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読書感想文、低学年向けの書き方・徹底サポート術!

小学校低学年や、初めて読書感想文を書くお子さんの読書感想文の書き方、親のサポートのコツについて解説します。「おもしろかったしか言わない」「挿し絵の感想を言う」などよくある質問への回答もまとめました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

高橋 真生

執筆者:高橋 真生

子育て・教育ガイド

低学年の読書感想文をサポート! 書き方は?

読書感想文、低学年向けの書き方・徹底サポート術!

低学年の読書感想文……書き方をサポート

小学生の読書感想文は、夏休みの宿題の中でも、親のサポートが必須と言われています。

特に初めての読書感想文では、学校で書き方を教わっていないだけでなく、小学校1年生の中には、ひらがな・カタカナを習ったばかりで文章を書いたことのない子、「読書」「感想文」の意味が分からない子も少なくありませんから、子どもが自分で完成させるのは、とても難しいのです。
 
<目次>

大人も面倒かもしれませんが、小学校低学年で大切なのは「よい読書感想文」を書くよりも、「読むこと・書くことを楽しむ」ことです。リラックスして取り組んでください。
 

低学年向け読書感想文サポート ー準備編ー

  • 大人がルールを確認する
学校のお便りやコンクールの応募要項を確認し、原稿用紙を用意します。小学校低学年では、読書感想文の指定文字数は800~1200字(400字詰め原稿用紙2~3枚)程度が一般的です。
 
  • 読書感想文とは何かを子どもに説明する
1年生、2年生の子が読書感想文について学校で説明を受けていない場合、「本を読んで、自分がどう思ったかを書く宿題が出ている」ということを親が教えてあげましょう。
 
  • 読書感想文の本を選ぶ
書店や図書館で、実際に見ながら読書感想文の本を選びましょう。詳しくは「読書感想文が書きやすい本って?小学生の親が知っておきたいポイント」の記事をご覧ください。
低学年なら、絵本でも問題ありません。もちろん、今まで大人に読んでもらっていた絵本でも大丈夫。一人で読む喜びを感じるいい機会にもなります。
 
  • 読書感想文の本を読む
読書感想文の本は、子どもだけでなく、親も読んでおくとスムーズに進められます。短いものなら音読してもらったり、逆に一人で読み通すのが難しいときは読み聞かせてもかまいません(できればその後、一人読みにも挑戦してもらいましょう)。
 

読書感想文の書き方サポート ー材料集めー

子どもの思いや意見を、会話で引き出します。話している最中にお子さんのモヤモヤとした感情にピタッとはまる表現が見つかることがありますが、これこそが語彙力UPにつながります! おやつなど準備して、リラックスして楽しく取り組んでくださいね。
  • まずは「どうだった?」と聞いてみる
「あいまいで答えにくい質問なのでしない方がいい」という考え方もありますが、私は軽く聞いてみることをおすすめしています。

というのも、子どもの中に話したいことが溜まっていることがあるからです。それは、何より先に聞いてあげたいもの。さらに、返答によって、どの程度内容を理解しているか、どの部分に興味を持ったかがわかります。
 
質問の答えを書くのは、親子どちらでもOK。親がお手本を見せてから子どもが書いてもいいですし、子どもが書きたがったらまかせて、途中で交代してもかまいません

質問の答えを書くのは、親子どちらでもOK。親がお手本を見せてから子どもが書いてもいいですし、子どもが書きたがったらまかせて、途中で交代してもかまいません

  • 親が子に質問をして考えを掘り下げる
1つの質問につき、1枚の付箋を使い、答えを書き取ります。書くのは親子どちらでもかまいません。親が書く方が早いので、集中力は途切れにくいのですが、いずれは自分ですることですから、お子さんの様子を見ながら決めてください。主語と述語のある「文」で書いておくと、後が楽です。

付箋は、大きめのものがおすすめです。特に、子どもが書く場合は、小さいと書きにくいので、メモ帳やノートでも大丈夫です。後で内容ごとにグループ分けや並び替えをするので、切り取ってもいいものを使います。

以下が質問例です。全て聞く必要はありませんし、ここに挙げたもの以外でも、本やお子さんに合わせて、いろいろな質問をしてみてください。質問のコツは、否定・先回りはせず、子どもの気持ちを尊重すること。また、質問の後に「どうして?」と掘り下げておくと、体験や考えと結びつき、まとめやすくなります。

<質問例>
  • どうしてこの本を読もうと思ったの?
  • 読む前はどんなお話だと思った?(表紙やタイトルの印象など)
  • 読んだら、予想と違った? 同じだった?
  • 今まで知らなかったことはあった?
  • 意味がよくわからなかったところはあった?
  • 誰が出てきた? どんな人だった?
  • どの人が1番好きだった?
  • 嫌だなと思う人がいた?
  • 〇〇が自分の友だちだったらどうする?
  • すごいと思った(笑った・怒った・嫌だった)ことはあった?
  • 〇〇が自分と似ていると思ったことはあった?
  • 〇〇が自分と違うと思ったことはあった?
  • 自分だったらこうすると思ったことはあった?
  • この続きがあったらとしたら、どんなふうだと思う?
  • 会話が弾まないときは、大人の感想も話してみる
他の読み手の感想は、別の見方を知るいい機会です。感想に対するお子さんのコメントも聞いてみると楽しいですよ。
 

低学年向け読書感想文サポート ー実際に使う材料を選んで構成決めー

  • 関連する内容で付箋をグループ分けし、どれを使うか決める
内容ごとにグループ分けし、どれを使うか(何を書くか)決めます。基本的には、お子さんが書きたいものを選びましょう。書きやすいのは、付箋の枚数の多いもの、何度も話題になったもの、自分の体験や気持ちが含まれるものです。

ポイントは、
・単語だけササッとメモしたようなものは、この時点で文章に直す。
・どの付箋のグループを使うか(何を書くか)迷ったときには、こちらを参考に。
読書感想文_付箋から材料を選ぶ

どの付箋を使うか迷ったときには、この表を参考にしてください。ただし、「他のグループを選ぶ方がいい」はあくまでも一般論。お子さんの書きたいことを優先します

 
  • 構成にそって、付箋を並び替える
基本的な構成は「序論・本論・結論」の3部構成で、たとえば、このようにまとめることができます。
・序論(はじめ): 本との出会い、全体の内容の説明(要約)など
・本論(なか): 書きたい部分についての内容+自分の体験や意見など
・結論(おわり): 本から学んだこと、これからの目標、登場人物へのメッセージなど
この構成に沿って、順番を並び替えます。

ポイントは、
・足りないものがある場合、文字数が大幅に足りない場合は、別の付箋グループから持ってきたり、再度質問したりして、材料を増やす
・お話の続きや別バージョンを考えるような感想文の場合は、想像部分は「本論」で書く
 

読書感想文の下書き、ブラッシュアップへ

  • まずは下書きをしよう
短くても長くても、始めから終わりまで一通り書きます。原稿用紙やマス目のあるノートを使うと、文字数がわかるので、後が楽です。
 
  • 下書きをブラッシュアップする
親子一緒に、文のブラッシュアップをします。ポイントは、
・基本的な間違いを直す
・接続詞を補う
・文字数の過不足を調整する
・書き出し・まとめなどの表現を工夫する
・「ぼくは~だと思いました」など同じことばやフレーズを多用している部分の修正
など。最後に読み返しましょう
 

タイトル決め、清書と最終チックで完成!

  • 読書感想文のタイトルを決めよう
「〇〇を読んで」でもかまいませんが、感想文の内容に合ったタイトルは、読む人の興味を引きます。感想文のキーワードなどから考えるといいでしょう。捻りすぎたように感じたら、サブタイトルで「〇〇を読んで」とつけるといいでしょう。
 
  • 清書して、最終チェックをして完成!
でき上がった作文を音読し、おかしなところがないか確認してから、清書します。
最後に、誤字脱字、原稿用紙の使い方に間違いがないかどうかを、確認しましょう。
 

小学校低学年の読書感想文、親のサポートQ&A

■内容について
Q. 「おもしろかった」しか言いません。
小学校の低学年は、言いたいことがうまくことばにならないことも多いもの。感想文を通じて「本当の気持ち」を伝えられるようになると、普段の会話も上手になります

小学校の低学年は、言いたいことがうまくことばにならないことも多いもの。感想文を通じて「本当の気持ち」を伝えられるようになると、普段の会話も上手になります

A. 小学校低学年では語彙が少なく、気持ちを言語化できないこともあります。実は深く感動していたということもあるので、質問をして、感想を引き出してあげましょう。

ただし、本の内容をきちんと理解できていない、本が興味関心に合っていないケースも考えられます。一緒に読んでもいいですし、お子さんの好きなものや興味に合った本を選び直してもいいでしょう。

Q.すぐに「忘れた」と言います。

A. 言い逃れではなく、特に最初の方は本当に忘れていることがあります。すぐにもう一度読むのを嫌がったときは、一緒に読んだり、思い出せるような質問をしてあげるといいでしょう。また、上に書いたように、理解できていなかったりお子さんに合わない本である可能性もあります。

Q. 「かわいい」など挿し絵の感想を言います。本文には書いていないことなのですが、大丈夫でしょうか。

A. 小学校低学年では、絵の感想を言う子はたくさんいます。理解を助けるために描かれているものですし、印象に残りますよね。絵の感想も聞いて、そこから会話を広げましょう。

■質問と答えについて
Q. 一つの質問に対する答えが長すぎます。


A.それだけ心が動いているということです。じれったいかもしれませんが、じっくり聞いてあげてください。

もし、同じ部分のあらすじを何度も語る場合は、さりげなく「こういうことかな」とまとめてあげると、お子さんも要約の方法を学ぶことができます。

ただし、お子さんがうれしそうに話しているときは、聞き役に徹すること。おうちの人とゆっくり話せる幸せを味わっているのだと思います。聞き取ったメモだけで、感想文がほぼでき上がるようなこともありますよ。

Q.正しい答えになるような質問の仕方をしてしまいます。

A.「正答」を導くような強い働きかけや誘導は困りますが、ある程度は仕方ないと思います。ご自分の感想を話すなど、一度自由におしゃべりしてみるといいかもしれません。

また、お子さんが一人で本を読めるのであれば、親は読まずに、内容や感想を教えてもらうという方法もあります。頼りにされればやる気も出ますし、「お母さんも読んでみようかな」「そのあとまた一緒にお話ししようか」「お父さんの感想も聞いてくれる?」と声をかけてもらえるのは、うれしいものです。

■進め方について
Q.1日で終わらせたいのですが……。


A.1日1時間程度を目安に、何日かかけて取り組んでください。どんなに楽しそうでも、慣れないことですから、大人が思う以上に疲れます。時間が足りない場合は、午前と午後にわけるなど、負担にならないようにするといいですね。親子とも焦らないよう、時間に余裕を持って取りかかりましょう。

Q.付箋を貼りながら本を読んでもいいですか?
付箋を貼りながら本を読むのは、小学校中学年以上がおすすめ。低学年では、貼ることに夢中になって、読むのがおろそかになりがちだからです

付箋を貼りながら本を読むのは、小学校中学年以上がおすすめ。低学年では、貼ることに夢中になって、読むのがおろそかになりがちだからです

A. 少し長めの本の場合は、読みながら付箋を貼ってもかまいません。ただし、付箋を貼りながら読む方法は、基本的には中学年以降におすすめしています。

なぜなら、低学年は、まだまだ「貼る」のが好きな年齢だから。うれしくなって貼ることに気を取られたり、やたらと貼ってしまいポイントがわからなくなったりすることもあるからです。

ちなみに、続きが気になってどんどん読むような子の場合は、いったん最後まで読ませ、もう一度付箋を貼りながら読ませた方が集中できます。

Q.会話ではなく、ワークシートで書くのはどうでしょうか?

A.読書感想文の書き方では、会話だけでなく、穴埋めやチャート式の読書感想文のワークシートも人気です。

ワークシートには、効率的で、視覚的に構成が理解できるというメリットがあります。何事も短時間でパパッと仕上げるのが好きな子は、こちらが向いています。ただし、本の文章が長いほどまとめにくい、たまにしか長い文章を書かない場合は、ワークシートがなしで作文を書けるようになりにくいというデメリットもあります。

合う・合わないがあるので、一度試してできなかった場合は、会話しながら考える方法にしてみてもいいかもしれません。

なお、低学年のうちは、身近な人と楽しく本について話すことが、読み書きへの意欲につながりますので、私は、会話式をおすすめしています。
 

小学1年生の読書感想文におすすめの本

  • えらいこっちゃのいちねんせい
『えらいこっちゃのいちねんせい』

『えらいこっちゃのいちねんせい』

「やることも じかんもきまってる」「ぼくの きょうしつが わかんない」「ああ えらいこっちゃ」初めての学校生活に、戸惑ったり驚いたりする1年生の気持ちが素直に表現された絵本。「わたしはこうだったよ!」と自分の気持ちや体験と比較した読書感想文が書きやすいと思います。また、入学当初と、1学期を終えた夏休みの自分を比べてみることで、がんばったことが実感できることでしょう。
   

小学2年生の読書感想文におすすめの本

  • しっぱいにかんぱい
『しっぱいにかんぱい』

『しっぱいにかんぱい』

1年生からずっとリレーの選手だったおねえちゃん、6年生ではアンカー! なのに大失敗をしてしまいます。落ち込むおねえちゃんに、家族のみんなが話してくれる失敗エピソードは、どれも笑えるようなものばかり。「失敗を大事にして大きくなれ」というあたたかなメッセージにみんなホッとするような物語です。小さな失敗から大きな失敗まで、自分の失敗を思い出しながら素直な感想が書きやすい本です。

 
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