2020年、女の子の名前人気ランキング

2020年女の子の名前ランキングベスト5(明治安田生命発表)

2020年女の子の名前ランキングベスト5(明治安田生命発表)

明治安田生命発表による2020年度の人気名前ランキングが発表されました。
10位までの結果は、
  • 1位:陽葵
  • 2位:凛
  • 3位:詩
  • 4位:結菜
  • 5位:結愛
  • 6位:莉子
  • 7位:結月
  • 8位:紬
  • 8位:澪
  • 10位:結衣
となりました。この中でベスト5位について漢字の成り立ちや意味を解説します。
 

1位:陽葵(ひまり・ひなた)

女の子の名前1位「陽葵」…陽は高い太陽、葵はアオイという植物

女の子の名前1位「陽葵」……陽は高い太陽、葵はアオイという植物

この名は「ひまり」「ひなた」などの読み方でつけられることが多いですが、いずれも辞典にはない読み方になります。葵はキ、ギ、アオイ、マモルが正しい読み方ですので、陽葵を辞典通りに読むとハルキ、タカキという男性の名になってしまいます。

陽のコザトヘンはハシゴを描き、高いことを表わします。右側の「昜」は長いサオと太陽を描き、「高い」「長い」ということを表わし、他に揚(高くあげる)、場(一段高い所)、湯(上へ行く熱い水)、腸(長い内臓)の字も作られています。「陽」という字は、高く昇る太陽のことです。

葵の字の下側は何を描いたのかは謎ですが、武器か道具のようでもあり、四方に伸びる枝のようでもあります。クサカンムリをつけた「葵」という字は、葉が四方に伸びるアオイという植物のことと思われますが、ヒマワリを表した時代もあります。
 

2位:凛(りん)

女の子の名前2位「凛」…凛は穀物の保管場所

女の子の名前2位「凛」……凛は穀物の保管場所

「凜」と「凛」の書き方があって紛らわしいですが、どちらも名前に使えます。古くは「凜」が正しい書き方です。

「凛」という漢字の成り立ちは解明しにくいですが、覆いと小屋とイネを描いた絵のようにみえます。小屋に穀物をしまう状況から、「寒い」「こごえる」というのが本来の意味ですが、緊張する、張りがある、というふうに意味が変化してきました。

凛の字は2004年から名前に使えるようになり、一文字の名前としてはじめは男女両方につけられていましたが、最近はほとんど女の子につけられています。
 

3位:詩(うた)

女の子の名前3位「詩」…詩とは書きとめるメモのこと

女の子の名前3位「詩」……詩とは書きとめるメモのこと

詩は「詩織」という名によく使われてきた字ですが、今年は一文字の名前が急浮上しました。

詩の左側の「言」は、刃物と口を合わせて「口でスパっと表現する」という意味です。「寸」の部分は手と短い記号を描き「少し」の意味で、これに足を加えた「寺」は少しとどまることを表わし、僧侶の一時的な宿泊所も意味します。他に、持(手にとどめる)、待(とどまってまつ)、時(太陽がとどまる一瞬)などの字にも含まれます。

「詩」という字は、言と寺で、言葉を書きとめるメモを意味します。
 

4位:結菜(ゆな・ゆいな・ゆうな)

女の子の名前4位「結菜」…結はむすぶこと、菜はつむ草

女の子の名前4位「結菜」……結はむすぶこと、菜はつむ草

結菜は、「ゆな」「ゆいな」「ゆうな」と3通りの読み方がある名前です。

結の字の右側の「吉」は、容器に重いフタをしたような絵になっていて、満たす、ギュッとしめるという意味を表わします。イトヘンをつけた「結」の字は、糸をしめて結ぶことです。

菜の下側の「采」は、手で草花をつむ絵で表され、採(つみとる)、彩(色とりどり)の字も作られました。クサカンムリをつけた菜は、つむ草花のことです。
 

5位:結愛(ゆめ)

女の子の名前5位「結愛」…愛は感受性をあらわす字

女の子の名前5位「結愛」……愛は感受性をあらわす字

結愛は「ゆあ」という読みでつけられることが多いですが、辞典にはない読み方です。愛の字は「めでる」と読むこともあるので、「ゆめ」と読むのは間違いとはいえません。

「結」の字については4位のところで述べた通りです。

「愛」の字の成り立ちは難しいですが、人の顔と心臓と足を強調したものと見ることができます。足の部分は「動く」という意味を表わします。感情と顔の表情が動きやすいこと、つまり感受性が強いことをあらわします。「愛」の字の本来の意味は、好きになるとか惚れるということではなく、鋭く感じとる、人の痛みがわかるということのほうが近いでしょう。
 

ジェンダーフリー志向で男女のわかりづらい名前が増加傾向

最近数年間に見られる際だった傾向として、いわゆるジェンダーフリーといわれる、男女ともにある名が急劇に増えていることです。ベスト100位を見ても、男女両方にあらわれる名が4つあります。
  • 凪(なぎ)……男子23位・女子15位
  • 晴(セイ・はる)……男子52位・女子70位
  • 葵(あおい)……男子27位・女子11位
  • 光(ひかり・ひかる・コウ)……男子73位・女子59位
このうち「凪」と「葵」は男女どちらの場合も読み方は同じであるため、呼び名自体に男女あるわけです。ちなみに今回の明治安田生命による名前ランキングの呼び名ベスト50位の順位にも、「あおい」「ひなた」「はる」が男女両方にあります。

このことから、男女の区別をしない名前が増えたと思われたりしますが、実はそうではありません。最近人気のアオイ、ヒナタ、レイ、ナギ、ハル、などの名はもともと男の子にない、純粋な女の子の名でした。それを男の子につけることが流行した結果として、男女両方に多くなったのです。逆のケースはほとんど見られません。

ベスト100位の名前を見ますと、男女の判別のしにくい名をつけられた女の子は、人数にして9.5%(昨年は6.5%)で、男の子はそれよりずっと多い25%(昨年は22%)です。
 

読めない名前は依然として多い

もう一つ、最近の特徴として、辞典にない読み方の名前がつけられるケースも増えています。ベスト10位に入る名前のふりがなを見ても、人数の上では女の子の29%が辞典にない読み方です。

もちろん名前の読み方を正しくしなさい、とわざわざ法律に書かれてはいませんが、辞典にない読み方は他人にどう読まれても文句は言えない、という覚悟は必要になります。
 

名付けの人気漢字には「社会で欠乏しているもの」が表れやすい

名づけでよく使われる人気漢字は、その社会で欠乏しているものがよく表れます。平成以後は自然界や動植物に関する字が名前に多く使われるようになり、2020年の漢字ベスト25の中でも、女の子で16含まれます。日常生活で自然と接することが少なくなり、また環境破壊への不安が広がっていることの表れと見ることができます。

女の子では「愛」「結」「心」「依」など人の繋がりをあらわす字が入っており、とくに結の字はここ10年来、ずっと高い人気を保っています。それはいじめや詐欺が蔓延し、人間関係が希薄になりやすい今の社会の風潮が反映されているのかもしれません。

なお今年大きな話題となった新型コロナ・鬼滅の刃などは、名づけへの影響はまったく見られません。ウイルス・コロナ・ワクチン・Go To~・自粛などの言葉は名前にはつながらないでしょう。鬼滅の刃の登場人物の名前も、世の中にあまり見られません。非常に古い名前なので、そうした名前が増えることはありませんでした。ちなみに鬼の字を含んだ魁(かい)という名は10年以上前に男の子によくつけられていた時期があります。


同じ明治安田生命の名前ランキングの男の子版の解説は「2020年男の子の名前人気ランキング!漢字の成り立ち・人気傾向」をご覧ください。

【参考情報】
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