建築家の津端修一さんと英子さんご夫婦の暮らしを描いたドキュメンタリー映画『人生フルーツ』を知っていますか?私が「ていねいな暮らし」を心がけようと思ったきっかけとなった作品です。
劇中に、夫の修一さんが「木のスプーンにして」と主張するシーンがあります。英子さんは嫌な顔をせず、添えていたスプーンを木のスプーンに代えるのです。それは、修一さんの木に対する半端ではない愛情を知っているから。津端ご夫婦の著書『ききがたり ときをためる暮らし』で、修一さんは「僕はこの(庭の木)一本一本に、小さな妖精が宿っていると思っているんですよ。だから、ときどき木に抱き着いて元気をもらうこともある」と語っています。
なにかと影響を受けやすいタイプの私。「スプーンは木製にしよう!」と思い立ち、あれこれ探してYOKOHAMA WOOD by Tomato Batakeの「ディナースプーン」に辿り着いたのです。
一切薬剤を使わないこだわりの手作り品
「ていねいな暮らし」をするうえで、モノへの‟こだわり”は大切な要素だと津端ご夫婦から教わりました。YOKOHAMA WOOD by Tomato Batakeは、「安全な食材を選ぶように、食器も安全なものを選んでもらいたい」との想いから、原木の選定から加工工程、塗装・仕上げに至るまで一切薬剤を使用せず、安全にこだわった食器づくりを続けています。
さらに、すべての食器はひとつずつ職人の手でていねいに作り上げられ、完成まで1年以上の月日がかかるそう。
わが家では2日と空けず食卓に出される「ディナースプーン」は野生の楓(カエデ)の木で作られています。
楓の木は、高級家具の素材にも使われるほど美しい木目が特徴。メープルシロップを採取できる原木は、スプーンにしても安全性が非常に高い素材なのだとか。
見て、触れて、自分だけのイッピンを選ぼう
YOKOHAMA WOOD by Tomato Batakeはオンラインでも購入できますが、私はなるべくイ販売ベント等に出向いて直接購入するようにしています。なぜなら、ひとつひとつが手作りなので、同じスプーンでも木目や色が微妙に異なるから。
直接見て触れて「ワタシを選んで!」と発しているイッピンを、わが家に連れて帰るのも楽しみのひとつです。同社の製品に愛着が湧くのは、こういった理由もあるからでしょう。
DATA
YOKOHAMA WOOD by Tomato Batake┃ディナースプーン
長さ:約19cm
重さ:約15g