妊娠中に新型コロナウイルスに感染しても、一般の方に比べて、妊婦が特に重症化するという報告はなく、また、胎児への悪影響も指摘されてはいませんが、まだ情報は不十分で、妊婦さんの不安は大きいでしょう。
妊婦 新型コロナウイルス感染 分娩・出産・影響

妊婦が新型コロナウイルス感染した場合、分娩・出産はどうなる?

 

妊娠中の新型コロナウィルスに関する相談は、かかりつけの病院へ

産科では、日頃から地域の医療連携が重視されており、新型コロナに関しても、各自治体の産婦人科医会を中心に、地域の実情に合った、その時点で望ましい方針が検討されています。

地域により感染状況が違うので、方針が異なる場合もありますが、何か心配な症状があれば、まず健診を受けているかかりつけ産科施設に電話で相談しましょう。相談の結果、結局「帰国者・接触者相談センター」や、「医師会の相談センター」に紹介される場合もありますが、直接、自分で相談センターに電話するよりも、比較的、必要な検査を受けやすくなると思います。
 

妊娠中、どんな症状があったら相談する?

妊婦が特に重症化するという報告はありませんが、現時点(2020年5月)の目安では、発熱や咳などの比較的軽い風邪症状がある場合、念のため重症化しやすい方(※高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方)と同様に早めの相談がすすめられています。
 
一部の自治体では、特に症状が無くても、妊婦は全員、分娩までにPCR検査を行い、陽性なら、全て感染症指定医療機関で管理する方針の地域もあります。

一方、すでに感染蔓延期に入り、一般の産科施設でも、無症状の感染妊婦を避けることは不可能と判断し、医療従事者が濃厚接触者にならないように、感染の標準予防策を徹底した上で、通常の産科診療を行う地域もあります(こちらが多数です)。

産科医療は、感染対策だけを考慮して決められないので、しばらくの間、統一した基準はできないかもしれません。
 

妊婦が新型コロナウイルスに感染(PCR陽性)したらどうなる?

妊娠・出産では、妊婦と医療スタッフとの接触が避けられず、慎重な対応が求められます。
 
■軽症または無症状で、肺炎の治療が不要な場合
妊婦は、重症化しやすい方と同様、ホテルなどの宿泊療養や自宅療養ではなく、感染症指定医療機関への入院が原則です。入院隔離は妊婦への負担も大きく、かかりつけ産科施設や保健所と連携し、急な症状悪化に備えて、毎日の十分な健康観察や、SpO2酸素モニターなどを行った上で、宿泊療養や自宅療養としている地域もあります。地域の実情に合わせた相談が必要です。

PCR陽性妊婦が、不正出血や腹痛などの産科的症状で診察が必要な場合、感染症指定医療機関を紹介されるか、かかりつけ産科施設が対応するか、これも地域によって異なるので、まずはかかりつけ産科医に電話相談します。

妊婦健診はPCR陰性を確認してからになるので、かかりつけ産科施設と電話相談の上、予定を延期します。なお妊婦健診の家族同伴は禁止されている所が多いようですが、妊娠経過や、地域や施設の実情で異なるので、あらかじめ電話で問い合わせます。車で来院の方は、駐車場での待機を指示されることもあります。
 
■中等症・重症で、酸素吸入や肺炎治療が必要な場合
肺炎を起こすと、重症化のおそれがあるので、感染症指定医療機関に入院します。診断のために胸部レントゲン、胸部CT検査などが必要になりますが、妊娠中であっても、適切な範囲で検査は可能なので、医師の指示に従ってください。

中等症・重症の妊婦で、胎児が出生可能な時期であれば、帝王切開で出産し、母体の薬物治療などに専念する場合があります。

肺炎症状が悪化し、人工呼吸器やECMOなどの呼吸管理が必要となった場合、母体治療は胎児にも影響します。胎児の成熟度を考慮しながら、母体救命のために早期帝王切開を検討するなど、難しい判断を求められる可能性もありますが、これまでに、日本での報告はありません。
 

新型コロナウィルスのPCR陽性妊婦の分娩・出産

妊婦 新型コロナウィルス 分娩 出産

妊婦の新型コロナウイルス感染、分娩・出産はどうなる?

軽症の妊婦であっても、経腟分娩は長時間にわたり、妊婦と助産師・医師との間で、濃厚接触のリスクがあります。特に、今回の新型コロナは、呼吸飛沫だけでなく、便中に高濃度にウイルスが排出されていると報告されており、現時点では、経腟分娩ではなく、帝王切開もやむを得ないとされています。ただし、産科施設によっては、軽症の妊婦であれば、通常どおりの経腟分娩を行うところもあります。

世界的には、帝王切開が推奨されているわけではなく、今後、ワクチンが開発されたり、抗体を持つ人が増えてくれば、方針転換もあると思います。
 

新型コロナウィルスのPCR陽性妊婦の産後・授乳

現時点では、出産後に母児を隔離し、新生児はPCR検査を行い、保育器か個室で14日間程度経過観察するとされています。母親はPCR陰性となるまで、面会や授乳ができません。

海外では、母体が軽症で、肺炎症状が中等症・重症でなければ、母児同室の上、むしろ、授乳をすすめる国が主流ですが、いずれ、このウイルス感染の詳細が解るようになれば、方針転換もあると思います。

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