アドバイス1 ボーナスが出るまで現状をキープ。体調維持が一番
病気療養を乗り越えて、正社員での復職。頑張りましたね。貯蓄がなくなってしまったことはやむを得ません。今は、体調維持を一番に考えて、今の生活をキープすることを最優先してください。現状の収支では、これ以上、節約するところはありません。次のボーナスが出れば、状況は変わります。それまで、現状キープで十分です。
ボーナスが出たら、60万円を貯蓄、16万円は自由に使えばいいでしょう。ぜひ、習い事も再開してください。年間60万円貯蓄できれば、60歳までの17年間で1020万円貯めることができます。65歳まで再雇用で働くとすれば、その間はボーナスからの貯蓄ができないとしても、1020万円を取り崩さずに生活することも可能でしょう。
年金の追納については、貯蓄を優先して余裕が出てきたら、その時点でできる範囲で追納すればいいでしょう。今、正社員でお勤めですから、厚生年金加入で年金受給額は今後増えていきます。
アドバイス2 親に頼れるところは頼っていい。今は貯蓄が優先
車については、親御さんが援助してくれるのなら、甘えていいと思います。諸費用も含めて60万円以内で収まるように現金一括で購入するようにしてください。絶対ローンを組んではダメです。親御さんのために病院の送迎をしているのですから、遠慮なく購入費用を負担してもらいましょう。また、奨学金、といっても親御さんからの資金援助ですから、ボーナスが出るまでの間は、返済を待ってもらってもいいのではないでしょうか。気になるようであれば、現状のままでもいいと思いますが、ご実家に同居できないことを考慮しても、返せる範囲で返していけばいいと思います。親御さんに率直に話をされてみてはいかがですか?
まずは、100万円の貯蓄。そこからはボーナスのたびに貯蓄が増えていきますから、ある程度貯まったところで、返してもいいのではないでしょうか。
アドバイス3 保険や年金は、確認して。クレジットカードは不要
現段階で気になるのは、養老保険の満期金が不明確であること。一度中身を確認されてください。貯蓄代わりだと思いますが、払込総額よりも満期金が下回るようであれば、継続するかどうかの判断も必要になります。医療系の保険は共済に加入されていますので、基本的にはそれだけで十分です。これまでクレジットカードを保有していなくても、困らなかったのであれば、あえて持たなくてもいいのではないでしょうか。浪費グセはないと思いますが、カードローンやリボ払いを使うことのないよう、クレジットカードは持たないほうが賢明だと思います。
住宅購入も、現段階では慎重に考えてほしいと思います。住宅ローンの返済によって生活は苦しくなってしまいます。現在の家賃並みでローンを組んでも、それ以外に、固定資産税や住居の維持費が発生します。ボーナスも住宅ローンの返済に回してしまうと、老後資金が不足する事態になりかねません。
ボーナスは会社の企業業績で変動するものです。計画どおりに貯蓄できるとは限りませんから、確実に貯蓄できるときに貯蓄する。これに尽きます。
できるだけ長く働けるよう、どうぞ体調維持を一番に考えて過ごしてください。
相談者「ふゆ」さんから寄せられた感想
率直にやはり厳しいなと思いました。老後の為に日々、節約して生活しなければならないということが客観的に示されたことで、一度ルートを外れると底辺まで落ちてしまい、こうなるんだと実感しました。人生設計の見直しと、今よりも年収の高い職場への転職を考えていきたいと思いました。ありがとうございました。●マネープランクリニックのラジオ番組を始めました!
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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
取材・文/伊藤加奈子
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