毎年、夏期に多く発生する水難事故。水難事故がどのような場所で、何をしている時に起こりやすいのかを把握した上で、子どもを事故から守るための注意点を海や川などの場所別にご紹介します。
 

過去5年の水難発生状況について

海や川、山など、アウトドアでのレジャーは、楽しみがある半面、自然ならではの危険もあります。いったん事故が起きると、命に関わる重大事故になる可能性が非常に高いのが、水難です。

■水難発生状況(過去5年)
子どもの水難事故 過去5年の水難発生状況

出典:警察庁 令和元年夏期における水難の概況

令和元年7~8月の2か月間における水難発生件数は461件、水難者は594人(うち死者・行方不明者239人)です。このうち、中学生以下の子どもの水難発生件数は62件、 水難者は107人(うち死者・行方不明者は14人)と、全体の18.0%を占めています(※子どもの水難発生件数とは、水難者が子どものみの場合を指します)。

過去5年間の夏期における水難発生状況を見ると、平成28年を境に発生件数、水難者数ともに減少はしています。しかし、毎年、7~8月の2か月間で200名以上の方が亡くなったり行方不明になっており、そのうち子どもの死者、行方不明者が3年連続で14人含まれています。

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水難事故は何をしている時に起こる?

令和元年7~8月に発生した水難者594人について、発生した場所別に割合をみると、1位が「海」で全体の59.3%、2位が「河川」(33.0%)です。何をしている時に水難が起こるかという行為別にみると、1位は「水遊び」(27.1%)、次いで「水泳」(17.5%)となっています。

■水難者 死者・行方不明者(子ども)の場所別構成比
子どもの水難事故 水難者の死者・行方不明者の場所別構成比

出典:警察庁 令和元年夏期における水難の概況


そのうち、中学生以下の子どもの死者・行方不明者は、場所別にみると、1位が「海」で全体の42.9%、2位が「河川」(35.7%)。行為別では、全体の半数以上が「水遊び」、次いで「通行中」 となっています。

■水難者 死者・行方不明者(子ども)の行為別構成比(令和元年度)
子どもの水難事故 水難者の死者・行方不明者の行為別構成比

出典:警察庁 令和元年夏期における水難の概況


子どもの水難については、発生しやすい場所、何をしている時に起こりやすいかを保護者が把握しておくことが必要です。

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海での水難事故を防ぐための注意点

子どもの水難事故 海での水難事故を防ぐための注意点

水深が浅く安全そうな場所でも、必ず子どもから目を離さないようにしましょう

水深が浅い場所でも、子どもはほんのちょっと目を離したすきに、転倒して溺れたり、波にさらわれたりすることがあります。幼児はもちろん、泳げない子どもが水遊びをするときは、必ず大人が付き添い、目を離さないようにしましょう。特に子どもだけの水遊びはとても危険なため、絶対に一人にしてはいけません。

海には、深さなどによって水温の変化が大きい場所や、流れの激しい場所、海藻が絡みやすい場所などがあり、こうした危険な場所は、「危険」「遊泳禁止」などと案内されていることが多いです。遊泳禁止区域には絶対に入らず、掲示や標識などをよく確認して子どもを近づけないようにしましょう。

「遊泳区域」とされていても、流れの方向や強弱、水深を考えて遊ぶ場所を選んでください。岸に近いところでも、沖へ流れるとても速い潮の流れ(離岸流)があったり、急に深くなる場所があったりします。また、同じ場所であっても、天候や潮の満ち引きによって変化することがありますので注意しましょう。

浮き輪やライフジャケットをつけているから少しぐらい子どもから目を離しても安心、とは絶対に思わないことが大切です。たとえ保護者が泳ぎに自信があったとしても、溺れている人間を救助することは非常に困難で、特別な技術が必要です。子どもを救助しようとして親が溺死してしまう事故も過去多数発生しています。

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川での水難事故を防ぐための注意点

子どもの水難事故 川での水難事故を防ぐための注意点

川のレジャーでも、毎年のように水難が発生しています

川のレジャーでも、毎年のように水難が発生しています。川のレジャーは、魚とりや釣り、水遊びやボート遊びなどのほかに、河原でのバーベキューなど、水に入ることを目的としない楽しみ方もあります。子どもは河川での事故が多いため、絶対に一人では遊ばせないようにしましょう。

川の地形は複雑で、同じ川でも場所によって流れが速くなっていたり、急に深くなったりする場所があるため近づかないようにしましょう。「危険を示す掲示板」が設置されている場所では絶対に遊ばせてはいけません。また、安全と思われる場所でも上流の天候などによって大きく変化し、上流で豪雨などがあると急に増水し、水難につながる危険があります。河川や湖では、急激な水温の変化や、急激な流れの変化による事故が多いので、よほど安全な場所以外では、子どもにはライフジャケットをつけさせたほうがいいでしょう。当日、天候の変化にも敏感になり、早め早めの避難を事故防止につなげましょう。当然、出掛ける前に天気や川の情報をチェックし、悪天候が予想されているときは中止・延期を検討しましょう。

また、水辺で子どもにビーチサンダルを履かせた場合、ビーチサンダルが脱げてしまい、それを拾おうとして深い流れにさらわれてしまうことが非常に多いです。子どもには事前に「サンダルや帽子などが流れていっても拾おうとしてはダメ!」と教えましょう。水辺で遊ばせる時は、ケガの防止のためにも、なるべく濡れてもいいヒモで縛るタイプのスニーカーなど脱げにくい靴を履かせましょう。

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キャンプの水難事故を防ぐための注意点

子どもの水難事故 キャンプの水難事故を防ぐための注意点

指定のキャンプ地以外での河川沿いのキャンプは大変危険な行為

たとえキャンプ場という管理された場所であっても、それは人間の都合上「管理区域」にされているだけで、アウトドアに絶対的な安全はありません。特に梅雨から台風シーズンにかけての時期は、いつ大雨が発生して水位が急上昇するかわからないため、絶対に川岸に近い場所にキャンプサイトを設営してはいけません。指定のキャンプ地以外での河川沿いのキャンプは大変危険な行為であること、中州はキャンプ厳禁であることと心得ましょう。

キャンプにおいても水辺で子どもたちを遊ばせるときはライフベストは必須です。海に転落したときなどは、ベスト着用の場合、生存率が80%を超えるのに対して、未着用では20%とも言われています。子どものライフベスト選びで大切なのは、値段よりもサイズと着用方法。適切なサイズを選んで、すっぽり抜けてしまわないように正しく着用しましょう。

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水辺のレジャーで事故を起こさないために

子どもの水難事故 水辺のレジャーで水難事故を起こさないために

子どもを水難事故から守るのは大人の責任です

水辺のレジャーでは、些細な不注意や無謀な行動、危険な悪ふざけが水難事故につながります。人出の多い時期には、迷子になって大人を探しているうちに事故に至るケースもあります。自分たちのパラソルやテントが子どもにも分かりやすいように、目印となるものをつけておく、海の家を利用する場合は外観を子どもに覚えさせてから遊ぶなど、万が一迷っても戻ってこられるよう、最初に時間をかけて説明しておくことが大切です。複数の子どもを含むグループで遊びに行く場合には、必ず定期的に点呼もしましょう。

「遊泳禁止区域」で泳がないことはもちろんですが、監視者に注意された場合には必ずその指示に従ってください。急に天候が変化し、高波や落雷が発生する可能性が出てくると、海から上がるよう指示が出る場合もあります。雨上がり後の川遊びも、一見問題ないように見えていても立ち入り禁止になることがあります。安易に自己判断に任せず、危険な場所をよく知る監視者の指示に従うことが大切です。

流れのある川や、波のある海で、自分の泳力の限界を子どもが判断したり、危険な場所を察知したりするのは難しいことです。子どもを水難事故から守るのは大人の責任です。危険箇所に近づけない、保護する責任のある人が必ず付き添い、目を離さないようにすることが、水難から子どもを守るために最も大切なことです。

注意していたにも関わらず、万が一事故が発生してしまった場合。もし、子どもが目の前で溺れてしまったら、ライフガードなど救助のプロに助けを求め、指示に従います。それ以外の場合は、落ち着いて周囲の人に協力をお願いしましょう。助けに向かう人、携帯電話で通報する人、援助する人などの役割分担をし、とにかく溺者と救助者を見逃さないようにすることが大切です。慌てて一人で飛び込んだものの、溺者にしがみつかれて救助者も共に溺水してしまうケースも多いため、冷静に対処することが大切です。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。