新型コロナウイルス感染拡大が続いています。様々な業種に経済的な影響を与えていますが仕事を失ったり、収入が減ってしまった人はどう対応したらいいのでしょうか?『マネープランクリニックラジオ・2020年の家計防衛』の収録時にFP深野康彦さんにインタビューしました。

【コロナによって収入が減ってしまったら、家計をどう見直せばいい?】


 

深野康彦さん:こんにちは。ファイナンシャルプランナーの深野康彦です。

清水京武さん:皆さんこんにちは。マネーライターの清水です。深野先生、今回もよろしくお願いいたします。コロナショックシリーズとしていろいろと考えていますが、今回は一番身近なテーマです。給与ダウンしている方がかなりいて、今後も増えると考えられると思うのですが、それをどう見直せばいいのかをテーマに考えていきたいと思います。 実際に既に下がっている方もいるかと思いますが、この傾向はやはり続いていくと考えたほうがいいのでしょうか?

深野さん:残念ながら給料がこれから増えるとは考えにくく、減る可能性が高いでしょうね。そうはいっても、コロナウイルスの影響がどれだけ大きくなるかで収入減になる人の数や割合も、変わってきそうです。

皆さんがどういう仕事をされているのか。例えば私は3月26日現在で、セミナーが4つなくなっています。さらにこれからもなくなると思います。また例えばキャビンアテンダントの方はほとんどが自宅待機になっているので、夏のボーナスがないのを覚悟している、という声も聞いたことがあります。あるいは、今現在かなり業績が厳しいデパートなんかもそうですね。やはりかなり収入減になると思います。休日が増えている人、就業時間が短くなった人も、かなり影響があるでしょうね。

そしてちょうど今新年度が始まる時期ですよね。例えばお母さんが子どもの送り迎えのために自転車を買いたくても、今電動自転車の在庫がないそうです。中国から部品が入ってこないので、作れない状況らしいです。 また外出自粛ということで、巣ごもり商品としてゲームが人気です。

『ニンテンドースイッチ』も実は部品がなくなって、供給が今後遅くなるという話もあります。スマホなんかもそうですよね。世界のサプライチェーン(工場網)が寸断されてしまっているので、部品が手に入らず作れないという状況です。そう考えると、今回のコロナショックの影響がない業種はないような気がします。 株価は今暴落してしまっていて、ある意味結果が出てしまっていますよね。でも給料というのは、これから結果が出てきますよね。家計にとっては、これから厳しい局面がじわじわとやってくるということです。

清水さん:あちこちで収入が減ったとか、仕事がなくなったとか、一時的に解雇されただとか、お休みを言い渡されたとか、いろいろな事例が出ていると思います。実際に収入減となってしまった方は、これからどうすればいいのでしょうか。

深野さん:今回はコロナウイルスによる景気後退ですが、過去さまざまな形での景気後退はありました。その度に、我々の家計は節約モードになりますよね。今までの経験則で言うと、節約するというのが第一です。節約だけで乗り越えられなければ、家計のうちの黒字部分は貯蓄ですので、貯蓄額を一時的に減らすなどの対応もせざるを得ないでしょうね。 とにかく赤字に陥るのを避けるということです。最悪の場合、貯蓄を取り崩さなければいけないこともあるかもしれませんが、それは一時的なことです。さらに怖いのは、生活費のために借り入れをしてしまうということです。

これは最もやってはいけないことです。 ですから基本的には節約モードで乗り切り、それだけで難しければ少し貯蓄額を減らすと。しかしさまざまなイベントは待ってはくれませんから、厳しくなってしまったら貯蓄の取り崩しもやむなしというかたちで、乗り切りたいです。できれば家族全員の協力の元で、ということですね。

清水さん:「家計管理」「家計の見直し」という言葉としてはよく聞くのですが、実際にどうやっていいか分からない、うまくいかないという人も少なくないと思います。

深野さん:まずは自分の収支を確認しているか、です。よく清水さんとマネープランクリニックでもお話ししますが、使途不明金は多いですよね。ですからこの使途不明金をしっかりと把握することです。結構多い人もいるので、場合によってはそこを見直すだけで乗り切れることもあります。

その他に削るといえば、最近家計に占める割合が多いのは通信費ですね。どうしても削るというと、食費とかを考える人が多いじゃないですか。でも食費はあまり削ってしまうと、栄養が取れずに逆に体調を壊して医療費がかかってしまうことになります。これじゃあ本末転倒じゃないですか? 食費を削るというのは確かにやりやすいかもしれないけれど、健康を害するという弊害まで考えると、食費を真っ先に削るというのはあまり感心はできません。

その他の余分な部分というと、余暇・レジャー費用だと思います。 これは家計にとって一種の潤い的な費用かもしれませんが、こういうショックが来てしまうと、この部分は一時的に我慢しなくてはいけないかもしれませんね。これらは皆さんが共通して節約できる費用だと思います。 あとは各ご家庭によって、支出の優先順位をつけてもらいたいです。その順位が高いものはなるべく削らない。よく我々は「聖域」と呼びますが、その部分はなるべく削らず、削ったとしてもごく一部にします。

逆に優先順位の低いものはバッサリと削って、メリハリを付けてもらいたいです。 節約で一番簡単なのは、全ての項目を例えば1割カットするとかいうやり方かもしれません。しかし実はそのやり方って、長続きしないんですよ。ですから支出部分の優先順位をつけて、削る部分はしっかりと削る。その代わり優先順位が高いところは削らない。あるいは削ったとしても、優先順位の低いものよりも削る割合を低くする。メリハリをしっかりと付けていくということですね。 コロナショックに関しては、これが10年20年続くわけではないと思うんです。一時的なことですから、そこを家族全員の協力の元でどう乗り越えていくか、考えていただきたいですね。

清水さん:例えば外食費をバッサリ削れる家族もあれば、1回の外食が家族にとって大変大事なものであればそれを生かして他を削る、そういう作業をするということですね。

深野さん:その通りです。先ほど支出項目の優先順位を付けると言いましたが、支出項目の中身を厳選するということですよね。食費だったら、家で食べるものと外食を分けられます。月1回の外食が、家族が楽しめる潤いであるなら、それは削ってはいけないと思うんです。そういうところまで吟味してください。今回をきっかけに家族会議をしてみて優劣をつけるというのもいいと思います。

清水さん:こういうことはないに越したことはないですが、厳しい状況であれば逆にこれをひとつのいい機会と捉えて家計を見直してみるというのも、意味のあることですね。

深野さん:そうですね、災い転じて福となすというか。なかなかきっかけが掴めないという人もいるじゃないですか。我々マネープランクリニックでも、見直す時期は新年や新年度などの節目のとき、または夏冬のボーナスが出るときだと言っていますよね。 それ以外になかなかできない人は、こういう大きな変化があったときに家計の見直しをすることも重要だと思います。

清水さん:家計を見直して思った以上に無駄が見つかる可能性もありますし、これをいい機会と捉えて見直す作業が第一に必要だろうということですよね。何でもかんでも節約だとストレスがたまってしまうのでメリハリを付けて、継続して家計を見直していくということです。 必ず守ってほしいのは、無理にキャッシングやローンを利用して負債を増やさないということだと思います。その範囲でこのコロナショックを乗り切っていただきたいと思います。深野先生、今回もありがとうございました。

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