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保険に加入したくなる人ちょっと待って!死亡保険編【2020年の家計防衛】

本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。今回は死亡保険を準備するときの注意点について解説します

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。※音声で聴きたい方はこちらから(第33回 『保険に加入したくなる人ちょっと待って~死亡保険編』)

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今回は死亡保険を準備するときの注意点についてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。(今回の収録は2020年7月に行われました)

深野康彦さん:皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦です。

清水さん:こんにちは。マネーライターの清水です。今回はオールアバウトで連載しているマネープランクリニックでも非常によく出るテーマです。保険に入りすぎている、保険の優先順位が違うという言い方もあるかもしれませんが、そういうケースが結構あり、保険料が家計を圧迫しているというケースも見られます。個別にいろいろありますが、基本を整理してみたいと思います。先生、まず保険や保障のベースとなる考え方はどういうところにあるのでしょうか?
 

保険を貯蓄代わりにする人は二者択一を迫られることも

深野さん:マネープランクリニックをやっていて、大きく保険というと死亡保障と医療保険の二つに大別できると思います。今回は死亡保障のほうからお話ししますと、まず保険は貯蓄ではないということです。

かなり昔は保障を得ながら貯蓄を作るという一石二鳥な考え方もありましたが、今は世界的に金利が低くなってしまったので、もう保険で貯蓄をすることはそもそも無理だと思ったほうがよいです。だから保障は保障、貯蓄は貯蓄として分けましょう。

先ほどおっしゃったように保険料が家計を圧迫しているというのは、そのような状況なのに例えば外貨建ての死亡保障に入ってそれが家計を圧迫してしまう。その割に保障額が少ないということです。 保険は保障を買うということを考えなくてはいけません。

コストを抑えて、浮いたお金は貯蓄に回すという考えです。なぜそんなことをいうかというと、例えば保険を貯蓄だと思っている人が途中で解約をするとお金が戻ってきますよね。その場合だと、やめた時点で保障がなくなってしまいます。それでいいなら問題ないけれど、保障が何もなくなってしまったら、その後の家庭はどうするのかということになるではないですか。 保険を貯蓄代わりにする人は、途中で二者択一の究極の選択をするわけです。

貯蓄を取るか、保障を取るか。それでは本末転倒なので、必ず分けておくということです。まず死亡保障の基本的な考え方は、保険をかけている人、通常マネープランクリニックの相談だと一家の大黒柱、あるいは最近共働きが多いので奥さんでもよいですが、働いて収入を得ている人が万が一亡くなった場合に、残された家族が経済的に困らないようにするものですよね。

経済的に困る人がいないのであれば、そもそも死亡保障に入る必要はありません。まずはそこを考えていただきたいです。人生を考えていただくと、例えば独身で社会人になった時は別に経済的に困る人はいませんよね。一般的には結婚した場合でも夫婦で働いていれば、別に問題ありません。 ですから、一般的には子どもができた時に残された家族が困らないように、ということです。

奥さんが仕事復帰をするとしても、やはり子どもをどうするかということになるので、そこで初めて死亡保障というものが出てきます。死亡保障はどんどん増えていくのかというと、下の子が生まれた時に死亡保障の額は一番大きくなります。 あとはそこから子どもの成長と共に死亡保障額は減っていきます。高額な死亡保障が必要なのは、実はそんなに長い期間ではありません。そのあたりも考えなくてはいけませんね。
 

死亡保障が必要なのは子どもがいる、経済的に困る家族がいる時だけ

清水さん:必要な額というのは、家族の状況、例えばお子さんの年齢によって変わってくるということですね。もう一つ、お子さんとはまた別の意味で死亡保障が必要な時期というものはあるのでしょうか?

深野さん:死亡保障が必要なのは子どもがいる、経済的に困る家族がいる時だけです。あと必要になるのは、例えば相続の時です。現役で働いている人なら、本当に子どもが生まれて社会に出るまでの間と考えてもらえば結構です。

清水さん:先ほど貯蓄と保険は切り離すという話がありましたよね。外貨建てで死亡保障というものも増えていますが、そのデメリットの一つは、保険料が割高だとか、外国為替で保障額が左右されるところにありますかね?

深野さん:その通りです。一つは保険料が割高ということです。あと保険料の負担が結構大きい割には、死亡保障が少ないです。もちろんご家族の金融資産の状況によりますが、例えば子どもが2人いると、収入が夫と妻でどれくらいの割合かは難しいですが…。例えば全体の3分の2近くが夫で、3分の1が妻と考えると、小さい子どもが2人いるとなると、よほど金融資産を持っていない限り、数千万円は必要になると思います。 そういうもので8万ドルすごい、と見ていると、8万ドルって実は800万円ちょっとですよね。保険料負担の割には、実は保障が小さいんです。つまり、足りていないということです。そういうことをするよりも、一定期間だけ保障を得る定期保険とかね。 あとは毎年年金のように受け取ることができる収入保障保険を一定期間得たほうが、より合理的だということです。

清水さん:外貨で多くかけているようで実は少なくて、しかも保険料が高くて……と、どちらも中途半端な選択になりかねないのが、ひとつ外貨建て保険の特徴でもありますね。

深野さん:通常例えば死亡保障を得るのであれば、どちらかと言うと定期保険をかけて一定期間だけ保障があればよいです。外貨建て保険の場合は終身保険がありますが、解約返戻金があるから貯蓄効果があるとされているけれど、でもその分保険料は円建てでも外貨建てでも、数倍の差があります。そこを考えなくてはいけませんね。

清水さん:死亡保障をメインで考える人は多いのですが、お子さんの年齢や家族構成を考えて、かつ貯蓄と保障は切り離して保険料は割安なものを必要な額、定期保険や収入保障保険等で確保するのがベターだというところですね。

深野さん:私がよく言うのは、保険は必要な時期に必要な保障を得ればよいだけということです。不要になることはあります。私は家族が4人いて、娘二人が社会人になっています。だから、私自身にかけている死亡保障は0です。なぜかというと、家族は別に生活に困るわけではないからです。 私はもうすぐ58歳になりますが、50代の平均くらいの貯蓄はありますし、住宅ローンもこのままいけば60歳で終わりますし、今数百万円残っているけれど、それは団体信用生命保険で相殺されますから。貯蓄部分等で妻のほうへいって、あとは遺族厚生年金で十分なので、我が家はもう死亡保障には入っていません。もちろん子どもが小さい時には必要だから入っていました。そのように考えていただければよいかと思います。

清水さん:基本的なところをまず理解するところから始めてもらうといいですね。先生、今回もありがとうございました。

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