
仮に、解雇、雇い止めにならず、雇用が継続されたとしても、今までどおりというのは、難しいのかもしれません。たとえば、週休3日、週休4日での雇用継続となれば、必然的に、収入は減ってしまいます。
 
そのため、新型コロナウイルス感染症の終息が未だに見えない状況においては、これまでのように、解雇されないことを目的とする、資格取得などのスキルアップではなく、アフターコロナの時代を見据えた、新たな技能の取得が必要となるでしょう。

まずは、テレワーク需要、巣ごもり需要によって、コロナ禍でも好調だった業種、生き残れる業界を把握することで、これまでの経験をそのまま活かせるのか、新たな技能の取得などのための時間を要するものなのかなども検討することで、スムーズな再就職に備えることが重要となります。

また、独身の方以上に、大変となるのが、子育て世代ではないでしょうか。コロナ禍の現在においては、目先の住宅資金や教育資金について、再就職までの期間が長引いた場合も視野に入れて、対策を検討していきましょう。
 

会社員の立場を失う前に、検討しておきたいこととは?

まず、会社員の立場を失う前に、検討しておきたいことは、独身の方と同様、(1)クレジットカードの作成(2)住まいの確保です。

クレジットカードの作成では、食料品などの生活費をクレジット払いにすることで、支払いのタイミングを数十日遅らせることが可能となる安心感があります。

また、住まいの確保では、既に、住宅ローンを組んでいらっしゃる方は、売却も含めて、検討することとなります。もっとも、たたき売り状態では、住宅ローンの返済が多少高くても、そのまま、住み続けておいたほうが得という場合もあるため、シミュレーションが必要となります。
 
一方、賃貸住宅に住んでいらっしゃる方は、実家に戻るなどの選択ができないのであれば、住居費を減らす方法として、会社員のうちに、家賃の安い住宅の入居審査を済ませ、住み替えておくことも、検討してみましょう。
 

解雇された後に、すべきこととは?

独身の方であれば、自分の身は自分で守るというようなスタンスでも、この困難を切り抜けられるかもしれません。しかし、子育て世代においては、自分の身のみならず、配偶者やこどもを守る責任が伴います。

そのため、こどもの教育費をどのように捻出するのか、活用できる制度がないのかなど、各種制度を知り、手続きすることが、独身の方以上に重要となるでしょう。

たとえば、賃貸住宅であれば、住居確保給付金(家賃)の制度があったり、お金(生活費や事業資金)に困っているとき仕事を探しながら無料で職業訓練を受けたいときに受けられる、「生活を支えるための支援」があったりするので、活用も検討してみましょう。

また、住宅ローンの返済がある方であれば、公的な給付があるわけではないものの、各金融機関が返済計画の変更(リスケ)に柔軟に対応しているため、一定期間、元本は据え置きで、利息のみの支払いにするなど、返済額を減らすことも考えられます。
 

お金をかけず、こどもの学習の機会を奪わない

教育資金については、総合支援資金などの融資を受けてでも、なんとか工面するということも重要なのかもしれませんが、万一、経済的な困窮状態に陥った場合には、親として、最大限、救済制度を活用することで、こどもの可能性を奪わないよう、努めるべきでしょう。

具体的な救済制度として、各自治体によって取り組みは異なりますが、学習塾や習い事などの学校外での教育サービスに利用することができるクーポン券が支給される「学校外教育バウチャー」といった制度が用意されています。
 
また、こども食堂や無料塾などの「こどもの居場所」づくりを推進する自治体が増えていることもあり、各種制度を最大限、利用していくことも、重要となるでしょう。

ちなみに、筆者が担当するお客様の中には、コロナ禍ならではの取り組みで、教育費を抑えながら、高校受験を乗り切ろうとされている方がいらっしゃいます。
 
初めての緊急事態宣言で、テレワークになった札幌在住の伯父さんと休校になった横浜在住の甥っ子くん(中学2年生)のケースなのですが、「塾も休みなら、伯父さんが教えてあげようか?」のような何気ない会話から始まった、Web会議システムを使っての「家庭教師」。
 
伯父さんの教え方がわかりやすいらしく、学校が再開された後でも、「家庭教師」が続き、今年の4月に甥っ子くんが受験生(中学3年生)になっても、この体制が継続されるとのことです。
 
助け合い、支え合いによって、月々の教育費を数万円抑えることに成功しながら、これまで以上に、家族、親族の絆を確かめ合えるという大きな「オマケ」を手にされた方もいらっしゃるのです。

コロナ禍にあっては、やむを得ないものの、親の経済的な困窮が、こどもの学習や体験の機会を奪う結果、「こどもの学力の低下→不安定な就業」といった負のスパイラルとなることは、絶対に避けなければなりません。

●参照
生活を支えるための支援のご案内(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000625689.pdf

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