本記事はマネープランクリニックの音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。

2019年10月から始まった消費増税やジワジワと物価が上がっているという報道に加えて、2020年4月からの「働き方改革」のことなど、収入も支出も受難の時代。マネープランクリニックに寄せられたお金の悩み相談をもとに、これから普通の人が自分のお金を守る方法について解説いたします。第3回のテーマは「もっとお金が貯まる保険の見直し方」です。
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●バックナンバー
★第1回「働き方改革で減る収入と隠れ値上げに注意」
★第2回「家計管理や支出で陥りやすいワナに注意!」

【もっとお金が貯まる!保険の見直し方】



 

保険料が負担になっている人が多い? もったいない入り方をしてるケースとは?

深野康彦さん:皆さんこんにちは。ファイナンシャルプランナーの深野康彦です。

清水京武さん:皆さんこんにちは。ライターの清水です。深野先生よろしくお願いいたします。住宅ローンともう一つ、家計の見直しという観点から、保険料が家計の負担になっているっていうご家庭が多いですね。保険の見直しの余地について、どう考えますか?

深野さん:保険の見直しの余地、ということになると、ちょっともったいない入り方をしてるケースが多いのかなっていう気がします。まず保険っていうのは……「保障」と考えてもらった方がいいかな。私自身は「必要な時期に必要な保障を得る」のが保険の役割だと思っているんですよ。例え話でいうと、私はよく、車の保険の話をするんです。車を運転する場合って、当然ながら任意保険に入るじゃないですか。でも、車を運転しないと任意保険には入らない。これは必要じゃないからですよね。だから、生命保険についても、そう考えてもらった方がいいと思うんです。足元、低金利っていうより、超が付く超低金利で、これが十数年近く続いている。低金利だから保険にも残念ながら「貯蓄効果」ってないじゃないですか。

清水さん:その割には皆さん保険に「貯蓄性」を期待しますよね。
 

外貨建て保険で子どもの教育費を備える場合の注意点とは?

深野さん:貯蓄効果を期待されるのもいいけども、意外と中途半端な金額です。『これ続けていたら、どれぐらいのメリットがあるの?』という金額のケースも結構あるじゃないですか。そして今はやっぱり金利が低くなっちゃってる、特に日本円の保険ですよね。っていう形になると、外貨建て保険に入っている人も多いじゃないですか。

清水さん:外貨建て保険、人気ありますね。

深野さん:人気ありますよね。今先進諸国であればね、アメリカの金利が高くて、ドルなら大丈夫だろうって思って入られてる方が多いと思うんですけれども、外貨建て保険で子どもの教育費を備えるケースが多いじゃないですか。確かに子どもの教育費っていうのは、いわゆるデフレ経済から教育費が上がって、物価上昇に備えるっていう意味では選択肢として悪くはないはずなんですね。あくまで物価上昇に対応するというイメージ。但し一方で考えなければいけないのは、やっぱり子どもの教育費っていうのは、子どもさんがいれば必ず「いつ必要になるか」が分かるわけです。

清水さん:必要な時期が決まってるんですよね。

深野さん:その通りですよね。その時に為替が円安になってたりとか、良い状態にあるとは限らないじゃないですか。それ考えると基本的には教育費のベースになるのは、金利が低くたって、預金であったり、例えば学資保険も、まだ解約返戻金、返戻率が100%超えるものがあるから、そういうものをベースに教育費を作ったうえで、外貨建て保険を乗っけるんだったらまだいいじゃないですか。でもそういうのもなく、為替レートに子どもの教育費を託してみます、的な人が多いじゃないですか。あれはちょっと、いかがなものかなっていう気がするんですよね。

清水さん:そうですよね。児童手当をきっちり現金で貯めていくとか、そういう方向に切り替えた方が教育費についてはいいだろうっていうことになりますよね。

深野さん:特にベースな部分は児童手当をきちっと貯めていけば、高校までに約200万円弱は貯まるわけです。200万円貯めて、それからどうするという話ですよね。確かに、保険でもそれぐらい貯められますが、保険は見えないコストがいっぱいかかってる。そのコスト部分を考えたらそんなにいいと思えないですよね。

清水さん:学資保険はいいとして、外貨建て保険だとか、それから貯蓄性のある保険だからといって保険料の高い終身保険に入って、すごく家計が負担になってるみたいな。
 

老後に備えるために目先の生活が苦しくなってしまうケース

深野さん:多いですね。あと保険の場合っていうのは基本的に流動性がないじゃないですか。保障も得られながら貯蓄もっていう一石二鳥っていうのが昔の時代は確かにあったかもしれないですけど、今は無理ですよね。そうすると、それこそ子どもの教育費とかね、例えば、今でも終身保険を途中で解約してという相談が多いじゃないですか。あの場合だと、保障を取るか、子どもの教育費を取るかっていう究極の選択になっちゃう。本当はあり得ないですよね。保障と貯蓄っていうのは、分けておいた方がいい。終身保険なんかも中途半端に200万~300万円ぐらい入っててね、これは何を意味するのかなっていう感じがありますよね。

清水さん:本人は老後資金の足しとか考えてるかもしれないですけど、老後ってすごく先の話じゃないですか。それなのにそのために目先が苦しい、目の前が苦しいっていうことになってしまいます。

深野さん:特にその老後の話なんですが、お金の準備って通常近い将来の出来事、ライフイベントに対して準備していくのが本来じゃないですか。老後の準備しちゃいけないっていうわけじゃないですけども、今我慢して、一番遠い将来の出来事を最優先にしてしまって資金の順番が逆です。その辺りっていうのも考えていただきたいなと思います。保険に入ってれば確かに安心な部分ってあると思うんですよ。

清水さん:安心料ですね。

深野さん:でも安心料にしては高いですよね。逆に言うと、払える人ってめちゃめちゃ払っちゃってるじゃないですか。『それ払うよりも貯蓄しておいた方がいいんじゃない?』とかね、資産運用に回しておいた方がいいっていうこともあるじゃないですか。そういうことが考えられないことを考えると、確かに保険の見直しっていうのは、過去何度もブームになってるけれども、マネープランクリニックから見えてくることは、酷な言い方をすれば無意味な保険に加入されちゃってるっていう人がここ最近目立つなって気がするんですよね。

清水さん:そうですよね。深野先生が最初に言われたように保険は必要な時に必要な額だけを掛けるもので、それと貯蓄は切り離して今は考えていくことが、家計を見直す一つのポイントなんだろうなというところになりますよね。

深野さん:その辺りを見ると月々1~2万ぐらい貯蓄額が増える人結構多いじゃないですか。実際の場面でも。

清水さん:ほんと多いですよね。

深野さん:その部分をいかにですね、ムダと言ったら言い過ぎなのかもしれないけれども、でも見直しの余地は十分あるっていうことですよね。

清水さん:保険は本当に必要な額だけを掛けるっていうことで見直してみたらいかがかと思います。

★第4回に続きます、後日配信予定
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