金融トラブルに遭わないためにも必要
金融リテラシーとは、お金の知識力や判断力のことを指します。その金融リテラシーが高いか低いかは、生きていくうえであまり関係ないと思うかもしれませんが、実は金融リテラシーを高めることは重要なことなのです。なぜでしょうか。筆者が見てきた限り、お金に関するトラブルを抱える人は、その人の金融リテラシーの低さが原因になっていることも多く、「お金の知識さえもっとあれば、トラブルを回避できたはず」というケースがほとんどです。
そこで当コラムでは、金融リテラシーの高い人の特徴を、金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査(2019年)」で探りながら、金融リテラシーの高め方について考えていきたいと思います。
高リテラシー層の特徴をチェック!
「金融リテラシー調査」では、出題された問題の正答率に対して、8割以上の人を「高リテラシー層」と定義しています。高リテラシー層の行動や考え方の特徴は以下の通りとなっています。
- 金融経済情報を見る頻度が高い
- 家計管理がしっかりしている
- 金融商品の内容を理解したうえで商品を選択している
- 損失回避傾向および横並び意識が低い
- 緊急時の備えを持っている
この結果、高リテラシー層の人は、以下のような特徴があるそうです。
- 金融トラブルが少なめ
- 消費者ローンの利用が少なめ
- 借り入れの負担感が低め
- 経済ショックへの耐性が強め
- リスク性資産への投資が多め
たとえば、高リテラシー層の行動や考え方の特徴の4番に、「損失回避傾向や横並び意識が低い」という傾向があります。これは、高リテラシー層の人は「みんなが買っているから自分も買う」あるいは「誰かが勧めてくるからその商品を買う」のではなく、「商品をしっかり比較し、自分で納得してから買う」ことにより、「金融トラブルを回避する」ことにつながっているだと言えます。
もちろん、金融商品を比較する際は、経済情報誌を読んだり、商品の研究をしたりする場合もあるでしょう。必然的に、金融の知識力は高まります。
また、高リテラシー層の人ほど「リスク性資産への投資が多め」という結果も出ています。具体的には、株式、投資信託、外貨預金等に投資している人が多いということです。意外に思った人もいるかもしれませんが、金融の知識力が高いからこそ、資産を形成するなら、増やせる可能性のほぼない「預金」ではなく、増やせる可能性の高い「投資」を選んでいるのでしょう。金融リテラシーを高めることは、お金持ちになる第一歩と言えるかもしれませんね。
金融リテラシーの高め方
さて、金融リテラシーの高い人の特徴がわかったところで、ここからは、金融リテラシーを高めるための具体的な方法をお伝えします。◆マネー誌やマネー本を読む
お金について解説している初心者向けの本などが、多数出版されています。それらの中から、自分が読みやすそうなものを選んで高めていきましょう。ちなみに、筆者がお勧めなのは、「池上彰のお金の学校」(朝日新聞出版)という本です。「分かりやすい」の一言に尽きる素晴らしい本。
◆実際に投資をはじめてみる
本で得る知識も大事ですが、それだけだと机上の空論になり兼ねません。やはり大切なのは実際にやってみること。そのために少額でいいので、投資をはじめてみるのがよいでしょう。たとえば、実際に興味のある企業の株を買ってみてもよいかもしれません。また、少額ではじめられる投資信託の積み立てや、イデコ(個人型確定拠出年金)などで徐々に慣れていくのもよいと思います。
◆FPの資格を取る
ここまでできれば、理想的です。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格は、生きていくうえで必要となる生活のお金をライフプランに照らし合わせながら幅広く習得できる資格です。ぜひチャレンジしてみてください。
自分の金融リテラシー度を測ってみよう
さいごに、自分の金融リテラシーはどれくらいあるかを知りたい人もいると思います。たとえば、金融広報中央委員会が運営する「知るぽると」というウェブサイトには「金融リテラシークイズ」が掲載されていて、質問に答える形式で自分のリテラシー度を測ることができます。そのほか、日本FP協会のウェブサイトにある「くらしに役立つマネークイズ」にチャレンジしてみると、金融の知識力を高める一助になるはずです。
どの方法もそうですが、金融リテラシーを高めるには、楽しみながら長く続けることがポイントです。
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