還暦・長寿祝い

長寿のお祝い、それぞれ何という?

70歳のお祝い、80歳のお祝いなど……長寿のお祝いをそれぞれ何というのか、お祝い方法のポイントなどをご紹介します。厚生労働省が発表による日本人の平均寿命は延びをみると、人生100歳までの目標は夢ではなくなってくるかもしれないですね。

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

冠婚葬祭ガイド

日本人の平均寿命は延び続けています。誰もが健康で長生きしたいと思うのは当然です。そして誰もが願う長寿のお祝いは家族や身内でするのが基本です。またそれぞれ年齢の節目でお祝いするのにはきちんと意味があります。お祝いのやり方、相場など詳細を年齢別にまとめてみましたので、ぜひご参考にしてくださいね。

お祝いする時期は数え年や満年齢でも決まりはありませんが、お誕生日や敬老の日にお祝をするのが一般的。またお正月、ゴールデンウィークやお盆など比較的、家族や友人、親戚が集まりやすい頃もおすすめです。

また長寿のお祝いのお返しは不要です。お返しをする場合は記念の品をそれぞれのお祝いに応じたお返しをするのではなく一律にします。表書きは「内祝」「寿」結びは蝶結びです。

<目次>  

70歳のお祝いは何という?

70歳のお祝い 古希 長寿のお祝い

70歳の長寿のお祝い「古希(こき)」のテーマカラーは「紫」です

古希(こき)と言います!

中国の詩人に「杜甫」という人がいます。この人の詩「曲江」の中にある一文の「人生七十古来稀なり」から由来しています。この「稀」と「季」は同義語。昔は今と違って70歳まで生きることは稀(まれ)でした。古希にはこんな意味があったのです。
 
■お祝いのやり方
特に決まりはありませんが、子どもや孫が幹事さんとなって企画することが一般的。ホテル、レストラン、料亭などで家族全員でおいしい食事、おしゃべりを楽しむお祝いの形をおススメします。この年齢層の方たちでしたら落ち着いた雰囲気の中での場所が喜ばれます。また自宅で行う手料理を振る舞うのもよいでしょう。
 
■お祝いの相場
住む地域や立場によっては相場は違ってきます。
  • 両親へ……10,000円~50,000円程度。兄弟で折半するケースもあります。
  • 親戚へ(叔父・叔母)……5,000円~20,000円
  • 祖父母へ……3,000円~10,000円
※表書き……「祝古稀」「古稀御祝い」「寿古稀」
※水引……のしを付け、紅白か金銀の蝶結び。

■おすすめのプレゼント
テーマカラーは「紫」。昔から紫色は高貴で位の高い方だけに許された色。年配の方への敬意を表してこの高貴な色である「紫」を贈ることになっています。紫色のちゃんちゃんこ。同様に「紫」にちなんだ座布団、「ラベンダー色」や「薄い紫色」のセーター、Tシャツ、ストール、マフラー。またバッグや財布など、そういった衣類や小物類が一般的です。

気をつけたいのは、目上の方に履物を贈ることは「踏みつける」ことになり、中には嫌がる方もおられるということ。親しい方なら「歩きやすそうなので」と一言付け加えることを忘れずに。

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77歳のお祝いは何という?

77歳のお祝い 喜寿 長寿のお祝い

77歳の「喜寿(きじゅ)」のお祝いのテーマカラーは「紫」と「黄」

喜寿と言います!

「喜」の字を漢字の草書体で表すと上が「七」下が「十七」でちょうど「七十七」に見えます。そこで77歳のお祝いになったようですね。数え年(77歳)でも満年齢(76歳)でも決まりはありません。

■お祝いのやり方
内輪でするのが一般的。個人差はありますが、77歳といえど、まだまだ現役でご健在です。ホテル、レストラン、料亭などで家族全員でおいしい食事、おしゃべりを楽しむお祝いの形はいかがでしょうか。自宅以外で食事会を皆でするのも楽しいものです。

■お祝いの相場
住む地域や立場によっては相場は違ってきます。
  • 両親へ……10,000円~50,000円程度。兄弟で折半するケースもあります。
  • 親戚へ(叔父・叔母)……5,000円~20,000円
  • 祖父母へ……5,000円~10,000円
※表書き→「祝喜寿」「喜寿御祝い」「寿福」「長寿御祝」
※水引→のしを付け、紅白か金銀の蝶結び。

■おすすめのプレゼント
テーマカラーは「紫」と「黄」です。この色にちなんだものがよいでしょう。たとえば衣服や普段の生活で使う湯呑などの小物類、日用品。また定番のちゃんちゃんこ、座布団や座椅子などがおすすめです。フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーも人気のある贈り物です。年相応のものより、少し若年層のものを贈ると気が利いているかもしれませんね。

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80歳のお祝いは何という?

80歳のお祝い 傘寿 八十寿 長寿のお祝い

80歳の「傘寿」のお祝いのテーマカラーは、古稀・喜寿・卒寿と同じく「紫」です

傘寿「さんじゅ」また別名八十寿(やそじゅ)ともいいます!

「傘」という字は略字にすると「ひとがしらに漢数字の十」と書き、縦書きで八十と読めます。このことから、傘寿は「80歳」のお祝いといわれるようになりました。開いた傘の様子が、末広がりに広がっていて縁起がよいということに起因しています。

■お祝いのやり方
古希や喜寿に比べると、傘寿はあまり知られていないようです。いずれも長寿のお祝いですので、今まで長生きできたことを家族や親戚、知人でお祝いしてあげましょう。主役はご本人ですので、会食の場所や食事など、どのような形がよいのか希望を聞いてあげてもよいかと思います。本人の健康状態など個人差が大きく出る年齢ですので、よく計画をしてお祝いをしてあげることが大事です。
 
■お祝いの相場
住む地域や立場によって違ってきます。
  • 両親へ……1万~5万円程度。兄弟で折半するケースもあります。
  • 親戚へ(叔父・叔母)……5000~2万円
  • 祖父母へ……5000~1万円
※表書き……「祝傘寿」「傘寿御祝い」「寿福」「長寿御祝」
※水引……のしを付け、紅白か金銀の蝶結び

■おすすめのプレゼント
テーマカラーは古稀、喜寿、卒寿と同じく「紫」。傘にちなんで、傘に名前を入れて贈るプレゼントするのも気が利いています。デザインは地味にならず、明るめのものがおすすめ。また女性なら紫色の日傘もなかなかお洒落です。末広がりで縁起の良い扇子、衣服や普段の生活で使う湯呑などの小物類、日用品。また定番のちゃんちゃんこ、座布団や座椅子などが一般的な贈り物となっております。

▽参考記事  

88歳のお祝いは何という?

88歳のお祝い 米寿 長寿のお祝い

88歳の「米寿」のお祝いのテーマカラーは「黄(辛子、金茶、金)」

米寿「べいじゅ」と言います!

この88歳の「八十八」の最初の八をひっくり返して、八、十、八……その形から「米」となります。末広がりの八が2つもあることから、とってもめでたい年齢であるので「米寿」と呼ばれたのですね。また88という年齢は男女ともに平均年齢を軽く超えています。ですからまさに長寿のお祝いです。

■お祝いのやり方
昔からの習わしとして、お祝いの席で米寿を迎える方が、参加された人に枡(ます)と斗掻(とかき→枡に盛った穀物を平らにする棒)や火吹竹を贈ってたそうです。今は家族や身近な人たちでお祝いしてあげます。本人の健康状態など個人差が大きく出る年齢ですので、よく計画をしてお祝いをしてあげることが大事です。

■お祝いの相場
米寿ともなれば物欲もなく、お金をもらっても欲しいものもさほどないのが現状。本人の願いはいつまでも健康でありたいと願っていることでしょう。お祝い金でなくてもそれに相応する品物を考えてもよいでしょう。​​​​​​​
  • 両親へ……10,000円~50,000円程度。兄弟で折半するケースもあります。
  • 親戚へ(叔父・叔母)……5,000円~20,000円
  • 祖父母へ……3,000円~10,000円
※表書き→「祝米寿」「米寿御祝い」「寿米寿」
※水引→のしを付け、紅白か金銀の蝶結び。

■おすすめのプレゼント
テーマカラーは「黄(辛子、金茶、金)」。この色にちなんだ衣服や小物類、日用品。定番のちゃんちゃんこ、座布団や扇子などが一般的です。米寿の「米」に関わったもの、お米を贈るのもよいでしょう。この色をベースとした普段の生活で使う湯呑やフラワーアレンジメントやプリザートフラワーもおすすめです。健康状態に気遣って、ゆっくり室内で使えるもの、見て楽しむものなどがよいでしょう。

▽参考記事  

90歳のお祝いは何という?

90歳のお祝い 卒寿 長寿のお祝い

90歳のお祝い「卒寿」のカラーは「白・紫」です

卒寿「そつじゅ」と言います!

「卒」の略字といえば「卆」。九十と読めますね。このことから「90歳」のお祝いといわれています。人生を卒業するわけではありませんので意味を取り違えないように。還暦から始まるこの長寿のお祝いですが、古くからは賀のお祝い、賀寿、算賀と呼び、元服や婚礼とならぶ厳粛なお祝いとして受け継がれています。また長寿の亀にちなんで「亀寿」とも呼ばれています。

■お祝いのやり方
長寿祝いは、お祝いする形として、本人主催、近親者が主催、親族以外が発起人となる……などいろいろなケースがありますが、卒寿は当然周囲の人がお祝いしてあげます。長寿国日本においては、お元気で若々しい高齢者はたくさんおられます。ですが本人の健康状態も考慮して、また本人の希望も尊重してお祝いをしてあげてください。

年齢的にも外食するのが難しいと思います。ご自宅でゆっくりと、子どもや孫が集まりお祝いするのがよいでしょう。まだまだ食事も制限なく、何でも大丈夫な方でしたら、皆で外食するのも楽しいものですね。ただしこの年齢ともなると急に体調が悪くなったりと健康面で心配なこともあります。お祝いは早いに越したことはありません。

■お祝いの相場
米寿(88歳)に続き、すぐに卒寿(90歳)のお祝いになりますので、通常よりは簡単に済ませることがあります。相場は住む地域によって変わってきますが、子どもや孫からそれぞれ5,000円から30,000円が一般的です。
※表書き……「祝卒寿」「卒寿御祝い」
※水引……のしを付け、紅白か金銀の蝶結び。

■おすすめのプレゼント
卒寿のカラーは「白・紫」。日頃の生活の様子がわかれば、それにふさわしい贈り物を選びたいもの。あらかじめ本人や家族の方に聞けば間違いありません。この色にちなんだ衣服や小物類、日用品。定番のちゃんちゃんこ、座布団や座椅子などが一般的です。ゆっくり室内で使えるもの、見て楽しむものなどが喜ばれます。若い頃に聴いた想い出のCDなども喜ばれるかもしれません。自分の部屋でくつろぐ時に聴きたいメロディが流れたら、きっと毎日の生活が癒されます。

▽参考記事  

99歳のお祝いは何という?

99歳のお祝い 白寿 長寿のお祝い

99歳の長寿のお祝い「白寿」のテーマカラーは「白」です


白寿「はくじゅ」といいます
百の字から一をとると白という字になりますね。

■お祝いのやり方
親族で一緒に食事をしたり、プレゼント贈る、メッセージカードなどを渡してお祝いするのが一般的。ただ、99歳はかなり高齢なので、急に体調が悪くなったりと健康面で心配なこともあります。お祝いは早いに越したことはありません。

■お祝いの相場
  • 両親へ……20,000円~50,000円程度。兄弟で折半するケースもあります。
  • 親戚へ(叔父・叔母)……5,000円~10,000円
  • 祖父母へ……5,000円~10,000円
※表書き→「賀寿御祝い」「祝九十九歳」「白寿御祝」
※水引→のしを付け、紅白か金銀の蝶結び

■おすすめのプレゼント
テーマカラーは「白」。セーター、ベストなどの衣料品や、毛布、電気毛布やシーツがよいでしょう。また老眼鏡や補聴器も喜ばれます。また白色を主役にした花束や水やりなしのプリザーブドフラワーも気が利いています。
 

100歳のお祝いは何という?

100歳のお祝い 紀寿 百寿 長寿のお祝い

100歳の長寿のお祝い「紀寿」のテーマカラーは「ピンク色」または「金色」


紀寿「きじゅ」または百寿「ひゃくじゅ、ももじゅ」と言います!

■お祝いのやり方
子、孫、ひ孫が何人もある方、少なくはないでしょう。家族や親族がにぎやかに勢ぞろいしてのお祝いは嬉しいものです。ご自宅でゆっくりと、元気な顔を見せて話をするだけでもよいでしょう。本人の健康状態も考慮して、また本人の希望も尊重してお祝いをしてあげてください。

■お祝いの相場
  • 両親へ……20,000円~50,000円程度。兄弟で折半するケースもあります。
  • 親戚へ(叔父・叔母)……5,000円~10,000円
  • 祖父母へ……10,000円~30,000円
※表書き……「敬寿」「賀寿」「祝百歳」「百寿御祝」
※水引……のしを付け、紅白か金銀の蝶結び

■おすすめのプレゼント
テーマカラーは「ピンク色」または「金色」です。「百」の文字が「もも」と読めるので「ピンク色」に、また長寿でめでたいことから「金色」になったと言われています。このカラーにちなんだセーター、ベストなど衣料品の他、毛布、電気毛布やシーツがよいでしょう。また老眼鏡や補聴器も喜ばれます。


いかがでしたか? 長寿大国日本において、2020年7月31日に厚生労働省が発表した19年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳と前年に比べそれぞれ0.16歳、0.13歳延びています。こうしてみると人生100歳までの目標は夢ではなくなってくるのではと思います。

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