お金の悩みを解決!マネープランクリニック/マネープランクリニック・ラジオ番組『2020年の家計防衛』

FP深野が緊急メッセージ!新型コロナウイルスに負けない家計の守り方【動画で解説】

新型コロナウイルス感染拡大がこのまま終息しなければ、物価上昇などで家計の支出増や企業業績に影響が出て収入減少などが起きる可能性があります。「備えあれば憂いなし」な家計の守り方とは? 投資をしている人は相場が不透明なときにどう対処すればいいのかについてもFP深野康彦さんとマネーライター清水京武さんが解説します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。
※『2020年の家計防衛』を音声で聴きたい方はこちらから

【FP深野が緊急メッセージ!新型コロナウイルスに負けない家計の守り方】



新型コロナウィルス感染拡大がこのまま終息しなければ、物価上昇などで家計の支出増や企業業績に影響が出て収入減少などが起きる可能性があります。「備えあれば憂いなし」な家計の守り方とは?投資をしている人は相場が不透明なときにどう対処すればいいのかについてもFP深野康彦さんとマネーライター清水京武さんが解説します。
 

コロナウィルスが家計に与える影響は? 自分のお金をどう守る?

深野康彦さん:皆さんこんにちは。ファイナンシャルプランナーの深野康彦です。

清水さん:皆さんこんにちは。マネーライターの清水です。よろしくお願いいたします。深野先生、今回はいろいろとイレギュラーなことがあって、それについて触れたいなと思うのですが。新型コロナウイルスの件ですよね。いろいろとお金や生活の面で影響が出ていると思うのですが、家計防衛の面で深野先生から1つ2つアドバイスをいただければと思います。まず率直に、先生がお感じになっていることはありますか?

深野さん:順番からいえば収入からお話ししたほうがいいと思いますが、今回は支出のほうからお話ししようと思っています。今、マスクがないとか、誤った情報が出てティッシュペーパーやトイレットペーパーがないとか言われていますよね。

そういったことはさておき、今回の新型コロナウイルスというのはそもそも中国から来ています。 今後何が予想されるかというと、中国から生鮮食品等が入ってこない恐れがあるんです。

実際もう入ってきていない、というのも正しいかな。例えば今野菜なんかも中国産の冷凍食品は結構当たり前になってきていますよね。

あるいはファストフードでも安いものを提供できるのは、国産よりも中国産や海外産が多いからですよね。その野菜が入ってこなくなることを考えると、当然国産のものに代替することになります。国産品は少し高いじゃないですか。

清水さん:どうしても高くなりますね。
 

物価上昇や収入の減少も? 正社員のボーナスも厳しく

深野さん:さらに我々の家計だけではなくて、外食産業や冷凍食品のような、今まで家庭で使っていなかったようなところで国産のものが大量に入ってくるわけです。

それを考えると、少し生鮮食品の値上げ、意図せざる物価の上昇はもしかしたらあるかもしれません。それをまず家計という意味では注意してほしいと思います。あと今回一過性かどうかはまだ正確な判断がつきませんが、一時的にですが為替が円安に動きましたよね。一時1ドル112円台という水準までいきました。通常マーケットでリスク回避、リスクオフというと、円高になるんです。

今回は日本も感染者が多かったので、「日本は大丈夫か?」ということで一時的に円安になったわけです。今の段階では東京五輪・パラ五輪がどうなるか分かりませんが、もしそれが開催できなかったということになると、また円売りとなる可能性は、ないとは言い切れないと思います。

それを考えると、例えば日本の場合は一番典型的なのがエネルギーです。エネルギーはほぼ100%海外に依存しているじゃないですか。今景気が悪くなるだろうという前提で原油は安くなっているけれど、原油が安い部分、下落を、もしかしたら円安が相殺してしまう可能性があります。 そう考えると、どこまで統計データが反映されるかは分かりませんが、家計には意図しない物価の上昇がある可能性があるということは、押さえておくべきですね。

清水さん:そうすると1つは食料ですよね。エネルギーという生活にかなり直結しているものが結果的にコストが上がる可能性は秘めているということですね。

深野さん:絶対になるかは分かりませんが、その可能性は見ておくべきかと。あとは収入面です。正社員の人は大丈夫そうですが、非正規の方やパート・アルバイトの方は、当然働いていない時間=収入減となってしまいますから、当面収入面で厳しい状況にならざるを得ません。

清水さん:これは避けられませんね。

深野さん:では正社員は大丈夫かというと、ちょうどこれから春闘の時期じゃないですか。そうすると、今のところ春闘に影響を及ぼさないという声が聞かれますが、ここまで新型コロナウイルスの影響が拡散するとなると、私は春闘にも影響が出ざるを得ないと思います。 例えば賃上げには影響がなくても、夏のボーナスはかなり厳しいと思います。それを考えるとやはり、正社員の方でも給与は大丈夫かもしれないけれど、夏のボーナスは厳しめの数字が出るかもしれないということは、頭に入れておいたほうがいいですね。

清水さん:ボーナスというものは企業の業績に反映したものですから、正社員の方であれば給与には響かないにしても、ボーナスで結局収入減になってしまう可能性は否定できない、と。

深野さん:その通りです。家計でいえば、問題が出てくるものは「ボーナス払い」にしているものですよね。例えば住宅ローン、生命保険の年払いなどは、もしかしたら今回のボーナス以外で賄わなくてはいけない可能性があるので、月収のほうから手当てしていくということも必要です。きちんと出れば問題ないわけですから、その備えはしておいたほうがいいですね。

清水さん:ボーナス依存の家計はリスクがあるわけですが、どうしてもボーナス依存せざるを得ない家計もあるわけです。今回に限っては、そのあたりを考慮して、少しでも事前に日頃の家計から用意していくという考え方が必要だということですね。

深野さん:もう1つ考えなくてはいけないのは、依然として終息が見えていないじゃないですか。ボーナスについて夏のことをいいましたが、場合によっては新型コロナウイルスの影響が長引くと、冬のボーナスにも影響が出る可能性があるわけです。マクロ的なことをいうと、昨年の10~12月のGDPがマイナス成長になりました。 このままでいくと、1~3月もたぶんマイナスだろうといううわさです。通常2期連続マイナスというのは、景気後退、いわゆるリセッションなんです。このままいくと、もしかしたら4~6月もダメじゃないか?という声も上がり始めています。3期連続です。そうなった場合、当然冬のボーナスに影響が出てしまいますから……。 もちろん今の段階で確定とはできませんが、夏ボーナスもですが、もしかすると冬も……という意識で対応していくほうがいいと思います。

清水さん:そうすると夏、冬、それぞれボーナスが下がるリスクがあるということは、頭の片隅に置いておいたほうがいいですね。そういう中で、今も少しお話に出ましたが、どういう備えが必要なのか、もう少しお話しいただきたいと思います。

深野さん:備えという意味であれば、いつも言っていることですが家計の収支をもう一度きちんと見直すということです。あとは、例えば今株式相場が大きく下がっていますよね。銘柄でいうと魅力的な価格まで下がっているものがあるかもしれませんが、今は手持ちのお金に余裕がない人は、現預金をしっかりと確保するべきです。現預金を確保すれば対応できますから。 
 

相場が崩れても積立投資は止めないこと

清水さん:投資についてもう少し触れますと、例えば利益確定できるものがあればいったん確定して、キャッシュポジションを上げていくことがあってもいいだろう、ということですね。

深野さん:その通りです。今個人投資家ができることといえば、利益が上がっているものであれば、全部売るかどうかは別としても、一部確定しておいて様子を見るという考え方はあると思います。もう1つは、つみたてNISAやiDeCoをやっている人は、絶対に今回の下げで積立をやめてはいけないということです。

清水さん:そこがポイントですよね。

深野さん:ここのところの下げを見ているとあまりにも急なので、怖いというイメージが出てしまうと思います。特に直近で始めた人だと。ここでしっかり種をまいておけば大きく育つと考えると、それはやめてほしいと思います。

清水さん:相場が下がると積立も不安になるのですが、低額で買うということはそれだけ多く買えることを意味しているので、長い目で見ると長期投資の効果が出る可能性が高いということですね。

深野さん:先ほど言ったように、場合によっては日本はリセッション、景気後退になるかもしれないけれど、景気というのは循環しています。ここで種をまいておいて、次の景気が良くなったところで刈り取るイメージですよね。ここでしっかりと種をまいておくことが必要です。 そうはいっても一方では、まとまった現預金をお持ちの人もいらっしゃると思います。そういう場合、優良株や、今配当利回りが高くなっているので、そういうものを買ってみるのはいいチャンスではないでしょうか?

清水さん:もう少し様子を見て、少し安定してきたり、上がり基調になってから買っても遅くはないですよね。

深野さん:遅くはないです。基本的には大底で買うというのは難しいです。ただし底値圏で買うという考え方であれば、今おっしゃったような話になると思います。

清水さん:家計についてはリスクも想定されますが、これをきっかけに家計を見直したり、支出を減らすような努力をしながら、現金に余裕を持たせるような、あるいは何かに備える準備をしていくような家計に振っていくことが大事ですね。

深野さん:まさに今、いわゆる「備えあれば憂いなし」という状況のような気がします。

清水さん:大変な方も多いと思いますが、これを家計やマネープランを見直す良いチャンスにしてもらえればと思います。ありがとうございました。


教えてくれたのは……
●深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックのアドバイスでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など




●清水 京武さん
 
 

 


All About「マネープラン・節約」ガイド。25年にわたって1000組以上の家計診断のページづくりに携わってきたマネーライター。貯められない人でも無理なく続けられる家計管理やマネープランの作り方を解説しマネープランクリニックの原稿を担当。著書に『知らないと損をする!国の制度をトコトン使う本』『定年一年生の教科書 一生使える!生活見直し術』など




 
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