「今年こそキャンプに行きたい」、そう思いながらも夏が終わってしまったという方、実際にアウトドアに出かける一歩がなかなか踏み出せないという方は多いようです。特に、小さな子どもがいると、子どもに手がかかってキャンプどころではない……とちゅうちょしてしまうという声もよく聞きます。そんなときは、自宅でできる「おうちキャンプ」を試してみませんか? アウトドアナビゲーターの私が自宅で簡単にキャンプ気分を味わう方法をご紹介します。
 
おうちキャンプイメージ

家の中でキャンプの疑似体験を楽しむ「おうちキャンプ」

 

秋冬のキャンプはなんだか大変そうなイメージが……

一般的にキャンプシーズンは夏のイメージが強いですが、アウトドア愛好家にとって絶好のキャンプシーズンは、秋から冬にかけて。木々が色づき、空気が澄んで星空は美しくなり、たき火の楽しい季節を迎えます。
 
ただし、日の入り時間が早くなり、朝晩の冷え込みが厳しくなるこの季節のキャンプは、アウトドア初心者にとってハードルが高いのかもしれません。テントを組み立てたら既に暗くなっていて、夕食をつくれなかったり、夜の冷え込みが厳しくて眠れなかったり。そんな失敗を想像してしまえば、実際にキャンプに行くことをためらうのも無理はありません。

また、小さな子どもがいればなおさら。子どもの遊びに付き添いながら、テントを組み立て料理を仕上げるなんて、想像しただけで大変……という声もよく聞きます。

そこで、アウトドア初心者の方や小さなお子さんがいる方は、大自然の過酷な環境下でキャンプをする前に、自宅で「おうちキャンプ」を楽しんでみませんか?
 

自宅で手軽にアウトドアを気分を味わえる「おうちキャンプ」

家の中、または敷地内でアウトドア気分を楽しめるのが「おうちキャンプ」の魅力です。そんなおうちキャンプは、部屋の中で楽しむ「疑似キャンプ体験」のほか、庭があれば「お庭キャンプ」、ベランダがあれば「ベランピング」など、さまざまなスタイルで楽しまれています。
おうちキャンプイメージ

テントやシュラフ(寝袋)、ランタンなどがあるとよりリアルなキャンプ感を味わえます


「家の中にテントをたてて、どうせ『映え』狙いでしょ?」と思うことなかれ。ただアウトドア気分を楽しむだけではなく、きっとおうちキャンプで学べることがたくさんあるはずです。
 

おうちキャンプは子どもと一緒に学びながら楽しめる!

初心者にありがちな失敗は数え上げればキリがありませんが、例えば「テントを購入し、組み立てテストをせずにそのままキャンプ場へ持って行く」、「実際にやってみたら足りないものに気付いて途中で買いに行くことになる」など。しかし、おうちキャンプで予行演習をしておけばこのような失敗も防げるでしょう。
 
失敗をしないコツはキャンプ道具を一度使ってみることです。例えばシュラフ(寝袋)を買って、それを使って試しにベランダで寝てみましょう。ベランダが難しければ、家の中でも構いません。子どもにとっては、それだけでワクワクするような冒険のはじまりです。実際にシュラフで寝てみれば、暑すぎたり、あるいは寒すぎたり、大きさが合わなかったりするかもしれません。床が硬くて、マットが必要だと気付くかもしれません。
 
炭用のグリルはさすがに部屋の中やベランダでは使えませんが、ガスコンロ、ガスグリルなら「おうちキャンプ」でも活躍します。アウトドア用のガスコンロに火をつけられるかどうか、ガスグリルでどんな料理を楽しむか、考えてみることが実際のキャンプに役立ちます。子どもはきっと火に大きな興味を持つでしょう。マッチやライターを使って、一緒に火をつけてみる練習をしてみてもいいかもしれません。その際は、火の取り扱いについて、しっかりと伝えることも忘れずに。
 
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火の扱い方もキャンプの学びの一つです

 

おうちキャンプのおすすめの楽しみ方3選!

おうちキャンプの具体的なルールはありませんが、せっかく家でキャンプをしてみるなら、以下のような方法を試してみては。
 
■電気、ガス、水道を使わずに過ごしてみる
実際のアウトドアでは、限られた電気、ガス、水を使用して過ごすことになります。家の中の照明を消し、使用する水の量を決めて、ガスを使わずに料理を作ってみてください。ランタンや懐中電灯の明かりを頼りに、限られた水でどんな料理が作れるのか。寒ければ温かいものが食べたくなるし、水を節約したメニューを考える必要があります。
 
■キャンプ用に準備した食材だけで過ごしてみる
実際にキャンプに行って、近くのスーパーなどで食材を買い込むことを想定し、1泊2日分の献立を考え、食材を用意しておきます。その際、冷蔵庫を使わない食材を選ぶなどのオプションをつけると、さらに難易度が上がります。調味料を忘れがちなので注意してください。計画通りにうまくいくのかどうか、ゲーム感覚で楽しめます。
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少量の水で作れる料理を考えてみましょう


■家の中の備蓄品だけで過ごしてみる
家庭で用意している備蓄品を使って過ごすおうちキャンプもおすすめです。いざというときのために用意しているものがあれば、それを使ったり食べてみたりしましょう。懐中電灯やラジオは使えますか? 食材の賞味期限は切れていませんか? 缶切りやハサミがないと開けられないものもあるでしょう。子どもは缶切りやハサミを使えるでしょうか? 非常時こそ、普段食べ慣れているものが食べたくなるものです。家に準備している備蓄品は、果たして非常時に食べたいものでしょうか。キャンプ気分を味わいながら、もしもの時のための食糧品を見直すこともできるのです。
 
おうちキャンプ実践中に、何かが足りなければそれを我慢する必要はありません。ベランダで寝ていて、寒ければ家の中に入って構いません。足りなかったこと、予想していなかったことを覚えておき、実際のキャンプに役立てればいいのです。そこがおうちキャンプの手軽さであり、醍醐味でもあるからです。
 

おうちキャンプの注意点

おうちキャンプで注意すべきポイントは、実際のキャンプと違って使えないものがあるという点です。例えば、家の中では炭火用のバーベキューグリルは使えません。ベランダでも庭でも、近隣の状況によっては使用できないことが多いので注意してください。家の中で調理用の熱源を準備するなら、携帯用のガスコンロや固形燃料などを検討してみてください。そして室内での火気の取り扱いには十分注意しましょう。
 
また、家の中で使うテントは、屋外では使用できないものもあるので気を付けてください。購入する際は、今後、どんな場所でどんなテントを使いたいのか、使用する機会を想定しながら準備しておくことが重要です。
 

おうちキャンプで「生きる力」を育む

キャンプの魅力は、それ自体が楽しいことももちろんですが、便利な現代社会において「生きる力」を育むことができるという点も大きな魅力であると、私は考えています。寝袋で寝てみる、水も電気もないところで料理をしてみる、限られたツールで生活してみる、それを「キャンプ」という非日常で体験すれば、ワクワクするような楽しさを伴います。子どもと一緒に取り組めば、楽しさが倍増することでしょう。
 
まずは家の中で「非常時」を体験してみることが、いざというときの「生きる力」につながると信じています。キャンプ体験は、被災時訓練にもつながるものです。まずは自分ができることから始めてみましょう。アウトドアに出かけることが難しければ、「おうちキャンプ」を楽しむことから始めてみませんか?
 

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