iDeCoはまず金融機関選びをどうするか、ということが大きなカギ

本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。※音声で聴きたい方はこちらから(第28回 『iDeCo(イデコ)を始めるために必要な金融機関を選ぶ際のポイント』)

iDeCo(個人型確定拠出年金制度)を利用するときに口座を開く金融機関を選ぶコツをファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。(今回の収録は2020年6月に行われました)



深野康彦さん:皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦です。

清水京武さん:こんにちは。マネーライターの清水です。深野先生、今回もよろしくお願いいたします。今回のテーマは401k、個人型確定拠出年金制度を利用する時の金融機関の選び方です。そもそもこの話題は、昨年の老後資金の問題あたりから派生していると思いますが、401kへの関心が高まっているのは確かですね。

深野さん:そうですね。ここではiDeCoと呼んだほうがいいと思います。401kの場合は企業型と個人型があります。企業型は金融機関が決められてしまっているので、勤務先から提示されることを粛々とやるしかありませんよね。これに対して個人型の401kをiDeCoといいます。iDeCoは運営管理機関、通常は金融機関ですが、どこでやるかというところから自分で選ばなくてはいけません。ある意味でiDeCoはまず金融機関選びをどうするか、ということが大きなカギを握ります。

清水さん:iDeCoは掛金の拠出期間が延びるということでしたよね?

深野さん:そうです。ちょうど年金改正法案が通りました。iDeCoは老後資金を準備するための制度で、今までは掛金の制限が厳密には60歳まででしたが、2022年以降は65歳まで、一定の条件を満たせば掛金の拠出期間が長くなります。今我々の年金は65歳にならないと原則もらうことができないので、それに基本的にはiDeCoの掛金の拠出期間が合わさったということです。

清水さん:いろいろな制度改正もあって、今ほとんどの人が個人型の確定拠出年金iDeCoをすることができます。今から始めようという方へのポイントを教えていただけますか?

深野さん:iDeCoを始める際に、厳密には運営管理機関、金融機関を選ぶところからスタートしなくてはなりません。その際のポイントは大きく分けて三つあります。一つは口座手数料が安い金融機関を選ぶこと。iDeCoでは口座手数料というものがかかります。 国民年金基金連合会と信託銀行に払う費用は、決まっているものを払わなくてはいけないので避けることができません。しかし金融機関に払う手数料は、金融機関が一定の範囲で自由に決めることができます。その手数料は無料~数百円まで差があります。

iDeCoは期間が長い制度ですから、数百円といえどもその差は大きくなってきます。ですからまず金融機関選びをする際には、口座管理手数料等がいくらかかるのかを調べて、安いところで口座を開設するということが一つ目です。 続いて、運用コストが安い商品がそろっているところを選ぶこと。iDeCoの場合は掛金を拠出して、その拠出金を何で運用するかは自分自身が決めます。自分が決める金融商品の中には、預金だったり、保険だったり、投資信託等があります。預金や保険の場合は手数料は掛かりませんが、投資信託の場合は保有している間運用管理費用、信託報酬と言いますが、これがなるべく安い商品がたくさんあることが重要です。

一つだけ安くても意味がありません。投資の原則は長期、積み立て、分散ですから、いくつもに分散することを考えるなら信託報酬、運用管理費が安い商品が充実していることが二つ目の鍵となります。 三つ目がサポート体制です。HP等の使い勝手が良いところを選ぶこと。iDeCoはさまざまな金融機関で取り扱っていますが、だいたいどこの金融機関でも専用のコールセンターを設けています。例えば遅い時間までやっているとか、土日も対応できればお仕事をしている方でも対応しやすいですよね。 そのコールセンターの対応時間等をまず調べてみるとよいです。あとは加入者専用のWEBサイトがあるので、その使い勝手、あるいは資料の分かりやすさなんかも口座を開設する時に比較してみるといいですね。大きく分けてこの三つを比較した上で、どこで始めるかを決めていただくとよろしいかと思います。

清水さん:一般の方は自分の預金がある銀行なんかから選びがちですが、できればいくつかの金融機関を調べて比較するという手間もかけたほうがよいですね。

深野さん:そうですね。直接金融機関のHPを見てもよいですし、一次情報であればiDeCoのポータルサイトがいくつかあります。そういうもので金融機関をいくつかピックアップして、そこから金融機関のHPへ行くと手間が省けるかもしれません。

清水さん:わかりました。iDeCoは小さな差額でもだんだん大きくなるということもあるので、そういうコスト意識を持った上でサポート体制も含めて自分に合う金融機関を探すことが、開設への第一歩ということになりそうですね。

深野さん:あともう一つ、清水さんが老後の2000万円問題の話に触れていましたよね。iDeCoはあくまで老後の準備をするための制度なわけです。よくマネープランクリニックでもお話ししていますが、iDeCoは60歳前のライフイベントには対応できませんからね。 皆さん老後を大切に思うのは構いませんし、iDeCoは節税効果もあって有利な制度ですが、60歳まで出せないということは重要です。お金をためやすい制度である半面融通が利かないので、そのあたりのバランスをしっかりと考えて始めていただきたいです。

清水さん:iDeCoの特徴を踏まえた上で、ご自身のマネープランの中で上手に利用していただきたいと思います。深野先生、今回もありがとうございました!

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