「ぴえん」が三省堂「今年の新語2020」の大賞に

『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2020」』の大賞に選ばれた「ぴえん」

『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2020」』の大賞に選ばれた「ぴえん」

2020年を代表する言葉(日本語)で、今後の辞書に掲載されてもおかしくないものを発表する『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2020」』選考発表会が11月30日に行われ、その大賞には「ぴえん」が選ばれました(大賞以下は、2位「〇〇警察」、3位「密」、4位「リモート」、5位「マンスプレイニング」……)。

「ぴえん」とは、「ぴえーん」の省略とも言われ、その名が示す通り泣いていることを表す言葉で、SNS やメールなどのやり取りで使われています。「ぴえん」の意味を表す絵文字も人気のようです。
 

「ぴえん」の意味・使われ方

実際にどのように使われているかを見てみますと、
「足をぶつけた ぴえん」「蚊に刺されたよ ぴえん」のように、「あ~もうどうして~」というような自分の失敗、状態に情けなくなるような気持ちを表す場合、
また、「○○ちゃんが誕生日祝ってくれた ぴえん」「みんなでおごってくれた ぴえん」のように、うれしい気持ちや励まされたような気持ちの場合にも使われるようです。

深刻な感じとは違うのだけれど、悲しくて泣いていることを表すだけでなく、うれしいときなど、悲しいこと問わずに泣きたいほどの気持ちを伝えたいときに幅広く使えるというのが魅力なのではないでしょうか。

そこに加えて、絵文字が表す目をウルウルさせている今にも泣きそうな顔文字の生き生きした様子や可愛らしさも人気の理由でしょう。
「ぴえん」は悲しいこと問わず泣きたいほどの気持ちを表現できる

「ぴえん」は悲しいこと問わず泣きたいほどの気持ちを表現できる

うれしい、泣きたいほどの心の動きという意味では、先ほどの『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」』にて、2位にランクインされた「エモい」(emotionを形容詞化したものか/音楽などで接する人の心に、強く訴えかける働きを備えている様子だ『新明解国語辞典』風)とも似ている感があります。
 

古くからの「嬉し涙」を表す言葉は?

では、この「ぴえん」をちょっと改まってほかの言葉に言い換えてみるとしたらどのような言葉があるでしょうか。

■もしも「ぴえん」を言い換えてみたら
感涙、涙があふれる、こみ上げる、感極まる、ジーンとくる、感動、感激、胸にしみる、胸を打つ、胸に迫る、心にしみる、万感胸に迫る、嬉しい、ありがたい、嬉し泣き……など。

嬉し泣きなどの意味では、少し改まった言葉になりますが「随喜の涙」も近いかもしれません。

「随喜」ずいき とは

  1. 仏語。他人のなす善を見て、これに従い、喜びの心を生じること。
  2. ありがたく思い、大いに喜ぶこと。「随喜して迎える」

(『デジタル大辞泉』小学館)

ですから、「随喜の涙」とは、ありがたい気持ち、大きな喜びのあまりにあふれ出る涙、ありがた涙という意味ですね。

そのような感極まった気持ち、状態を「ぴえん」が一手に引き受けているのが、重宝される人気の理由のひとつなのでしょうね。

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