2年連続の五輪演出はあるか? 2019年の紅白歌合戦を振り返る
昨年・2019年は節目の第70回放送ということや、翌年に東京オリンピックを控えていたり、ラグビーワールドカップの熱狂もあったりと、スポーツ色の強い演出が話題を集めました。 松任谷由実の「ノーサイド」、いきものがかりの「風が吹いている」、ゆずや嵐のスペシャルメドレーが記憶に新しいという人も少なくないのではないでしょうか。今年・2020年はいきものがかり、さらにはaikoが選出されておらず、そしてなんといっても11年連続(通算12回)出演していたAKB48の落選は大きな話題を集めました。コロナ禍で時代の節目を迎えていますが、紅白歌合戦も今年が一つの転換点となりそうです。
初出場は10組! AKB48に代わって選出されたのは?
今年の紅白で初出場となるのは櫻坂46、JUJU、東京事変、NiziU、BABYMETAL、milet、瑛人、SixTONES、GReeeeN、YOASOBIの10組。「香水」で大ブレイクした瑛人(えいと)や、Toru(ONE OK ROCK)プロデュース曲で2019年にデビューしたmilet(みれい)といったシンガーソングライターに加え、紅白ともに今勢いのあるアイドルユニットが選出されました。
6人組のSixTONES(すとーんず)はジャニーズ事務所所属で、今年1月にデビュー。彼らは「ジャニーズをデジタルに放つ新世代」として、2018年に「YouTube アーティストプロモ」キャンペーンに起用されるなど、動画配信を積極的に行いジャニーズの新たな一面を見せました。
紅組は韓国の音楽プロデューサーJ.Y. Parkと日本のソニーミュージックがタッグを組んだオーディションを経てデビューしたNiziU、櫻坂46が初出場です。欅坂46から改名し再スタートを切った櫻坂46。10月の欅坂46ラストライブ最終日にサプライズお披露目された際には、キレのあるダンスパフォーマンスと目覚ましい純白の衣装で、鮮烈な印象を与えました。
櫻坂46
初出場組の中には音楽ファン納得の東京事変、BABYMETALも
音楽ファンの注目を集めているのが「メタルとアイドルの融合」をテーマに2010年に結成したBABYMETALです。2014年頃から毎年のようにワールドツアーを敢行し、イギリスの音楽誌主催のアワードで日本人アーティストとして初の受賞、アメリカのビルボードRockアルバムチャートにてアジアアーティストとして史上初となる1位を獲得。日本人としては53年ぶりのランクインでした。また、RED HOT CHILI PEPPERS、 METALLICA、GUNS N’ ROSES、KORNのツアーサポートなど、まさに世界規模で大活躍中です。ハードな楽曲にパワフルかつキュートな歌唱で全世界のメタルファンを虜にしています。さらに、東京事変の紅白初出場も話題を集めています。2012年に解散し、今年"再生"が発表された東京事変は、WOWOWテニス2020イメージソング やNHKドラマ「56年目の失恋」劇中曲、日本テレビ系ドラマ「私たちはどうかしている」主題歌など数々の新曲がタイアップ起用されました。ボーカルの椎名林檎は昨年に続く2年連続の紅白出場となります。
東京事変
見どころ・聴きどころは重低音。思いっきり「今こそ歌おう」
今年の紅白歌合戦、出演者に限らず全体的な見どころ・聴きどころとしては「重低音」を挙げたいと思います。スマホで、イヤホンで、一人で。軽薄短小な(手軽に……という良い意味でも)音楽の楽しみ方が日常となりつつある中、せめて大晦日は、特に人とのつながりが希求される今年は、テレビ画面とスピーカーで、重厚長大な音に触れて、みんなで音楽を楽しむという過ごし方を提唱したいと思います。※もちろん感染症対策を忘れてはいけません。
というのも、今年の出演者はヘヴィなラインナップが揃っているのです。SixTONESのデビューシングル「Imitation Rain」はYOSHIKI(X JAPAN)作詞・作曲・プロデュースによるもの。東京事変といえば日本を代表するベーシスト、プロデューサーの亀田誠治が在籍しています。そして世界をまたにかけるメタルアーティスト・BABYMETAL。
BABYMETALの魅力の一つが「神バンド」といわれるバックバンドの存在です。アイドルグループやボーカルユニットは一般的にオケ(事前収録したボーカル以外の音源。同期ともいう)を流して歌唱することが多いですが、BABYMETALはライブでの生バンドによるパフォーマンスにこだわり、ド迫力の重低音で本場・北欧のメタルファンも唸らせてきました。神バンドが紅白歌合戦に与えるインパクトは計り知れないものがあると言って良いでしょう。
家族団らん、今年は紅白で年越しを
紅白歌合戦は大晦日の夜7時30分から放送開始です。
紅組(出場回数/演奏曲)
あいみょん(2)「裸の心」
石川さゆり(43)「天城越え」
坂本冬美(32)「ブッダのように私は死んだ」
櫻坂46(初)「Nobody's fault」
JUJU(初)「やさしさで溢れるように」
Superfly(5)「愛をこめて花束を」
天童よしみ(25)「あんたの花道 ~腹筋太鼓乱れ打ちSP~」
東京事変(初)「うるうるうるう~能動的閏〆篇~」
NiziU(初)「Make you happy」
乃木坂46(6)「Route 246」
Perfume(13)「Perfume Medley 2020」
日向坂46(2)「アザトカワイイ」
Foorin(2)「パプリカ」
BABYMETAL(初)「イジメ、ダメ、ゼッタイ」
松田聖子(24)「瑠璃色の地球 2020」
MISIA(5)「アイノカタチ」
水森かおり(18)「瀬戸内 小豆島 ~2020映えSP~」
milet(初)「inside you」
YOASOBI(初)「夜に駆ける」
LiSA(2)「アニメ『鬼滅の刃』紅白SPメドレー」
Little Glee Monster(4)「足跡」
白組
嵐(12)「嵐×紅白 2020スペシャルメドレー」
五木ひろし(50)「山河」
瑛人(初)「香水」
Official髭男dism(2)「I LOVE…」
関ジャニ∞(9)「みんなで踊ろう!前向きスクリーム!」
Kis-My-Ft2(2)「We never give up!」
King & Prince(3)「I promise」
郷ひろみ(33)「筒美京平 トリビュートメドレー」
GENERATIONS(2)「You & I」
純烈(3)「愛をください ~Don’t you cry~」
鈴木雅之(3)「夢で逢えたら」
SixTONES(初)「Imitation Rain」
氷川きよし(21)「限界突破×サバイバー」
福山雅治(13)「家族になろうよ」
Hey! Say! JUMP(4)「紅白SPメドレー ~みんなでエール2020~」
星野源(6)「うちで踊ろう(大晦日)」
Mr.Children(2)「Documentary film」
三山ひろし(6)「北のおんな町 ~第4回 けん玉世界記録への道~」
山内惠介(6)「恋する街角」
ゆず(11)「雨のち晴レルヤ ~歓喜の歌 紅白SP~」
特別企画
さだまさし 「奇跡2021」
GReeeeN 「星影のエール」
松任谷由実 「守ってあげたい」
窪田正孝 中村 蒼 山崎育三郎 森山直太朗 堀内敬子 「エール」スペシャル
YOSHIKI 「ENDLESS RAIN」
King & Prince 乃木坂46 「星に願いを」
二階堂ふみ 氷川きよし 「ホール・ニュー・ワールド」
渡辺直美 King & Prince 乃木坂46 「小さな世界」
なお、今回ご紹介した情報は執筆時点(2020年12月28日)のものです。最新の内容は第71回NHK紅白歌合戦のホームページをご確認ください。
紅白歌合戦 公式サイト
http://www.nhk.or.jp/kouhaku/