消臭・除菌スプレーの正しい使い方
消臭・除菌スプレーの正しい使い方
今や臭いが気になるといえば1年中。ちょっと洗いづらい、乾きづらそう……と、様々な理由から多用しがちなものといえば、消臭・除菌スプレーです。実は私自身も、20代の頃はヘビーユーザーだった思い出もある消臭・除菌スプレーについて、洗濯のプロ視点であれこれお話しようと思います。
消臭・除菌の「能力」は本物なのか?
メーカーや製品によっても若干の違いはあるものの、一般的に消臭スプレーといわれるものは「界面活性剤」「消臭成分」「香料」で構成されています。
さらに、除菌や抗菌といったプラスαの効果があるものは、「アルコール」系や「アンモニウム塩」などの成分が追加されています。これらの成分に関しては、最近のウイルス関連の不活化で話題に挙がったりもします。界面活性剤やアルコールには、間違いなくウイルスに対する不活化効果や、雑菌などの除菌効果はありますが、殺菌、滅菌を主な目的として開発された医療用の商品ではないため、誤った使い方といえます。
また除菌やウイルスを不活化する能力はあっても、全てのウイルスや菌に対して100%有効ではありませんから、使用方法や使用した対象物などによって効果が違うと思って使用しましょう。
【基本の使い方】
臭いや、除菌したい対象物から20cm程度離し、軽く湿っている程度を目安にスプレーするのが基本です。
抗カビ・ウイルス対策を目的とする場合は、しっとり湿る程度(湿った状態が1分以上は持続する程度)スプレーします。着用、また使用時は、必ず完全に乾いたかどうかを確認して使いましょう。
消臭・除菌スプレーで洗うのと同じ効果を得られるか?
消臭・除菌スプレーを使うことで清潔に保てるイメージをお持ちの方も少なくありませんが、決して、そんなことはありません。
例えれば、消臭・除菌スプレーは「ガムを噛んで口の中が爽やかになっている状態」で、洗うというのは「歯磨きをした状態」です。人がガムに頼って1ヶ月間歯磨きをしないのと、毎日歯磨きをするのでは、どちらが清潔で綺麗な状態に保てるでしょうか? それほどの違いが出てしまうのが現実です。
確かに、消臭・除菌スプレーは、除菌して嫌な臭いを除去することはできますが、汗や皮脂といった人間から出た成分を除去することはできません。それがどんどん溜まって、いずれ消臭スプレーで抑えられない臭いになったり、スプレーに含まれる成分で汚れが動いて変なシミやマダラ模様になったりと障害が現れてしまうことがあるので、注意が必要です。
便利なアイテムではありますが、頼り切るのではなく定期的に洗濯機やクリーニング店で洗うことも必要なのです。
洗濯ハカセ自身はどうなの? 消臭・除菌スプレーをいつ使う?
「洗濯ハカセ」こと私自身も、もちろん消臭・除菌スプレーを使うこともあります。そこで、どんなときに使うのか、おすすめのシーンや使い方を紹介します。1. 今から着用して出かけるのに、ちょっとだけ違和感のある香りがするとき
「今日着ていきたい!」と思う服って、意外と、是が非にでも着ていきたいときがありますよね。クローゼットに収納していても、湿気やその他の環境的な要因で臭いが付着することは多々あります。
洗えば落ちそうだけど、洗う時間もないといったときは、消臭・除菌スプレーを活用するのがおすすめですね。
2. 洗濯と洗濯の間のクッションやリビング用品にスプレーする
ソファーカバーやクッション、カーペットなどは、毎日洗うのは大変。洗濯してから次に洗濯するまでの間は、消臭・除菌スプレーを使ってできる限り清潔さを保ちます。カーペットやクッションカバーをずっと洗わないと、排水溝並みの雑菌が繁殖してしまうことも……、ぞっとしてしまいますよね。
3. 急な来客対応時にも消臭スプレー
普段の香りとは違うことが気になる人も多いため、来客があるときは、カーテンやソファーといった布製品に対して軽く消臭スプレーを吹きかけます。特に温度や湿度が高くなりやすい6月ごろから夏期は、臭いが空気中に放たれる量も増えるため、特に活躍してくれます。
いかがでしたか?
消臭・除菌スプレーは、便利な一方で、使いすぎによるデメリットも持つ製品です。ただし、使い方を守って頼るときは頼る、洗うときは洗う!と、メリハリをつけて使用すれば心強いアイテムです。近年は、除菌効果が付与された製品も多々出てきて、より一層、嫌な臭いに対しての効果がアップしています。
臭わせず、菌からも守ってくれる消臭・除菌スプレー。用法用量をちゃんと守って、上手に使いこなしてくださいね。
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