トイレの中で笑ったり泣いたり。絶妙な狭さがまた落ち着く

トイレ

トイレは本当にひとりになれる場所。そんなトイレでのエピソードを綴った「トイレ川柳」には、面白くてちょっと切ない、様々な人間ドラマがあります。

トイレ川柳は、2005年にTOTOのウォシュレットの2000万台突破を記念して始まったものです。川柳の楽しさは何と言っても、堅苦しい制約なしに自由に表現ができること。第一生命のサラリーマン川柳などもお馴染みですよね。

トイレ川柳の入選作は、どれも「あるある」と思えるものばかりで、人はトイレの中で本当にいろいろなことをしているんだなと思います。泣いたり、笑ったり、悩んだり、勉強したり、時には人生の決断をすることも。

意外と多いのが、トイレに居ると癒やされる、平和を感じるという声です。仕事や生活の喧噪から解放されて、ひとりになれる静寂のひと時。日本のトイレの面積は約1畳で、あの絶妙な広さというか狭さがまた落ち着くのでしょう。

それでは第1回~第15回までのトイレ川柳の入選作から、筆者Yuuが気になった句をいくつかご紹介しましょう。

 

ひとりトイレで泣くことも…心が開放される唯一の場所

人前では泣けない、泣きたくない。だからひとりトイレで泣いて、落ち着いたら気持ちを吹っ切ってドアを開け、また外に出ていく。そんなシーンに共感する人は多いかもしれません。

◆トイレから 出た目が赤い 負け試合 (尻子玉)

◆溜息も 消してしまおう 音姫で (ちぇつ)

◆たくさんの 涙を見てる 社のトイレ (ゆう坊)

◆ドアを閉め 泣き声消した 水の音 (PINK)

実は私も1度だけ、会社のトイレで号泣したことがあります。どうしても耐えきれず、選んだ場所はトイレでした。トイレは誰にも邪魔されることなく、素に戻れる、心が開放される唯一の場所なのかも。

◆閉じこもる なのに解放 されている (くろすけ)

 

トイレで丸見えになる? 住人の趣味や性格

トイレはその家の素顔が見える場所。これまでたくさんのお住まいに伺って、トイレを見てきましたが、置いてある物やしつらえ、掃除の仕方などから、趣味や性格までもが何となく透けて見えるものです。

◆友の家 トイレの本で 趣味を知る (りん)

◆トイレ借り 友の隠れた 顔を知る (崋与)

◆トイレ見て 一瞬冷めた 彼への恋 (エコ子)

我が家ではトイレにマンガを置いてあるのですが、仕事の来客時には棚の中にそっとしまいます。トイレリフォームの際に、本や飾り物を置く棚を付けることもありますが、そこに何を置くかでいろいろと分かるというわけです。

小さな子供がいる家では、地図や九九の表を貼っていたりする家も多いですよね。

◆その知識 便座の前の 日本地図 (さくさくぱんだ)

◆ひらがなも 九九もトイレで おぼえたよ (やんちゃまん)

 

冷静さを取り戻したり、人生の決断をする人も

トイレは冷静さを取り戻す場所でもあります。四方を壁に囲まれて座っていると、だんだん気持ちが落ち着き、煮詰まっていたことが整理されてくる感じ。トイレこそ人生の決断をする場所に相応しいのかもしれません。

◆言い足りぬ 事をトイレで 思い出す (あべちゃん)

◆あやまると 心に決めて 出るトイレ (不二)

◆生涯の 決断だって するトイレ (イージー)

 

日本のトイレは素晴らしい! 外国人観光客に大人気

入賞句はトイレットペーパーに印刷され、お尻を拭かれて流されるのです。

入賞句はトイレットペーパーに印刷され、お尻を拭かれて流されるのです。


日本のトイレの素晴らしさが伝わる川柳もあります。海外から日本へ帰国した際、一番ほっとするのはトイレという人も少なくないのでは?

訪日外国人への調査(※)によると、日本の宿泊施設に期待するものの1位が接客で、2位はなんとトイレです。食事や観光よりもトイレが上とは、日本のトイレの注目度の高さが分かります(※訪日外国人の宿泊施設へのニーズ調査/TOTO)。

◆空港の トイレで気づく 異国感 (サラミ)

◆日本の 土産話に なるトイレ (どんぐり)

こんな風にトイレが居心地よくなったのも、洋式便器とウォシュレットが普及したことによるものでしょう。トイレ川柳は始まって既に15年、トイレの進化が感じられる句もあります。

◆和式空き お先にどうぞと 譲り合い (ぴっぴ)

◆我が家から 消えた会話と 水タンク (ちゃったマン)

若い世代には、しゃがむ和式便器は苦手な人が多いようです。若い世代といっても、洋式便器が和式の出荷数を上回ったのは既に40年以上前(※)のことですから、生まれた時から洋式だった人も少なくないことでしょう(※TOTO調べ)。

今やトイレは家中のどこの部屋よりも快適な時代です。

自動洗浄装置がついたトイレがある家で育った子供たちは、外では流すことを忘れてしまうこともあるのだとか。いまどきのリフォームでは、背中のタンクが無い一体形便器、タンクレストイレが人気ですから、この先はトイレのタンクって何?と思う世代が出てくるかもしれません。

ちなみに2019年のトイレ川柳は過去最高の応募総数39,448句で、20~40代の応募が増加したそうです。第16回トイレ川柳の応募は2020年8月16日まで。様々な商品の他に、優秀作品20句はトイレットペーパー型の川柳集に掲載されます。

トイレ川柳大募集

どの川柳を見ても共通するのが、トイレへの深い愛。無くてはならないトイレだからこそ、そこには限りなくたくさんのドラマがあるのですね。

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