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2019年の投資信託の騰落率ベスト10!トップは基準価額が約2倍となる好成績

2019年は2018年と打って変わり世界同時株高の1年となりました。主要国の株価指数は軒並み二桁の上昇となったのですから、投資信託の運用成績も好成績だったはずです。2019年の1年間、どんな投資信託が好成績だったのか見ていくことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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レバレッジを活用した投資信託が上位を占める

2019年は2018年と打って変わり世界同時株高の1年となりました。主要国の株価指数は軒並み二桁の上昇となったのですから、投資信託の運用成績も好成績だったはずです。2019年の1年間、どんな投資信託が好成績だったのか見ていくことにしましょう。
 
2019年の年間騰落率ベスト10

2019年の年間騰落率ベスト10



純資産総額が10億円以上、DC(確定拠出年金)やSMA専用商品、ETF等を除く年間騰落率1位の投資信託は、楽天投信投資顧問が運用する「楽天日本株4.3倍ブル」です。年間騰落率は94.4%ですから、1年間で投資資金は約2倍になったことになります。2位のSBIアセットマネジメントが運用する「SBI日本株4.3ブル」の年間騰落率が94.29%ですから、その差はわずか0.11%でした。

運用成績トップ、2位の投資信託ともに「ブル・ベア型ファンド」と呼ばれる相場(株価指数)の方向性にかける商品です。日本株であれば、これから日経平均株価が上昇すると思えば「ブル型」、反対に下がると思えば「ベア型」に投資します。投資家が予想した方向に日経平均株価が動くと利益が上がる仕組みの投資信託です。2つの投資信託は、レバレッジを4.3倍かけていることから、日経平均株が前日の終値と比較して1%上昇すると投資信託の基準価額は概ね4.3%上昇、反対に1%下落すると基準価額は概ね4.3%下落する仕組みで運用が行われています。

図表にあるように2019年の日経平均株価の年間騰落率は18.19%なので、単純に4.3倍すると78.21%にしかなりません。それなのに2つの投資信託の年間騰落率は94%強と、単純に計算したものより約16%も騰落率は高くなっています。なぜレバレッジの4.3倍を超えた騰落率になっているのかといえば、ブル・ベア型の投資信託は単純に昨年末から当年末の1年間の騰落率を反映するのではなく、日々の値動きを反映して基準価額は動く仕組みになっているからです。このため短期ではレバレッジに近い動きになりますが、運用期間が長くなればなるほどレバレッジをかけた数値と乖離が発生してしまうことになるのです。

3位の大和証券投資信託委託が運用する「iFreeレバレッジNASDAQ100」は、日々の基準価額が米国のNASDAQ100指数(米ドルベース)の値動きの2倍程度を目指す投資信託。4位の楽天投信投資顧問が運用する「楽天日本株トリプル・ブル」、5位の大和証券投資信託委託が運用する「ブル3倍日本株ポートフォリオV」は、ともに日々の基準価額が日経平均株価の3倍の値動きを目指す投資信託です。
 

ハイテク株に投資するテーマ型が好調

2019年の年間騰落率の上位5本までがレバレッジを活用したブル・ベア型の投資信託でした。6位以下になってやっとブル・ベア型以外の投資信託がランクインしています。全体では6位ですが、ブル・ベア型ファンドを除くと実質1位は、フィデリティ投信が運用する「(フィデリティ・セレクト・ファンド)テクノロジー」になり、年間騰落率は58.03%になります。

 
ブル・ベア型を除く2019年の年間騰落率ベスト10

ブル・ベア型を除く2019年の年間騰落率ベスト10



同投資信託は、主に日本のテクノロジー関連企業の株式を投資対象として運用されています。2019年11月末の月次レポートによれば、組入上位にはキーエンス、村田製作所、東京エレクトロンなとが並んでいます。組入上位10銘柄だけで資産全体の6割を配分していることから、やや集中投資が行われている投資信託といえるでしょう。

ハイテク株に投資するテーマ型ファンドを除くと、中国株を投資対象とするファンドの好成績が目立ちます。ブル・ベア型ファンドを除いた騰落率ランキングでも、好成績ファンドはハイテク株に投資するテーマ型、中国株を投資対象とするものが好成績の中心となっています。

そんな中、10位にランクインしたのが独立系の運用会社であるコモンズ投信が運用する「ザ・2020ビジョン」です。これまで独立系の運用会社の好成績ファンドといえば、レオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみ投信」と「ひふみプラス」が有名でしたが、新たな好成績ファンドとして注目したい1本といえるかもしれません。今後も好成績が継続するのか興味はつきません。

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