結婚予定はなし。介護職。来年、実家の敷地内に家を建てる予定です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、来年、実家の敷地内に家を建てる予定という43歳の介護職の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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実家の敷地内に家を建てたいのです

実家の敷地内に家を建てたいのです




■相談者
佐々木雪乃 さん(仮名)
女性/会社員/43歳
関東/借家
 
■家族構成
一人暮らし
 
■相談内容(原文まま)  
独身で結婚予定は現在なし。介護職。来年、実家の敷地内に家を建てる予定。そのため、現在の職場は来年3月に退職し、実家近くに現在と同じくらいの年収の職場を探す予定。定期預金が70万円、外貨預金が2万円で他は普通預金です。
 
実家の敷地内に建て、600万円ほどの1LDKを建てようと思っています。実家の私の部屋には住まず、離れを建てるのは、精神的なストレスをためたくないので、ある程度の距離感を保ちたいと思ったからです。貯金は増えては減りを繰り返しています。投資や定期預金、外貨預金など、お金の増やし方を教えていただきたいです。なお、私はレズビアンのためパートナーはできても、法律上の結婚は出来ないため、いろいろな補助は受けられません。
 
■家計収支データ
相談者「佐々木雪乃」さんの家計収支データ

相談者「佐々木雪乃」さんの家計収支データ



 
 
■家計収支データ補足
(1)収支について
毎月の貯金を含めた支出から収入を引いた差額が2万2000円ですが、2000円はタンス預金、2万円のうち1万円はゆうちょ銀行(両親や叔父たちへの誕生日プレゼント代やクリスマスプレゼント代として、必要時に払戻)、残りの1万円は予備費として別の財布へ入れ、余ったら預金。
 
(2)住居費について
兄弟が車で30分ほどの場所に家を建てたので、実家は私が相続するかもしれません。
 
(3)車両費について
現在、車は所有しておりませんが、実家へ戻ったら車がないと生活できないため、新車を購入したいと思っています。なお、車両費として記入した3000円は毎月実家への往復帰省代です。1万円はPASMOチャージで、残りの2000円はPASMOなどが使えない路線を使用するため現金にて支払い。
 
(4)加入保険について
加入されている保険の保障内容について教えてください。
♢本人/個人年金のみ=毎月の保険料3万円
♢本人/県民共済=毎月の保険料4000円
 
(5)ボーナスの主な使い道について
両親・叔父叔母4人へ各1万円で合計4万円×2回。自分へのお小遣い3万円(ここから年間の洋服代が出ています)×2回。他は貯金

(6)お勤め先について
退職金は12カ月勤務であれば10万円程度。
 
(7)年金について
最新データはすでにシュレッダーかけており、過去のデータを探したところ平成24年度時点での受給金額は年額41万8100円。受給開始年齢は不明です。
個人年金については以下。
※A生命…毎月1万円支払い。65歳から5年間、毎年85万5400円受け取り
※B生命…毎月2万円支払い。60歳から10年間、毎年85万1100円受け取り
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 家を建てるなら、すぐに家の設計を進め、住宅ローンの申し込みを
アドバイス2 転職後も現在と同程度の収入であれば、まったく問題なし
アドバイス3 落ち着いたら、iDeCoを活用して、資産運用の勉強もして
 

アドバイス1 家を建てるなら、すぐに家の設計を進め、住宅ローンの申し込みを

雪乃さんがご実家の敷地に家を建てられる理由がわかりませんが、ご事情があってのことでしょう。もしそれが、決定事項であれば、住宅ローンの申し込みは、すぐにされておいたほうがいいでしょう。来年3月に転職されるとのことですが、そうなるとローンの審査が通らない可能性があります、収入は問題ないと思いますが、勤続年数が短いと職務経歴書を求められたりします。ただ、転職したばかりでは、それも難しいかもしれません。現在の職場にいる間に、申し込みをするのがベターです。
 
また、ローンの審査には、建築物の設計図書や建築確認書などの書類も必要になりますので、今から準備しておかれたほうがいいと思います。文面からすると、本当は家が完成するまで、転職を待たれたほうがいいようにも思いますが、転職時期も決まっているのであれば、住宅ローンの審査、家の設計など早めに行動に移してくださいね。
 

アドバイス2 転職後も現在と同程度の収入であれば、まったく問題なし

まず、600万円の家を建てることで、今後、雪乃さんの家計、貯蓄がどうなっていくのか、試算してみましょう。
 
現在の貯蓄が106万円ですので、頭金には使わず、600万円全額、住宅ローンを借りることになります。返済期間20年(完済は63歳)、金利1.3%、固定金利で試算すると、毎月の返済額は約2万8000円です。引っ越し後、車を購入されるので、マイカーローンなど使うことになっても、1万円程度で済む購入価格に納められれば、ローンは合計で3万8000円となり、現在の住居費とほぼ同じですみます。
 
今後も貯蓄をしていくためには、雪乃さんの場合、家計で削減できる項目があまりないので、ローン返済額は、現在の住居費と同程度で収めてほしいと思います。
 
家を建築するとなると、当面は、引っ越し代、家具家電の買い換えなど、さまざまな出費がかさみ、1年ぐらいは、思うように貯蓄ができないと思いますが、それでもいいと思います。
 
転職後も今と同程度の収入が得られれば、毎月3万5000円、ボーナスで40万円、年間約80万円の貯蓄ができますから、60歳までの16年間で約1280万円貯めることができます。さらに、雪乃さんは、個人年金保険から、合計約1280万円受け取れ、公的年金も現在の予想額より増えますから、60歳以降の生活に困ることはないといえるでしょう。
 

アドバイス3 落ち着いたら、iDeCoを活用して、資産運用の勉強もして

現在でも、年間80万円の貯蓄ができるはずですが、何らかの理由で貯めては取り崩しを繰り返し、なかなか増えない状況が続いているようですね。
 
原因を自覚されているのかわかりませんが、文面を拝見すると、ご両親だけではなく、ご親戚にもプレゼントしたり、お小遣いを渡したりと、雪乃さんのやさしさが伝わってきます。上限を決めてはいるようですが、何かあれば助けたり、お金を工面されたりされているのでしょうか。大切な気持ちではありますが、毎月の生活費、保険の入り方に無駄はありませんし、ボーナスを旅行やご自身の楽しみに使われていないようで、とても心配です。
 
年間80万円の貯蓄が守れそうであれば、それ以外は、ご自分の楽しみのために、ボーナスを使ってほしいと思います。
 
もうひとつ、貯めては取り崩す、ということであれば、貯蓄の半分はiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用するといいでしょう。運用中の利益は非課税、掛金は全額所得控除でき、受け取り時も税の優遇があります。引き出しは、原則60歳以降ではないとできませんので、老後資金として、お金を残すことができます。
 
掛金を全額所得控除できるので、所得税・住民税の軽減にもつながります。雪乃さんの場合、住宅ローンを借りても、住宅ローン控除を利用できない可能性があるので(床面積50平米以上の条件があり、1LDKの広さ次第)、公的な制度で利用できるものは利用して、有利な資産運用をしてはいかがでしょうか? 預金はネット銀行を利用しているのは、GOODです。あとは、iDeCoの活用ができれば、それで十分です。ほかの投資商品に手を出す必要はありません。
 
家の新築、転職などが重なります。どうかストレスを溜めないよう、ときどき息抜きしてくださいね。がんばって。
 

相談者「佐々木雪乃」さんから寄せられた感想

深野先生の診断で、生活費において無駄がない事が分かり、とても安心しました。また、言われて初めて気付いたのですが、老後のために貯金しなくては…!と思い自分自身の楽しみを作る事を全く考えていませんでした。先生からご指摘頂いたように、実家の簡単なリフォームなどに貯金を崩してましたが、ある程度の線引きが必要な事を自覚させて頂く良い機会になったと思いますし、先生の…がんばって下さい。の一言に涙が出てきました。金銭面だけでなく、相談者の心情にまで配慮して下さり、診断を依頼して良かった!と思いました。アドバイス頂いた事を実践しようと思い、早速本日ローン審査を申し込みました!iDeCoについてもググりながら、いくつか資料請求もしましたので、今のうちに勉強をしていきます。相談者への親身な対応とお言葉に本当に感謝致します。私の相談を取り上げて下さり、本当にありがとうございました。


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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