31歳からの恋愛相談室:今回の回答者は深爪さん
「31歳からの恋愛相談室」今回の回答者は、深爪さんです
■深爪さんプロフィール
今回の回答者:深爪さん
コラムニスト/主婦。2012年11月にツイッターにアカウントを開設。独特な視点から繰り出すツイートが共感を呼び、またたく間にフォロワーが増え、その数18万人超(2020年2月現在)。主婦業のかたわら、執筆活動をしている。『深爪式 声に出して読めない53の話』『深爪流 役に立ちそうで立たない少し役に立つ話』『立て板に泥水』他著書多数。芸能、ドラマ、人生、恋愛、エロと、執筆ジャンルは多様。
twitter:@fukazume_taro
オンラインサロン:https://lounge.dmm.com/detail/1448/
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お悩み:今はラブラブだからこそ、いつか倦怠期が来るのではと不安になります
お悩み:今はラブラブだからこそ、いつか倦怠期が来るのではと不安になります
付き合って約1年になる彼氏がいます。好意や感謝をしっかり言葉にして伝えてくれるし、私の仕事に理解があるし、食べ物やお酒の好みも合うし、私にとっては120点の彼氏だと思います。
実は32年間生きてきて、こんなふうにしっくりくる付き合いは初めてです。それまでは、付き合って半年も経てば喧嘩が増えたり、セックスレスになったりしていました。それが今の彼とは、喧嘩もなく、セックスレスになる予感もありません。
とても贅沢な悩みだとはわかっているのですが、幸せだからこそ、最近は「こんなに素敵な人だから、いつかもっと素敵な女性の元へいってしまうのではないか」「もう半年もしたら、私とのセックスに飽きてしまうのではないか」という不安に悩まされています。
最近は、結婚の話もするようになりました。でも、まだ付き合いたての浮かれ気分が抜けていない2人なのに、勢いだけで結婚してしまっていいのだろうか……という思いがあり、イマイチ積極的になれません。うじうじ悩みがちな私に、活をいれていただけると嬉しいです。
最悪シナリオを予測=ネガティブ人間によくあること
最悪シナリオを予測=ネガティブ人間によくあること
私も、あまりに嬉しいことがあると「こんなにいいことは長くは続かない」「この後、きっと地獄みたいなことが起こるはず」などと、なんの根拠もないのに不安になるタイプです。これは“ネガティブ人間”特有の思考パターンだと思っています。
この手のタイプは、「過去」のトラウマや未来の不安に囚われて「現在」を楽しむ余裕がなくなりがちです。
きなこさんにも過去に男に裏切られた手痛いトラウマがあるのではないでしょうか。そのせいで、彼と楽しい時間を過ごしていても「この幸せは永遠に続くものではない」とふと我に返ってしまうことがあるのでは?
また今、きなこさんが抱えているモヤモヤは、幸せをいつか失うのではないかという不安もさることながら、120点の大好きな彼さえ信用しきれない自分自身に嫌気がさしているせいかもしれません。
「〇〇になったらどうしよう」には、前もって対策を
先に述べた通り、「〇〇になったらどうしよう」と悪い予測を立てるのはネガティブ人間あるあるです。私は、パニック発作持ちなのですが、まさにこの思考パターンで実際に発作が起きてしまいます。「また発作が起きたらどうしよう」と考えているうちに、本当に気分が悪くなってしまうのです。健康な人から見ればバカげた思考回路ですが、そういう考えに囚われている人にはもうどうにもすることができません。
だから、最近では「発作が起きたらどうしよう」ではなく、「発作が起きたらこうしよう」と前もって対策を立てることにしています。
私は、電車が緊急停止すると発作を起こしてしまいます。閉じ込められて、いつ出られるかわからない状態に陥ると過呼吸を起こして倒れそうになってしまうのです。
なので、電車に乗るときには先頭もしくは最後尾の車両に乗るようにしました。そうすれば、電車が緊急停車してもすぐに運転手さんや車掌さんと話ができるし、たとえ気分が悪くなっても対応してもらえるという安心感を持って電車を利用することができるからです。
おかげで近ごろは発作を起こすこともなくなりました。
同様に、「もっと素敵な女性のところに行ってしまったらどうしよう」「自分とのセックスに飽きてしまったらどうしよう」で思考停止するのではなく、もしもっと素敵な女性のところに行ってしまったら「他の女に行く=浮気するようなクズ、に成り下がるのだから別れて正解」と考える、セックスに飽きたとき用に道具を駆使した新たなプレイ案を考える、など前もって対策を練っておいたらいかがでしょうか。「保険」があるだけで、だいぶ気が楽になるものです。
むしろ「勢いだけで結婚」して正解!
「勢いだけで結婚してもいいのだろうか」については、むしろ「勢いだけで結婚してください」と申し上げたい。きなこさんが10代なら「おいおい、ちょっとそこに座りなさい」と説教のひとつもはじめるところですが、分別のある32歳ならこれはもう勢いでOKです。
正直、メリットやデメリットなどいろいろ考えはじめたら結婚なんてできなくなります。頭がお花畑になっているうちに「ヒャッハー!結婚したらいつでもヤリ放題やで~!」といったノリで役所に走るべし。
夫婦にとって大切なのは、2人の間に尊敬の念があること
「いつか冷めるのが怖い」とタイトルにありますが、どんなに仲がよくても男女の関係性はいずれ変わっていきます。今のようにラブラブな状態もいいですが、果たしてそれがカップルとして最高の状態なのかは疑問です。情熱はなくなっても親友のような関係になることだってできます。
きなこさんは相手が変わってしまうことを危惧されているようですが、きなこさん自身が変わってしまう可能性もあります。恋愛関係はだんだんと変わりゆくものだと思っています。私はそれを「冷める」ではなく、「成熟に向かう」と解釈しています。
たとえば「セックスレス夫婦」と聞くと冷めきった仲のように思われがちですが、互いがそれに合意していて円満な生活を送っていれば何の問題もありません。むしろ、昼夜を問わず性器の出し入れをしていたときよりも、精神的なつながりが深まったとも考えられます。
いちばん大切なのは、2人の間に尊敬の念があることです。私は「男女の関係は愛情がなくなっても維持できるが、尊敬の念がなくなったら終わり」と考えています。
だから、いわゆる“ラブラブな状態”ではなくなっても、互いが尊敬できる関係ならきっと大丈夫。
私も夫とは1日に10分会話があればマシ、というなラブラブとは程遠い状態ですが、私は夫を尊敬しているし、彼も私を尊重してくれているので関係は良好です。この関係を保つためにも、どんなに心に余裕がないときでも「ありがとう」と「ごめんなさい」は言葉にして伝えるように心がけています。
あまりラブラブではなくなってきたな、と感じ始めたら、とにかく相手に対して自分がいかに尊敬しているかを伝えてみてください。きっと関係はより深まり、「冷めてしまったらどうしよう」という不安は消えていくと思いますよ。
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