どうする? 2020年の電子マネー選び
電子マネーとどう付き合うかは、いつも難しい問題のひとつです。すでに設定した人は、「そのまま」使い続けるという選択肢もありますが、新しい電子マネーとどう付き合っていくか、またサービスが変化したときどう見直していくか、情報のキャッチアップが必要になります。今回は「電子マネー選び2020年版」ということで、最新情報を整理してみたいと思います。
2020年、気になる電子マネーの動きをチェック!
モバイルSuicaを軸に群雄割拠が続くか
ICカードを使うタイプの電子マネーが広く普及しています。Suicaを中心とした交通系カード、セブンホールディングスを中心としたnanaco、イオン系のWAON、そして楽天Edyなどです。それぞれ生活シーンに連動した電子マネーについては、2020年も使い勝手の高いものとして利用が進むと思われますし、撤退はまずないと思われます。
ところで、おサイフケータイ機能があるスマホであれば、これらをスマホに設定することもできます。Android系スマホであればFeliCaチップを搭載している場合、これが活用できます。外国製スマホの多くは未搭載でしたが、近年対応した機種が増えてきています(最近、元AKB指原さんのCMで注目を集めたOPPO社RenoAなど)。
Android系の場合、モバイルSuica、nanaco、WAON、楽天Edyが設定できます。一方でiPhoneについてはiPhone7以降、日本のおサイフケータイに対応していますが、モバイルSuicaしか使えない状態にあります。
これらを考えると、モバイルSuicaの普及に有利な状況が続くと思われます。なお、ICカードのSuicaはJR東日本の利用(切符代)で0.5%還元されますが、モバイルSuicaだと2.0%還元とかなりお得なので、2020年はモバイルSuicaに変更しておくのもよいと思います(JREポイントの会員登録が必要)。
QRコード決済はどうなる?
QRコード決済は、2018年12月のPayPayの大プロモーションで一気に普及することになりました。そして、2019年は主要コンビニがQRコード決済に対応しました。ある調査会社によれば、PayPayの利用件数がかなり多く、楽天Pay、d払い、LINEPayなどがあまり大きな差がなく続いているようです。
2020年、一番気になるのはLINEとYahoo!の統合により、LINEPayとPayPayが「QRコード決済のビッグワン」になるかどうかです。
理屈としては統合をやらない理由がないですし、IT企業のスピード感は早いので、2020年にサービス統合が発表されても何もおかしいことはありません。もしひとつのQRコードになれば、「QRコード決済はこれで決まり」といえる時代がやってくるかもしれません。
一方で、「QRコードで」と一言いえば、たくさんあるQRコード決済の種類は、自動で機械が見分けてくれる「統一QRコード」のような仕組みも検討されています。
QRコードは「たくさんあってよくわからない」「たくさんあるからお店に伝えることが面倒(伝えてわかってもらえないのはストレス)」という問題がありました。しかし、「QR」と伝えるだけでよくなれば、シェアは低いQRコード決済でも気にせず使えて便利になります。できれば早期の対応に期待したいところです。
だとすると、2020年のQRコード決済については、「ポイント還元の高いもの」をキャンペーンに応じて使っていきながら、様子を見守っていく感じになると思います。
店舗限定電子マネーもまだまだありうる
アメリカでトップの電子マネーは最近まで、「スターバックスカード」だったそうです。店舗限定の電子マネーも、実は広く普及しています。使えるお店が限定になるとはいえ、ポイントで割引が付くなどお得な要素もあるため、こうした電子マネーもまだまだ生き残っていくことになりそうです。
スターバックスに限らず、タリーズコーヒー、上島珈琲店、ドトールコーヒーなど、それぞれのカードにチャージして利用するとポイントが付いたり、割引されたりします。これらはアプリ化も進んでおり、スターバックスカードなどはLINEのカード機能で発行し、LINEPayからチャージすることもできたりします。
また、コンビニのファミリーマートが提供するファミPayのように、プリペイドカード的に使われる電子マネーも利用者を中心に普及しています。
こうしたローカル電子マネーは、還元率の高さが魅力です。例えばドトールコーヒーのバリューカードは2000円以上のチャージで5%ポイントが付与されますし、利用時には1%相当のポイントが付与されます。タリーズカードは利用時に毎回10円値引きが受けられますので、これもお得です。
頻繁に利用する店舗であれば、こうしたカードをもう一度見直してみてもよいでしょう。
キャッシュレス決済でポイント還元! 今年の注目は?
最後に取り上げておきたい情報は、「キャッシュレス消費者還元事業」が6月で終了予定ということです。中小店舗などでキャッシュレス決済をすると、5%ないし2%還元される制度をフル活用している人は多いと思いますが、これは2020年6月末までの期間限定策の予定です。一方で、マイナンバーカード取得者について2020年9月から予定されている「マイナポイント」というものもあります。詳細はまだ確定していませんが、FeliCa系電子マネーやQRコード決済などが対象となり、マイナンバーカードを取得して登録すると、電子マネーの利用に応じて最大で5000ポイントが付与されるようです。
マイナポイントについてはまだ不明確な部分もあるため、春以降の情報に注目です。いずれにしても、2020年も電子マネー業界は、いろいろ変化がある年になるのは間違いなさそうです。ぜひお得な利用を考えてみてください。
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