子ども2人も軽度ではありますが、発達障害の診断を受けています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫がうつ病で働くのが難しいため、今後の保険や投資について相談したいという43歳の会社員女性です。子ども2人の教育費も心配だといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

★マネープランクリニック編集部では貯蓄達人からのメッセージを募集中です★

マネープランクリニックのネットラジオ番組『2020年の家計防衛』を始めました!
ぜひご視聴ください!

 
保険と投資、教育費について相談したい

保険と投資、教育費について相談したい




■相談者
さくらしのさん(仮名)
女性/会社員/43歳
借家
 
■家族構成
夫 (42歳)、子ども2人(13歳、10歳)
 
■相談内容(原文まま)  
保険と投資のことで相談です。私(妻)が正社員フルタイムで、定年63歳、その後、嘱託として希望すれば70歳まで働ける職場です。昇給はあまりありませんが、家族手当や職種の手当があります。嘱託になれば給料は時給になり、かなり減ると思います。

夫は発達障害と二次障害のうつで、精神障害保健福祉手帳2級を所持しており、仕事はできません。家事は多少します。障害基礎年金2級、子ども加算2人分がついて月約10万円支給されています。2人の子どもが18歳になれば、その都度、加算は減額されるので、最終的には月6万円程度になります。子ども2人も軽度ではありますが、発達障害の診断を受けており、なにかと手がかかります。公立小学校、中学校にそれぞれ通っています。自宅は借家ですが身内からで、家賃というより固定資産税と管理費として支払い。あと、夫の趣味の物が大量にあって、倉庫がわりに屋根シャッター付き駐車場を年間21万円で借りています。マイカーはなく、移動は自転車か電車で、年に1~2回ほど夫の田舎へ帰省する時は、夜行バスか飛行機です。
 
現在、保険は私以外の3人が共済の月1000円程度で、保障も気持ち程度のものに加入しています。私の収入保障保険は60歳まで月15万円の保障。生命保険(死亡保障のみ)は終身保険に加入しています。私や夫人万一の場合、いわゆるモデル家族と全然違うので、互いに遺族年金を受け取れるのか、どうなるのかよくわかっておらず、このような保険の加入状況でよいのか不安があります。医療費は、夫は自立支援で精神科通院に関しては、月額5000円の上限までの負担ですみます。私と子どもたちは、子どもが18歳になるまではひとり親世帯として認定されている予定で、医療費はかかっても月に1000円までです。

食費が高いのはお酒を飲むからで、食費を減らすことはあまり考えていません。そのかわり、美容や服飾費はほとんど使っていません。家族の散髪は私がして、私も年に1回だけ美容室に行きます。衣類は子どもたちがサイズアウトしたら購入しますが、季節の変わり目に購入するくらいです。

学費は中学校までは公立で、高校以降は障害もあって公立では難しいかと思い、希望すれば私立に行かせる必要があるかと思っています。合わない学校に無理に行って、夫のようにうつになる事だけは避けたいです。私立高校や大学の無償化は、どの程度恩恵を受けられるのかもまだ確認しておりません。

現状、2000万円以上の預金がありますが、今後教育費で物入りになったり、子どもたちが18歳以上になれば国からの補助もなくなり、費用が増えたりするので、今からできる範囲で投資もしていったほうがいいかなと思っています。

初心者で時間もあまり割けないので、つみたてNISAを始めることと、長いスパンで国内株式の売買をしてみることを考えています。どの程度まで資金として考えてよいのか? イデコは利用可能か会社に確認できていませんが、できるとしたらイデコの方がいいのか? というのも気になっています。

特殊なケースで他の方の参考にならないと思いますが、私も他の方の相談を読んでもどうしていいかわからない面もあるので。お答えいただけたらありがたいです。よろしくお願いします。
 
■家計収支データ
相談者「さくらしの」さんの家計収支データ

相談者「さくらしの」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)収支について
大雑把にしか把握していないのですが、貯蓄が毎年約100万円増えているので、8万円/月の貯蓄としていました。なので、差額は使っています。夫のクレジットカード使用をあまり管理していないので、夫の小遣いとして使っていると考えて、家族の小遣いとしました。住宅費(4万2000円)は、固定資産税と管理費を合わせたお金と、年間の駐車場代を12分割した金額になります。
 
(2)住居費について
環境が変わるのを夫が嫌がるので、引っ越しは考えていません。現在の住居をそのまま相続する可能性が高いです。その他に、実家の土地建物もありますが、兄弟もいるのでどう相続するかは未定です。実家は駅近くの3階建てで、現在、1階を貸しているので、もし、相続して相続税を払う事になっても、1階の賃料でプラスになるのではと思います。
 
(3)加入保険について
♢夫・子ども2人/共済(病気死亡・重度障害10万円、事故死亡・重度障害60万円、病気入院2000円/日)=毎月の保険料1000円×3 =3000円
♢本人/収入保障保険(60歳まで月15万円保障)=4万3000円/年
♢本人/生命保険(終身、死亡保障のみ)=4万5000円/年
 
(4)教育費について
児童手当は、習い事に使っています。追加した児童扶養手当を貯めています。どちらも高校から私立で、近隣の私大への通学の予定で考えています。第二子は状況によって高専から就職、もしくは大学への編入も考えるかもしれません。
 
(5)ボーナスの主な使い道について
ボーナスは帰省で年15万円を使用します。必ずしも使い道を決めていませんが、今年は私の通勤に使う電動自転車購入(10万円)、iPad新調予定(7万円)、あとは貯金になります。 
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 頑張りすぎず、現状をキープする。教育費も問題なし
アドバイス2 保険や年金も大事だが、地域でのサポート内容の確認を
アドバイス3 楽しみながらできるなら、つみたてNISAや株主優待で投資
 

アドバイス1 頑張りすぎず、現状をキープする。教育費も問題なし

さくらしのさんのご家庭のご事情を考えると、これ以上、さくらしのさんが頑張りすぎないことが一番大事です。今の生活環境を変えずに現状キープしていけば、この先、金銭的に困ることはないでしょう。
 
すでに、2000万円以上の金融資産をお持ちです。これに、さくらしのさんが63歳定年までに、どのくらい貯蓄できるか、その中から教育費の負担はどうなるかを見てみましょう。
 
現在、年間で100万円の貯蓄ができています。障害年金が5年後、8年後にお子さんの加算分が減額されますが、それまでは、年間100万円の貯蓄が継続できれば、800万円の上積みができます。8年後には、収入が30万円に減ってしまいますが、ボーナスからの貯蓄がありますし、子どもの習い事代、教育費をいったん、家計から外して計算すると、毎月5万円程度の貯蓄は継続できるでしょう。年間60万円で、さくらしのさんが定年退職するまでの12年間(今から8年後は51歳)で、720万円が貯められます。
 
ここまでの金融資産の合計は、現在ある2150万円、8年後までに貯められる800万円、その後の12年で貯められる720万円を合計すると、3670万円になります。
 
この間、お子さん2人の教育費として、私立高校で1人400万円、大学で500万円として、2人で約2000万円かかることになります。貯められる金融資産から差し引いても、さくらしのさんの定年退職時には1600万円程度は残ることになります。
 
教育費については、所得制限はありますが、高校の就学支援金制度、大学の無償化の恩恵を受けることができると思いますので、想定する教育費よりも抑えることができるでしょう。当面、第一子の高校進学にあたっては、学校から案内があるとは思いますが、自治体などでも確認し、就学支援金制度の支給が受けられるようにしてください。
 
もちろん教育費はその都度、出ていきますが、老後を心配することなく、金融資産を残すことができるでしょう。ですから、まずは、経済的な不安はありませんから、さくらしのさんの健康を第一に、頑張りすぎないようにしてください。
 

アドバイス2 保険や年金も大事だが、地域でのサポート内容の確認を

保険や年金を心配なさるのはわかります。確かに、さくらしのさんに万一のことがあった場合、ご家族の生活は支えがなくなってしまいます。しかしながら、保険に関しては、現状のままでいいのですが、お子さんには医療費助成がありますから、お子さんの共済は止めても問題ないでしょう。収入保障保険が60歳まであります。60歳以降の保障がなくなっても、そのころには、お子さん2人は成人されています。
 
年金については、万一、ご主人に何かあった場合は、お子さんが18歳になるまでは遺族基礎年金、もしも以前、厚生年金に加入していれば、相応の遺族厚生年金が受け取れます。さくらしのさんに万一の時は、遺族厚生年金が支払われます。どちらかに何かあった場合でも、収入がゼロになることはありません。現状でも2000万円以上の金融資産がありますから、金銭的な心配を過剰にすることはないでしょう。
 
ただ、気がかりなのは、生活の質の低下です。さくらしのさんに万一のことがあった場合、ご家族の生活を整えていくことが難しくなるでしょう。そうしたとき、親戚も含め、周囲のサポートは得られるのかを確認し、地域の支援内容や公的サービスの中身など、調べておくことが、安心につながるのではありませんか? 忙しいとは思いますが、時間をみつけて、確認だけでもしておくようにしてください。
 

アドバイス3 楽しみながらできるなら、つみたてNISAや株主優待で投資

最後に、投資に関してです。ご自身で書かれているように、今後、お子さんの教育費がかかってきます。できれば、現預金を手元に置いておいてほしいと思いますが、どうしてもということであれば、「つみたてNISA」がいいでしょう。
 
「iDeCo」は、原則60歳まで払い出すことができません。老後資金としてはいいのですが、それまでに物入りがあったときに、現金化できないのがネックとなります。その点、「つみたてNISA」は引き出しが自由なので、さくらしのさんには向いているでしょう。株式投資については、資産の1割、200万円を上限に、株主優待銘柄や高配当銘柄など、楽しみながらできる投資であればいいのですが、日々の株価の変動が気になってしまうようなら、余計なストレスを抱えることにもなります。あくまでも、楽しんでできるなら、という程度にとどめてください。
 
最初にご相談内容を拝見したときに、さくらしのさんの頑張りに、頭が下がる思いでした。冒頭にも書きましたが、さくらしのさんの健康が第一です。無理はせず、ご家族が健やかに暮らせることを願っています。
 

相談者「さくらしの」さんから寄せられた感想

今回、私に何かあればどうなるのかというのが一番心配で相談させていただきましたが、具体的に今後の収入と支出の予定が確認でき、今の状態で大きな心配がないこと、年金もそれぞれに支給されることをご説明いただいて気持ちに余裕ができました。アドバイスいただいたように私自身が体調に気をつけて、今の貯蓄ペースを落とさず、投資も決まった範囲で楽しみとして行っていこうと思います。いずれ親の介護問題も出てくるかと思いますが、その時はまた相談させて下さい。優しいお言葉までいただき、本当にありがとうございました。


教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など


取材・文/伊藤加奈子


マネープランクリニックのネットラジオ番組『2020年の家計防衛』を始めました!
ぜひご視聴ください!


【関連記事をチェック】
46歳パート。娘と孫と3人暮らし。娘は病気で貯蓄ゼロ。お金を貯めたい
41歳貯金100万円。産後うつで10年間療養、夫は家計には無関心
47歳、貯金1600万円。夫がうつ病で共倒れになりそう
41歳会社員、貯蓄40万円。持病を8つ抱え将来が不安に
43歳で4200万円の貯蓄達人は何をしてる?「当たり前のことを当たり前に続けただけ」
43歳貯金50万円。子どもの進学が迫っていますが、教育資金が足りない
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。