自然分娩での出産費用はいくら?
自然分娩での出産費用
後述しますが、自然分娩や帝王切開などの方法に関わらず、あらゆる出産時には「出産育児一時金」を利用できることが多いです。出産育児一時金とは、公的医療保険が適用されず10割負担となる出産費用をまかなうために、公的医療保険から支払われるお金のこと。
そのため、この出産育児一時金を考慮して、退院時には出産費用から約42万円を差し引いた額を用意すればよいケースが多いと言われています。出産前に医療機関に確認してみましょう。
■ 参考記事
帝王切開での出産費用はいくら?
帝王切開での出産費用
帝王切開は、入院期間が自然分娩の約2倍のため、医療機関で計算される出産費用は自然分娩より高額になることが多いです。しかし、帝王切開は自然分娩と異なり健康保険が使えるため、妊婦の自己負担額としては自然分娩とあまり変わらないか、安く済む場合もあります。
帝王切開での出産費用の内訳は、帝王切開手術やその他医学的に処置を施した場合などの健康保険適用分と、分娩費などの自費診療分です。
帝王切開の手術費用は、地域や医療機関に関わらず、22万2000円です。健康保険が適用されるため、自己負担額はこのうち3割となります。
産まれた赤ちゃんの入院費は、元気な場合だと1日約1万円が目安。医学的措置が施された場合は健康保険適用となりますが、元気な場合の入院費用の扱いは医療機関により異なります。
その他、おなかの傷対策に術後用腹帯(約800~4000円)やケロイド予防のシリコン・ジェルシート(約4000~1万円)なども準備しておきましょう。
■ 参考記事
無痛分娩での出産費用はいくら?
無痛分娩での出産費用
上乗せ額の目安は以下の通りですが、地域の医療機関によって開きがあります。
- 個人施設 0~5万円
- 一般総合病院 3~10万円
- 大学病院 1~16万円
原則、無痛分娩費用は健康保険の適用外ですが、無痛分娩から吸引分娩や鉗子分娩、帝王切開になる場合など、医学的に必要と医師が判断すれば健康保険が適用されることもあります。
■ 参考記事
都道府県別の出産費用の相場
都道府県別の出産費用の相場
■出産費用の高い都道府県べスト5
- 東京都 62万1814円(58万6000円)
- 神奈川県 56万4174円(55万8440円)
- 栃木県 54万3457円(54万6365円)
- 宮城県 53万5745円(52万8876円)
- 埼玉県 53万1609円(52万2660円)
■出産費用の安い都道府県べスト5
- 鳥取県 39万6331円(39万8130円)
- 熊本県 41万5923円(42万円)
- 沖縄県 41万8164円(41万8100円)
- 宮崎県 42万8157円(42万円6879円)
- 大分県 43万141円(42万7155円)
(国民健康保険中央会 平成28年度 出産費用データ)
また、出産費用は医療機関や施設によっても異なります。それぞれの施設の平均費用は以下の通りです。
- 病院での平均費用:約51万 ※ ベッド数20床以上の病院(個人病院、総合病院、大学病院)
- 診療所での平均費用:約50万 ※ベッド数は19床以下の診療所(「産婦人科診療所」や「○○クリニック」など規模の小さい施設)
- 助産院での平均費用:約46万円
大まかな費用については、ママ友達などの経験談なども聞きながら情報を取り入れてみてください。
■ 参考記事
出産で国からもらえるお金は
出産で国からもらえるお金は?
出産育児一時金とは、公的医療保険から支払われる支援費用のことです。公的医療保険が適用されず10割負担となる出産費用をまかなうために、健康保険法に基づき、子どもひとりにつき42万円(産科医療補償制度の掛け金1万6000円を含む)が給付として支払われます。
自分が加入する健康保険に対して申請してお金を受け取ったら、多くの場合、病院に出産育児一時金を直接支払い、退院時にはその差額のみを支払う「直接支払制度」あるいは「受取代理制度」という形をとりますが、詳細については病院によって違うため、事前の確認は必須事項です。
また、「出産手当金」は、会社からお給料が出ない産休中(産前42日、産後56日)に利用できる健康保険による給付制度です。
出産手当金は、健康保険に加入していて、妊娠4カ月(85日)以上で出産した場合に受け取れるお金のことです。社員のほか、契約社員やパート、アルバイトであっても、仕事を辞めずに健康保険に加入し続けている人が対象になります。受け取る額の計算式としては「支給開始前12カ月間の各標準報酬月額の平均額」÷30日× 2/3 × 日数分」。大まかに言うと、働いていたときの日給の3分の2相当額くらいです。
この他にも、育児休業中に利用できる「育児休業給付金」や、分娩費用がないときに費用を大幅に減らせる、児童福祉法に基づいた「助産制度」など、様々な支援制度があります。
■ 参考記事