家で過ごす時間が増える冬。ドラマを観る時間も増えそうですが、寒い日には心がポッと温かくなる作品を観たいもの。大人気だった2015年放送の大人の恋の物語『デート~恋とはどんなものかしら~』(月曜9時/フジテレビ系)はいかがでしょう。クスクスと笑いながら、いつの間にか私たちが2人に夢中になれるラブストーリー、冬の心にキュンと灯がともります。
登場人物がみんなチャーミング! 好きの気持ちがあふれてる
『キサラギ』『外事警察』『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』など幅広い作品を唯一無二の筆力で魅せる古沢良太のラブストーリー『デート~恋とはどんなものかしら~』。ありそうでなさそうな破天荒な設定に、プッと吹き出すおかしさと、切ない恋のメロディーで私たちを魅了します。
物語の主人公は、自分ルールを確立させてしまったリケジョの依子(杏)と高等遊民を名乗る文系男子のニート巧(長谷川博己)。2人がデートを重ねながら、自らのこだわりが生んだルールの遂行がスムーズではなくなり、アタフタとしてしまう日々が、とにかくおかしくてなんだか素敵。コスプレあり、フラッシュモブあり、どこか奇々怪々でもある展開に、大真面目に取り組む2人はキュートでチャーミング。
理系文系のマニアックな知恵比べに見る細かいディテールを見逃すまいと、私たちは必死。その集中力によるヒートアップも加わって、観ている私たちの胸温度はキュンキュン上昇します。
登場人物全員がチャーミングであることも、この作品の特色。依子を想い、まっしぐらな青年・鷲尾クン(中島裕翔)、巧を見守り続けてきた粋な元ヤンの佳織ちゃん(国仲涼子)、依子そっくりの数学者の母(和久井映見)、個性豊かな面々もまた愛にあふれた人たち。いつまでも観ていたくなる人たちばかりです。
恋とはどんなものかしら~、大人だから楽しめるラブストーリー
大人世代の私たちが観ると楽しい理由は、2人の不器用で遠回りな恋だけが理由ではありません。
2人の極端なこだわりやプライドを下支えしているのは、信念なのかコンプレックスを打ち消すための術なのか。痛いところをつつき合いながら恋が育つ不思議に、大人だからこそ、なるほどと笑い、大人だからこそ「なんでそうなる??」とツッコミ、夢中になることができるのです。
古沢良太の濃密な脚本と視聴者の斜め上をいく美術チームのつくりこみ、横浜のデートコースや大胆な照明も、あら楽し。ザ・ピーナッツの名曲もおしゃれに蘇ります。
愛とか恋とか、ちょっと気恥ずかしいし、恋をしたいわけでもない。でも、そのドキドキはいつまでも持ち合わせていたいもの。そんな気持ちにこたえてくれる『デート~恋とはどんなものかしら~』。恋のはかなさに体温を奪われてしまうことなく、心にやさしく灯がともる恋物語、おすすめです。
DATA
ポニーキャニオン┃デート~恋とはどんなものかしら~
出演者:杏、長谷川博己、国仲涼子、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、松尾諭、和久井映見、風吹ジュン、松重豊