マイクロソフトから、画像編集ソフトが公開されました。
コードネームを「Acrylic」(アクリル)と名付けられたこのソフトは、紹介ページのURLが示している通り、2003年にマイクロソフトに買収されたCreature Houseが「Expression」(エクスプレッション)としてリリースされていたものです。日本でも発売されていたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
買収された後、しばらく音沙汰がなかったのですが、今年6月、突如としてベータ版が公開され、さらに先日、CTP(コミュニティ・テクノロジー・プレビュー)版が公開されたのです。
元々「Expression」は、プロ用のグラフィック作成ソフトとして人気があり、私も長く愛用しているソフトでしたので、非常に嬉しいです。なんでも、マイクロソフトは、来年末に発売予定の新OS、「Windows Vista」に合わせ、プロ用のグラフィックツール市場に商品を投入するらしく、その流れとして、今回、「Acrylic」が公開されたのです。
今回、このCTP版の「Acrylic」のおもしろい機能をいくつかご紹介します。
●Acrylicってどんなソフト? ●ピクセル?それともベクターレイヤー? ●ベクターの特徴 ●ベクターに塗り絵をする ●マスクというより切り抜き感覚 ●IllustratorやPDF、HTMLの出力が便利! ●英語版お試し版を使ってみよう |
●Acrylicってどんなソフト? |
Acrylicというソフトを一言でまとめると「ペイントとドローを併用できるソフト」です。
ソフトをダウンロードしてインストール、その後起動させますと、どこかで見たことがある懐かしい感じ。見たことがないツールなどもありますが、やはり「Expression」です。以前からExpressionを使用されている方でしたら、問題なく使用できると思います。
▲「Acrylic」のメイン操作画面です
●ピクセル?それともベクターレイヤー? |
「Acrylic」と言う名前の通り、アクリル(板)をイメージしてコードネームが付けられソフトらしく、新規画像の作成でも、「レイヤー」と言う概念が真っ先に現れます。ちょうど、透明なアクリル板に絵を描いていこうと言うイメージです。
▲レイヤーを作る時にいずれかを選びます
このレイヤーを作る画面で「ピクセルレイヤーもしくはベクターレイヤー」どちらかを選択することになります。ピクセルとベクターを併用できるソフトはいろいろありますが、Acrylicの最も優れている点は「Expression」から引き継がれている「図形やイラストなどのベクター画像を絵筆感覚で描くことができる」ことです。
たとえば、ざると枝豆のイラストがありますが、これはすべてベクター画像です。↓
▼ブラシのような線で描きますが
▲実はパスでできている画像です
▲かすれや効果付きの線で描いた文字も
すべてベクター画像です