明治安田生命発表による2020年度の人気名前ランキングが発表されました。男の子に人気の名前ベスト5位について漢字の成り立ちや意味を解説します。
2020年男の子の名前ランキングベスト5(明治安田生命発表)

2020年男の子の名前ランキングベスト5(明治安田生命発表)

 

1位:蒼(あおい・そう・あお)

男の子の名前ランキング1位「蒼」…蒼の字の成り立ちは解明されていない

男の子の名前1位「蒼」…蒼の字の成り立ちは解明されていない


「蒼」という字は1990年に名前に使えるようになり、ずっと人気の高い字です。漢字一文字の名前の場合、「ソウ」と読めば男の子の名で、「あお」「あおい」と読めば男女両方にある名です。

下側の倉の部分の成り立ちは謎ですが、屋根と容器を描いて、何かの保管場所を表すものとも考えられます。クサカンムリをつけた蒼の字は、「蓄えられた草の色」という意味とも考えられます。色彩に関する名前を希望する人が好む名前です。
 

2位:樹(いつき・たつき)

男の子の名前ランキング2位「樹」…樹は栽培された木

男の子の名前2位「樹」…樹は栽培された木


「イツキ」「タツキ」のどちらの読み方も正しいですが、イツキと読む名の方が数は多いでしょう。「みき」とも読みますが、その読み方で名前に使われることはめったにありません。

「樹」という字の成り立ちは、木と、容器に植えた木と、手を描き、鉢で栽培された木を表すものと思われます。
 

3位:蓮(れん)

男の子の名前ランキング3位「蓮」

男の子の名前ランキング3位「蓮」…根がつながっているのが蓮


シンニュウと車を合わせた「連」の字は、車をつらねて進むことですが、さらにクサカンムリをつけた「蓮」の字は、根がつながったハスのことです。

やはり1990年に名前に使えるようになってから大人気になった字で、漢字一文字の名前は、はじめは男女両方につけられていましたが、今はほとんど男の子につけられます。
 

4位:陽翔(はると)

男の子の名前ランキング4位「陽翔」…陽は高い太陽、翔は派手に飛ぶこと

男の子の名前4位「陽翔」……陽は高い太陽、翔は派手に飛ぶこと

陽の部首のコザトヘンは、ハシゴを描き、高いことを表わします。右側の「昜」は、長いサオと太陽を描き、「高い」「長い」ということを表わし、揚(高くあげる)、場(一段高い所)、湯(上へ行く熱い水)、腸(長い内臓)の字も作られています。「陽」の漢字の意味は高く昇る太陽のことです。

「翔」の字に本来「ト」の読み方はありませんが、最近は一部の辞典で「とぶ」という訓読みを載せていて、その辞典に従えばこの名は「ハルト」と読む名です。

「羊」は緑の草原で目立つので、よく見えるものの象徴であり、洋(見通せる海面)、鮮(色のあざやかな魚)、詳(わかるように言う)、祥(祈りの結果が出る)などの字に含まれています。「羽」と合わせた翔の字は、堂々と派手に飛ぶという意味をあらわします。
 

5位:律(りつ)

男の子の名前ランキング5位「律」…

男の子の名前5位「律」……律はまっすぐ進むこと

「彳」は道路の半分を描き、進行を意味します。「聿」は手で筆かホウキを下げた状態で、まっすぐな状態を表わし、津(まっすぐ海へ出られる海岸)、建(まっすぐ立つ)、筆(まっすぐなフデ)の字も作られています。

「律」という字は、まっすぐな道、守られるべき道を意味します。真面目なイメージの表現として名前に使われます。リツというよび名も男女ともにつけられます。
 

ジェンダーフリーの影響で男女の分かりづらい名前が増加

最近数年間に見られる際だった傾向として、いわゆるジェンダーフリーといわれる、男女ともにある名が急劇に増えていることです。ベスト100位を見ても、男女両方にあらわれる名が4つあります。
  •  凪(なぎ)……男子23位・女子15位
  •  晴(セイ・はる)……男子52位・女子70位
  •  葵(あおい)……男子27位・女子11位
  •  光(ひかり・ひかる・コウ)……男子73位・女子59位
このうち「凪」と「葵」は男女どちらの場合も読み方は同じ、つまり呼び名自体に男女あるわけです。ちなみに呼び名のベスト50位のほうの順位でも、「あおい」「ひなた」「はる」のよび名が男女両方にあります。

このことから、男女の区別をしない名前が増えたと思われたりしますが、実はそうではありません。最近人気の「アオイ」「ヒナタ」「レイ」「ナギ」「ハル」などの名前は、もともと男の子にない、純粋な女の子の名でした。それを男の子につけることが流行した結果として、男女両方に多くなったのです。逆のケースはほとんど見られません。

ベスト100位の名前を見ますと、男女の判別のしにくい名をつけられた男の子は、人数にして25%(昨年は22%)で、女の子の9.5%(昨年は6.5%)よりグンと多く、4人に1人にまでなっています。
 

読めない名前が依然として多い

もう一つ、最近の特徴として、辞典にない読み方の名前がつけられるケースも増えています。ベスト10位に入る名前のふりがなを見ても、人数の上で男の子の6%が辞典にない読み方です。

もちろん名前の読み方を正しくしなさい、とわざわざ法律に書かれてはいませんが、辞典に無い読み方は他人にどう読まれても文句は言えない、という覚悟は必要になります。
 

新型コロナ・鬼滅の刃の影響は見られない

今年大きな話題となった新型コロナ・鬼滅の刃などは、名づけへの影響はまったく見られません。ウイルス・コロナ・ワクチン・go to・自粛などの言葉は、当然ですが名前につながりません。

鬼滅の刃の登場人物の名前も世の中にあまり見られず、または非常に古い名前なので、そうした名前が増えることはありませんでした。「凪」という字もジェンダーフリーの名前が増えたここ数年の影響です。ちなみに鬼の字を含んだ「魁(かい)」という名は10年以上前に男の子によく付けられていた時期はありました。
 

名前の人気傾向には「社会で欠乏しているもの」が表われやすい

名づけでよく使われる人気の漢字は、その社会で欠乏しているものがよく表れます。平成以後は自然界や動植物に関する字が名前に多く使われるようになり、2020年の漢字ベスト25の中でも、男の子で12含まれます。日常生活で自然と接することが少なくなり、また環境破壊への不安が広がっていることの表れと見ることができます。

また男の子では「太」「大」「悠」の字が入り、高い人気を保っています。陰湿ないじめや卑劣な詐欺が蔓延している今の社会の中で、人間の大きさ、おおらかさが求められているのかもしれません。

【参考情報】
【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※妊娠中の症状には個人差があります。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。体の不調を感じた場合は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。