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SEA TO SUMMIT~人力で海から山頂へ

「SEA TO SUMMIT」とは、カヤック、自転車、登山の3種目で海から山頂を目指す、アウトドアメーカー「モンベル」主催の環境スポーツイベント。開催地によって難易度が異なり、なんと子どもやペットを連れて参加できる大会もあるんです。9月に行われた奥河内大会の体験レポート。

渡部 郁子

執筆者:渡部 郁子

アウトドアガイド

SEA TO SUMMITとは?

カヤックイメージ

カヤック、自転車、登山をセットで楽しめます

海から山頂、しかも3種目と聞いて、「トライアスロンみたいなもの?」「耐久レース?」とイメージした方も多いことでしょう。でも、トライアスロンや耐久レースとは、性質が全く異なります。

「SEA TO SUMMIT」はそもそもレースではありません。モンベルグループ代表の辰野勇氏の言葉を借りれば、「人力だけで海から頂上を目指し、大自然を全身で感じながら汗をかき、人と自然のかかわり方のあるべき姿を改めて考える大会」です。

カラフルなカヤックがすらり

カラフルなカヤックがすらり

カヤックも自転車も基本的には持参するというイベントなので、参加するには少々ハードルが高いのですが、カヤックは有料レンタルが用意されているので、自転車だけなら持参できるという方も参加可能ですよ。数量限定なので早めに確保する必要がありますからご注意ください。


「家族でも出場できますよ。奥河内大会は入門コースですから。」という広報担当者さんの言葉を聞き、「親子でカヤックに乗れたら楽しそうだなあ」なんて軽い気持ちで、「All About取材チーム」を結成。大阪府河内長野市で行われた「SEA TO SUMMIT奥河内大会」に、私、渡部郁子は2歳の息子とカメラ担当の夫を連れてファミリーで参加してきました。
チーム写真

スタート地点でチーム写真をパチリ


奥河内大会の特徴

犬を連れた参加者

ワンちゃんも大喜び

全国の「SEA TO SUMMIT」の中では入門編にあたる、比較的難易度の低いコース。シングルの部、チームの部とも、中学生から参加できます。今回の最年少参加者は11歳男子。そして、驚いたことにこの大会には、犬を連れた参加者がとても多いのです。なんと、犬と一緒にカヤックに乗り、犬と一緒に自転車、登山まで! 基本的には「荷物扱い」ということだそうで、希望すれば一緒に参加していいそうです。

ちなみに、参加資格は中学生からですから、2歳の息子も正式には参加できませんので「荷物扱い」です。でもそれでも「危ないから一緒には無理です」と言われないことが、何よりも嬉しく思いました。カヤックではひざの間に座り、登山中はベビーキャリアに乗せました。

初日は「環境シンポジウム」に参加

SEA TO SUMMITは2日間の日程です。1日目の昼頃に受付を済ませ、シンポジウム会場へ向かいます。どの大会にも初日に「環境シンポジウム」が用意されています。環境問題に取り組む有識者を招いての基調講演、参加ゲストの方を交えてのパネルディスカッションが行われるのです。
基調講演

畠山重篤さんによる基調講演


奥河内大会では、NPO法人「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さんが登場し、牡蠣、帆立の養殖のために川の上流に植樹を行っている活動の理由について、京都大学で講演している内容をお聞きすることができました。牡蠣、帆立の養殖に、なぜ植樹が必要なのか。それは、牡蠣や帆立のえさとなるプランクトンのことを考えたとき、森が重要な役割を果たすからです。環境問題を考えるとき、海のことだけを考えても山のことだけを考えても、そこには限界があります。海と山、そして里も含めた包括的な検討をしなければ、解決にはたどり着けません。そのため、畠山さんは10年以上前から川の上流に植樹を行っているのだそうです。

畠山さんの基調講演のあとは、ゲストの方々とパネルディスカッション。今大会では、講談師の神田山陽さん、タレントの水野裕子さんが登場し、自身が取り組んでいる活動のことや、翌日に控えたレースへの想いを熱く語りました。
シンポジウム

パネルディスカッションの様子


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