その一方で、いつもエコノミー以外のクラスを選ぶ人も。エコノミーが経済的なのは誰もが承知なのですが、他のクラスを選ぶ人は何を目的にしているのでしょうか? 今回は、国内線の座席について考えみました。
エコノミーでは体験できない価値がある?
飛行機は単なる移動手段だし、できるだけ安ければOKという話を耳にすることがあります。けれど、今や飛行機は移動手段だけでなく、プラスαの魅力が備わっています。エコノミー席以外に備わっている魅力では、①サービス ②空間 ③時間があります。ここで押さえておきたいのが、JALとANAの座席についてです。JALにはエコノミー、ファーストクラスの他に、その中間に位置する『クラスJ※』があり、ANAにはエコノミーの他にJALのファーストクラスに相当する『プレミアムクラス』の2つの座席があります。これらを比べてみましょう。
①サービス
エコノミーとの最大の違いが、JALのファーストクラスとANAのプレミアムクラスでは、食事が提供されるということです。路線にもよりますが、温かいモノは温かく、冷たいモノは冷たくして提供され、お酒もフリーで楽しむことができます。
また、空港では航空会社のラウンジも利用できるので、出発前に空港で軽食を楽しんだり、アルコール等のドリンクを楽しんだりすることができるようになっています。
②空間
ラウンジで楽しむことはもちろんですが、最大のメリットは機内の空間です。座席が広く、となりの人とのスペースにも配慮。最大のメリットは、ファーストクラス等やJALのクラスJは座席数が少ないため、機内の収納スペースにゆとりがあるということです。
③時間
ファーストクラス等やクラスJの座席は、前方に設置されていますので、最大のメリットは、すぐに降りることができるということ。余談になりますが、先日ANAのプレミアムクラスを利用した際の座席は前から2列目。空港のスポットに到着して、6分後に出発する電車に乗ることができました。
都内に暮らしていれば利用できる電車はたくさんありますが、スムーズに動けるというのは、忙しいビジネスマンにとっては、嬉しいことなのではないでしょうか。
お金持ちは時間をムダにしない!
実際に、ファーストクラスやプレミアムクラスを利用している人を観察してみました。まず航空会社のラウンジでは、ビール等のアルコールを飲んでいても、何らかの仕事をしている人が多い印象で、無邪気にアルコールを楽しんでいる人は少ない様子。そして、この現象は機内でも続きます。機内では食事が提供されますが、その後に仕事をしている人や持ち込んだ本を読んでいる人が多く、ごく少数寝ている人もいましたが、総じて航空会社提供のビデオ等のコンテンツを楽しんでいる人は皆無でした。これが意味することは何なのでしょうか?
損得だけでモノを選ばないマインド
ファーストクラスの体験記を読むと、いかにお得に利用したか?余分にお金を支払っても、もとが取れるのか?ということに言及されている記事を多く目にします。しかしながら、実際に食事やアルコール、ラウンジの利用だけでもとが取れるわけはありません。そこで、実際にいつもプレミアムクラスを利用している会社経営者の知人4人に、理由を尋ねてみました。
その理由とは、「機内でのスペースが広く、PCで作業がしやすい」「早く降りられる」「プライベートスペースが確保されているのでリラックスできる」「妻が妊娠中なので、機内で食事をして負担を減らしたい」等の意見を聞くことができました。
私自身、資料を持参して搭乗したのでスペースが広いのは助かりましたし、公共の乗り物でありながらも、自分のペースで過ごすことができたのは良かったと思います。
確かにファーストクラスやプレミアムクラスは、エコノミーの2倍以上の価格となることが多いのですが、お金を出してでも得られる価値が、利用する人それぞれあるのだと思います。
飛行機を利用する理由は、旅行や出張等。損得勘定でだけでない価値を持っているからこそ、そのお金が生きてくるのだと思います。物事を損得勘定だけでなく、自分の快適性や思いやり等から座席を選ぶことで、これから始まる旅・旅の締めくくりを有意義なモノにすることができます。
お金をたくさん使えば、お金持ちになれるのではありません。お金の価値を理解するマインドがあるからこそ、ビジネスに生かすことができるのだと思います。そしてその思いこそが、その人を成功へ導かせるのではないのでしょうか。
※JALの『クラスJ』は空港のラウンジ利用不可、食事の提供はありませんが、座席が前方に設置されており(ファーストクラスの設置がない便なら、実質、この席が一番良い席)、エコノミー席の料金プラス1000円もしくは2000円で利用できます。空港での当日アップグレードは1000円でOKです。
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