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TikTokに若者がハマる理由は? 危険はない?

最近よく聞く「TikTok」とはどんなSNSなのか、なぜ若者がハマっているのか、その魅力を中高生のスマホ事情に詳しいITジャーナリストの鈴木 朋子が解説。安全に楽しむ方法もお伝えします。

鈴木 朋子

執筆者:鈴木 朋子

iPhone・SNSガイド

短尺動画SNS「TikTok」とは

若い世代を中心に人気が急上昇している「TikTok(ティックトック)」、皆さんはご存じでしょうか。名前だけは聞いたことがある、またはアプリをインストールしてみたけどよく分からなかった、といった人も多いかと思います。子どもが夢中になって見ているけれど、今ひとつ人気の理由が分からないという人もいるでしょう。

今回は中高生のスマホ事情に詳しく、二人の娘を持つ母親でもあるITジャーナリストの鈴木 朋子がTikTokの魅力や安全に楽しむ方法を解説します。
TikTokとは

TikTokとは(image:DANIEL CONSTANTE / Shutterstock.com)
 

TikTokは最大15秒(一部のユーザーは60秒)の短尺動画を共有するSNSです。運営会社は中国の北京字節跳動科技(バイトダンス:Bytedance)で、中国国内向けは「抖音(ドウイン)」、日本を含む海外版は「TikTok」として世界100カ国以上で展開しています。

日本では2017年にスタートし、楽曲に合わせて口パクしながら踊る「リップシンク」動画が多数投稿され、人気が急上昇しました。翌年には10代女子向け総合メディア「マイナビティーンズ」の「2018年10代女子が選ぶトレンドランキング」に入賞、「女子高生がダンス動画を投稿するSNS」として知られるようになります。

しかし現在は、ダンスだけではありません。歌、お笑い、料理、ヘアメイク、DIY、ペットなど、ジャンルは多岐に渡っています。そして閲覧、投稿する世代も若い層だけではなく、30~40代にも広がっています。家族で出演している投稿も珍しくなくなりました。
 

TikTokが人気の理由

TikTokが人気となった理由は主に2つです。1つ目は、テクノロジーの高さです。というと難しく感じるかもしれませんが、テクノロジーによって簡単に楽しく使えるようにアプリが作られているのです。
TikTok利用イメージ(App Storeより)

TikTok利用イメージ(App Storeより)
 

TikTokはアプリを起動すると、すぐに「おすすめ」の投稿が再生されます。面白いと思ったらそのまま見ていると、短い動画が何度もループして再生されます。次の投稿を見たいときは、スマホの画面を上にフリック。すると、TikTokがおすすめする投稿が再生されます。つまらなければ、フリックするだけで次々と新たな投稿が表示されていきます。

実はこの間に、AIがあなたの好みを学習しています。時間、プロフィールの閲覧、いいね、検索キーワードなどの情報から、そのユーザーの好みに合わせた投稿をおすすめするのです。また、時々「いいね」がひとつもない投稿や普段見ない投稿も表示します。この絶妙なさじ加減と操作の簡単さがついついTikTokを見続けてしまう理由です。

動画の作成も簡単です。楽曲を選び、エフェクトなどを選んでいくだけで凝った動画を作成できます。肌を美しく見せたり、面白い動きの加工を入れたりも簡単。すぐにクオリティの高い動画が完成します。

そして、理由の2つ目は、TikTokの中で発生する流行です。TikTokは他のユーザーの投稿を真似して自分も投稿する「meme(ミーム)」現象が発生します。真似するだけなら特にアイデアがなくても投稿できますし、もちろん自分なりにアレンジして投稿してもユーザーに楽しんでもらえます。こうして拡散することでTikTok発のヒット曲が生まれるなど、音楽業界にも大きな影響を与えています。

自然発生の流行だけではなく、TikTokも「#ハッシュタグチャレンジ」と呼ばれる企画を行います。ミュージシャンとのデュエットができる「#ポップコーンデュエット」、スポーツの秋にちなんで「#スポーツあるある」など、イベントに合わせて楽しい投稿が集まります。TikTokを開けば、常にお祭りのような楽しさが待っているのです。
ハッシュタグチャレンジ「#ポップコーンデュエット」の様子

ハッシュタグチャレンジ「#ポップコーンデュエット」の様子
 

2020年7月には、ライブストリーミング機能「TikTok LIVE」も始まりました。すでに有名なミュージシャンやお笑い芸人によるライブ放送が配信されています。今は特におうちで楽しみたい時期ですから、こちらも見逃せません。
 

TikTokは安全なの?

とても魅力があるTikTokですが、保護者にとっては安全なプラットフォームなのか、心配になる面もあるでしょう。しかし、TikTokは子どもを守るための機能をたびたびアップデートしており、安全に使うためのワークショップを行うなど積極的な取り組みを行っています。

とはいえ、プラットフォームに任せておくだけではなく、保護者も知っておくべきことがあります。まず、TikTokは13歳以上を対象としていること。13歳未満の子どもがアカウントを作っていた場合、削除されます。

また、子どもが安全に使うためには設定が必要です。TikTokには保護者が子どもの利用を管理する「ペアレンタルコントロール機能」が用意されています。子どもがTikTokを使いたいと言ったら、親子でひとつずつアカウントを作り、親のアカウントから子どものアカウントをコントロールするようにします。

設定は難しくありません。TikTokのアプリを起動して画面右下にある「マイページ」をタップ。右上の「…」をタップして表示される「設定とプライバシー」の「ペアレンタルコントロール」を選択し、使用制限時間、コンテンツの制限、コメントなどを行うユーザーの制限設定を行います。画面の指示に従って進めるだけでこれらの設定は完了するので、子どもがアプリをインストールしたらすぐ設定しておきましょう。
TikTokの「ペアレンタルコントロール」設定手順

TikTokの「ペアレンタルコントロール」設定手順
 

そして、おすすめは子どものアカウントを非公開にしておくことです。学校の友人など、実際の知り合いとだけ繋がるようにしましょう。動画には文章や画像よりも情報がふんだんに入ってしまいます。制服や映り込んだ風景から個人情報が洩れないように、大人からアドバイスしてあげてほしいと思います。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

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