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「ヘルスケアベンチャー大賞」に集まった面白アイデア

コロナ禍により変わりつつある世界に、新しいモノ・コトを生み出し、社会実装していくことで、アンチエイジング領域やヘルスケア分野を変えていきたい。そんな思いから生まれた「ヘルスケアベンチャー大賞」。第2回の今年も数多くのアイデアが集まりました。

執筆者:All About 編集部

今年もやります! ヘルスケアベンチャー大賞

第1回ヘルスケアベンチャー大賞 表彰式の様子

第1回ヘルスケアベンチャー大賞 表彰式の様子

「いかにして自分らしく住まい、生きるか」
「いつまでも健康に過ごすために何をすべきか」
「社会や医療、技術はどう進歩すべきか」

超高齢化社会である日本においてこのような課題を検証し解決することは重要なミッションでもあります。高齢者が増加していくことが大きくプラスに働くような仕組み、そして高齢者の方々が自立し活躍できる環境や体制を整えることなどが必要になってきています。

コロナ禍により変わりつつある新しい世界に、新しいモノ・コトを生み出し、社会実装していくことで、アンチエイジング領域やヘルスケア分野を大きく変えていきたい。そんな思いから昨年(2019年)に生まれたのが「ヘルスケアベンチャー大賞」です。

「アンチエイジングからイノベーションを!」をテーマに、アンチエイジングに資するヘルスケア分野のビジネスプランやアイデアを広く募り、優秀な事業・アイデアには起業支援サービスや医学的見地からの監修など専門的なフォローを行います。

昨年(2019年)第1回が開催されたこの「ヘルスケアベンチャー大賞」、今年もすでに数多くの応募が集まっており、いよいよ2020年10月26日(月)に「第2回」の最終審査と表彰式が開催されます。

第2回ヘルスケアベンチャー大賞はこちら>>
 

そういうのアリ? ユニークなアイデアの数々

 いたって真面目なこの「ヘルスケアベンチャー大賞」ですが、募集テーマがいわゆる治療法や創薬といったものだけでなく、生活習慣病や疾病の予防、食品、化粧品、ビッグデータ解析、ウェアラブルデバイスなど幅広く設定されているのが特徴。そのため、集まってきたビジネスプランやアイデアは「そういうのもアリ?」といったユニークなものも数多くありました。

書類審査~1次審査を経て最終審査会への出場が決定した8組のファイナリストの中から、いくつかご紹介しましょう。
 

口の中を可視化せよ!AI画像処理とスマホで口腔ケアを変える

自分ではなかなかわからない口腔内の状態をテクノロジーで可視化して、口腔ケアを充実させることでアンチエイジングの実現に貢献しようという事業です。
「歯垢・歯石ライト」を口腔内に照らすことで口腔細菌である歯垢や歯石を赤く発光させ、目に視えない歯垢や歯石を簡易的に視ることができる機器を提供することで、自宅での歯磨きを高度化することができます。スマホなどでリスクを予測するAI画像処理技術で、歯周病の早期治療に気づきを提供することができるとのこと。
(企業:歯っぴー株式会社)
 

転ぶな危険!高齢者の恐怖「転倒」のリスクをデバイスで評価

高齢者の転倒事故は非常に多く、たった一度の転倒が後の健康状態に大きな影響を及ぼすこともあります。しかし「転倒のしやすさ=転倒リスクの評価」を効果的かつ客観的に、実現する方法論は確立されていませんでした。開発された転倒リスク評価装置「StA²BLE」は、指先への感覚刺激の制御によって世界で初めて転倒リスクの可視化を実現しているとのこと。転倒リスクを知り、機能にあわせた適切な訓練を提案していこうという事業です。
(企業:合同会社アントラクト)
 

患者さんの眼に光を! 視覚再生遺伝子治療薬開発

「網膜色素変性症」という、未だに予防法も治療法もない厚生労働省の指定難病。遺伝性疾患であり、加齢によって病態が進行する加齢性疾患でもあります。慶應義塾大学医学部と名古屋工業大学の研究成果を基に「キメラロドプシン」という、2種のタンパク質をハイブリッドさせることで視覚再生に最適化した光センサータンパク質を開発。これをコードする遺伝子を失明した網膜に導入することで、患者さんの眼に光を取り戻すとともに、疾患の進行を抑制するというものです。
(企業:レストアビジョン株式会社)
 

これってED? オトコの深刻な悩み“勃起力”の計測装置

加齢に伴う勃起不全(ED)は心血管イベント発生率とも相関しており、男性の健康長寿の指標そのものとの考え方が認知されつつあります。EDを客観的に簡易評価出来る計測装置の開発は、メンズヘルス指標として重要で有効なツールになるという考えです。現在開発されている装置は、センサ本体やそれに繋がるループを陰茎や大腿部に装着し、各々を有線接続した計測装置ですが、新たに無拘束的で自己測定可能なウェアラブルデバイスとして「勃起力」計測装置の研究開発を進めており、その基礎的実証は報告済みであるとのこと。悩める男性に朗報となるか、注目です。
(個人:松本 成史)
 
 

ファイナリストにはこのほかにも実に興味深いビジネスプラン・アイデアが選ばれています。10月26日の最終審査ではどれが大賞に選ばれるのでしょうか。当日の様子も含めて、その結果はまたAll Aboutでも掲載いたします。お楽しみに!
 
第2回ヘルスケアベンチャー大賞はこちら>>
(ファイナリスト8組の概要もご覧になれます)

 

第2回ヘルスケアベンチャー大賞 開催概要

主催:日本抗加齢協会
共催:日本抗加齢医学会
後援:厚生労働省 経済産業省 日本医師会 読売新聞 三井不動産 LINK-J
協賛:ケアネット バイオ・サイト・キャピタル オールアバウト
 
スケジュール:
[最終審査] 2020年10月26日(月)15:00~17:00 WEB開催
募集テーマ:
アンチエイジングに資するヘルスケア分野のビジネスプラン/アイデアを広く募ります。
生活習慣病の予防、老化による疾病予防、高齢者の自立、医療、介護、技術、創薬、遺伝子治療、再生医療製品、食品、化粧品、AI、ヘルスケアIT、ビッグデータ解析、ディープラーニング、ウェラブルデバイス、環境など
賞金:
大賞:100 万円 学会賞:30 万円
ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞:20 万円
最優秀アイデア賞:15 万円 アイデア賞:10 万円
副賞:
・ファイナリスト企業を「日本抗加齢協会認定スタートアップカンパニー」に認定
・起業支援サービス
・大学発新産業創出プログラム(START)への推薦
・製品やサービスの紹介(All About、ケアネット)
・必要に応じて医学的な見地でのアドバイスや監修
実行委員会:
日本抗加齢医学会イノベーション委員会
 
 
 
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(ファイナリスト8組の概要もご覧になれます)

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