お金の悩みを解決!マネープランクリニック/マイホーム購入・住宅ローンで悩むファミリー世帯

41歳貯金630万円。子ども2人が私立に進学し学費や住宅ローン返済について相談したい(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は、夫の保険内容が足りているのか?子ども2人の私立中学・私立小学校の毎月13万円の教育費、住宅ローンについてなどを専門家に質問したいという41歳のパート主婦の方です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

  • Comment Page Icon

アドバイス1 現在の貯蓄ペースでも教育費も老後資金も心配ない

気持ちを入れ替えて家計のやりくり、貯蓄を考え始められたこと、本当によかったです。ご主人の年収ならば、これまで家計のことを細かく考えずともやってこられたのでしょう。でも、お子さんの教育費がかかってくる時期にさしかかっていますので、今なら立て直しに間に合います。今から頑張る!さんがまとめられたデータを見ても、きちんとしようとする意気込みが伝わってきます。
 
まず、現状の家計、貯蓄の状況で、ご主人が60歳時点までにいくら貯められるのか、お子さん2人の教育費をまかなえるのかを見ていきましょう。
 
現在、毎月5万円とボーナスから100万円の貯蓄(100万円を目指すのではなく、ボーナスがでたら、すぐ貯蓄してください)で、年間160万円です。ご主人が定年退職する60歳まであと19年ですから、3040万円貯められ、現在の貯蓄630万円を加えて3670万円です。
 
この中から、教育費として、第1子は1100万円、第2子は1400万円かかるものとして差し引きます。残りは1170万円となります。
 
ここでは計算上、60歳までに貯められるお金から教育費をまとめて差し引いていますが、実際には家計から教育費として13万円支出しているので、この分は貯蓄として計算すると、2964万円(月13万円×12カ月×19年分)を1170万円に加えることができます。結果的には、4000万円程度が60歳時点で残る計算になります。
 
この他、車の買い替えが2回で300万円かかるとして、3700万円。19年後ですから、その頃には、お子さん2人とも独立され、生活費などのコストも今よりは少なくなるでしょうから、最終的には、もう少し多く残せるようになるではないでしょうか?
 
ですから、現在の家計管理、貯蓄ペースでも問題ありません。安心してください。
 

アドバイス2 住宅ローンの銀行分は借り換えを。親への返済は減額または猶予を

ただ、100点満点というわけではありません。まだ改善したほうがいい点があります。
 
まず、住宅ローンについては、銀行ローンの金利が高すぎます。残り期間を固定金利で借り換えても1%台で済むはずです。現在借り入れしている金融機関に金利変更の交渉をしてダメだったら、別の金融機関で借り換えを。手数料など費用はかかりますが、それを差し引いても返済額を減らせる効果は大きいです。
 
親御さんからの借り入れも返済不要と言ってくれているのであれば、甘えてしまってもいいと思いますよ。そうしたくないのであれば、銀行ローンの借り換えを実行するとともに、親御さんへの返済額は少し減らしてもらい、お子さんの教育費の目途がたってから、残りを一括で返済してもいいのではないでしょうか。状況次第ですが、銀行ローンの返済が優先ですから、繰り上げ返済で60歳までに完済できるようになってからにしてくださいね。
 
いずれにしても、住居費16万円を少しでも抑えることができれば、その分を貯蓄に回すことができ、余裕ある家計管理ができるようになるでしょう。
 
また、今年からパートで働き始めたのは、とてもよかったです。扶養の範囲内で構いませんから、もう少し収入アップできれば、それも貯蓄に回せ、家計に余裕が出るのは同じです。ただ、現在も食費がやや多いように思いますが、仕事を頑張りすぎると、家事支出が増える傾向もありますから、無理のないようにバランスを考えるといいと思います。
 

アドバイス3 確定拠出年金のマッチング拠出の利用も検討を

最後に、保険と年金についてです。保険は医療中心に共済に加入されていますが、ご主人の保障としては不足しています。掛け捨ての定期保険で、2000万円は確保してください。下のお子さんが大学を卒業するまでとして、保険期間15年。ネット通販型の保険であれば、保険料5000円前後で収まると思います。
 
確定拠出年金は、おそらく同僚の方がおっしゃっているのは、マッチング拠出です。ご主人の勤務先では企業型の確定拠出年金を導入されていて、年12万円ボーナス時に天引きされているということですね。
 
マッチング拠出は、会社の掛金に上乗せして従業員が積み立てできる仕組みです。上乗せした分は全額所得控除できるため節税効果があります。何で運用するかは、従業員が勤務先のプログラムの中から選びますが、必ずしも投資商品を選択する必要はありません。これについては、ご主人に確認し、わからない点は勤務先に聞いてもらうといいでしょう。退職金または公的年金の上乗せにもなりますから、ボーナスからの貯蓄の一部で利用するなど有効に使うといいでしょう。
 
ひとまず、今の調子でいけば問題ありませんので、無理無駄のないよう、家計管理と貯蓄、頑張ってください。何よりも大事なのは継続することです。今は、あれもこれも気になる、大丈夫かと思ってしまうかもしれませんが、1年、2年と積み重ねていけるようにしてくださいね。
 

相談者「今から頑張る!」さんから寄せられた感想

ファイナンシャルプランナーの深野さま、このたびは大変お世話になり、感謝しています。まず、動き始めた貯蓄計画で問題ないと教えていただき、大変ほっといたしました。冬のボーナスをいただき次第、すぐに50万円を貯蓄するようにいたします。次の夏にも50万円、きちんと継続していくようにいたします。また、気になりながらも対策をとらなかった住宅ローン、すぐに借り換えたいと思います。固定から固定への借り換え、というのが、今まで頭になく、それでも意味があるなら、是非にすぐにでもやりたいです。すぐに調べてみたところ、150万円くらい安くすみそうでした。主人は自分がかつて全てを引き受け手続きしてくれていたため、あの煩雑な作業を忙しい仕事の合間をぬってやるのがどうしても嫌とのことで、金利が高いのは分かっているけど、我々にやれるのは繰り上げ返済のみ、との意見でしたが、今回のアドバイスを受け、大変な事務作業は私がやるからと伝えて納得してもらいました。背中を大きく押していただき、感謝しています。

私の父から様々な援助を受けるなかで、父自身が変動金利に苦労した経験から、「住宅ローンは必ず固定で借りるように。差額分以上に援助するから」と言われており、借り換えに舵をきれなかったのもあるのですが、固定に借り換えても効果があるくらいの高金利を10年も返し続けてきたことに改めて目眩がします。本当に知ることができてよかったです。父への返済の猶予や減額は、これまであまりにも世話になってきた私の気持ちから考えることができず、たとえ形ばかりでも(父はその口座のお金に手をつけません)振り込み続けてまいりますが、深野さまの温かいメッセージに胸がいっぱいになりました。
 
最後に、「なによりも大事なのは継続すること」とあり、どきっとしました。本当にそうですね。計画を立てただけでは、感じた安心なんて全く意味を持たないんだ!と、引き締まりました。深野さまから大丈夫?と見抜かれてるような気がするくらいなのは、ボーナスを年に100万円も貯めるなんて、今までの生活ではとてもできなかったことだからかもしれません。初心を忘れず、ぎすぎすせず、家族で仲良く計画的にお金と向き合い続けて参りたいと思います。このたびは、本当にありがとうございました。


★「お金の悩みを解決!!マネープランクリニック」の過去記事はコチラへ
★「お金のことで悩む人に、貯金のコツを伝授!貯蓄達人の貯めワザ」はコチラ

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


【関連記事をチェック】
43歳貯金25万円。このままでは子ども2人の教育費が貯められるか心配
48歳、貯蓄5500万円。働き方改革で夫は収入減、教育費のピークも目前です
40歳貯金650万円。働き方改革で夫の残業代がなくなり手取りが8万円減
43歳会社員、貯金850万円。このままで教育資金、老後資金は足りますか?
40歳貯金250万。パートを始めたが貯蓄が増えない
45歳、医学部進学で学費が3500万!捻出できるか不安
 
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/5/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます