31歳からの恋愛相談室・特別企画「アルテイシア・こはなみみこ対談」
31歳からの恋愛相談室・特別企画「アルテイシア・こはなみみこ対談」
■アルテイシア
自分にぴったりな男性と結ばれるための方法を伝授!大人気恋愛作家・コラムニスト
夫であるオタク格闘家との出会いから結婚までを綴った『59番目のプロポーズ』でデビュー。女性が自分らしく、オリジナルな幸せを追求して生きていくための方法や考え方を発信。『恋愛とセックスで幸せになる 官能女子養成講座』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』『アルテイシアの夜の女子会』『40歳を過ぎたら生きるのがラクになった』他著作多数。
twitter:@artesia59
■こはなみみこ
レズビアンだけど男性と法律婚したフェミニスト・ライター
毒親育ち、発達障害(ADHD)、レズビアンでフェミニスト。多数の生きづらさを抱えつつ、すべてを受け止めてくれる男性(通称:ダライラマ夫)をマッチングアプリで見つけ出し、法律婚。家族や世間からの理不尽な「呪い」を一つひとつ払いのけ、自分らしく楽に生きるための考え方や体験談を発信。
twitter:@mimimiko_mimiko
「3回ルール」で主導権は自分が握る
「3回ルール」で主導権は自分が握る
そもそも、婚活市場に残ってるマトモな男性って、「石の裏に潜んでるような、目立たないけど磨けば光る金の卵」タイプだと思うのよ。だから私はいつも、「石の裏のキンタマを探せ」って提案してる。
みみこ:たしかに、わかりやすく魅力的な男性、見た目もコミュ力も高くて上手にリードできるような男性は結婚していますよね。
アル:そういう男性は絶対数が少ないから(笑)、周りの女性がほっとかないよね。
でも「オクテで女慣れしてなくて、最初は緊張して口下手だけど、じっくり話すと魅力的な男性」は残ってる。そういう男性を初対面で足切りしてしまうのはもったいない。
だから私は「3回ルール」を提案してます。男性と会って「まあイヤじゃないな」と思ったら、あとはシステマティックに3回会う、と決めてしまうルール。「この人のこと好きになれるかな?」とかいちいち考えるのってダルいでしょ?「イヤじゃなければ3回は会う」と決めてしまって、さくさく進めたほうがいい。
みみこ:オクテな男性は自己アピールが下手だから、何度か会ううちに良さがわかることが多いし。
アル:「婚活成功しました!」と報告をくれるのは、女性が主導権を握ったパターンがほとんど。というのも、まともな独身男性はオクテゆえに残ってるから。だから相手にリードとか求めず、「自分から動く!」と決めたほうがいい。
みみこ:待ちの姿勢でいると、LINEのやりとりばっかりダラダラ続いてダルいし、私もよく「おいしい焼き鳥屋があるんで、次はそこ行きませんか?」と誘ってました。同じ焼き鳥屋を何度アポで使ったことか(笑)。
アル:「デート中にその場で次のアポを決める」のもおすすめ。「おいしい焼き鳥屋があるんで、今度行きましょうか」「いつにします?」みたいな流れで。
みみこ:後日LINEでアポ取りしようとすると「日程が決まらない」「なかなか返事が来ない」とかダルいことが起きがちですもんね。もうLINEのやりとりがダルすぎる!!
アル:効率的に進めるためにも、その場でアポを取っちゃおう。「でも自分ばかり誘ったら、すごく前のめりだと勘違いされそう」と思うよね。
その場合は「婚活マスターの友達に『とりあえず3回は会え』とアドバイスされたんですよ~」とさらっと言ってみよう。すると相手は「誘ってくる=脈アリじゃなくて、そういう方針なんだな」と理解するから。
みみこ:男性任せでいるより、自分が主導権を握ったほうが結局ストレスも少ないですよね。私は「婚活はストレスフルなもの」と割り切って、作業のようにやってたけど、それでもストレスを減らさないと死ぬ。
アル:死なないために、効率的な婚活をしてください!
「フル開示」と「ラーメン屋作戦」
アル:「結婚は単なる箱で、中身は50年の共同生活」。素の自分でマッチする人じゃないと50年暮らせないから、最初から「フル開示」で臨んだほうがいい。みみこ:ほんとそう。私は自分を『失恋ショコラティエ』の石原さとみだと思い込む「心にさとみ作戦」をやってたんですよ。でもこれって雑魚モテには有効だけど、マッチングには逆効果なんですよね。結局、さとみ作戦で釣った相手には付き合った後に振られました。
アル:やっぱそうなんだよね。ずっと演技を続けるのは無理だから。
みみこ:夫はさとみ作戦に対して、めちゃめちゃ反応が悪くて(笑)。むしろ「技が無効化される!……おまえ、やるな」と思って。それで素の自分をフル開示したら、意気投合しました。
アル:「自分は珍獣です!珍獣好き、募集してまーす!」ぐらいのほうがいいよね。フル開示のプロフィールの書き方とかは、「効率的な婚活 アルテイシア」で検索してみてね。
みみこ:あと私が大事だと思うのは、「自分がパートナーに求めるものを具体的にしておくこと」ですね。
というのも、友達に婚活相談されて「どんな人と結婚したいの?」と聞くと「う~ん、尊敬できる人かな?」とか、ふわっとしたことを言うんですよ。でも「仕事がめっちゃできるから尊敬できる」のか「人に優しいから尊敬できる」のかで全然違ってくるし、そこを自分が明確にわかっておかないと難しいじゃないですか。
アル:うんうん。「一緒にいて楽しい人」とかも定番だけど、どんな人といると楽しいと感じるかは、みんな違うから。
それって「どんなラーメンが好き?」と聞かれて「おいしいラーメン!」と答えるようなものだと思う。「自分はどんなラーメンをおいしいと感じるか」が分かってないと、答えられないよね。
みみこ:そこをちゃんと考えないと、結局スペックとかで判断しちゃうじゃないですか。
アル:「ガイドブックを鵜呑みにしてありがたがるな!美味いか不味いか自分の舌で判断したらどうなんだ!」と美味しんぼのあいつも言うてたわ。
みみこ:あいつ(笑)。プロフィールに書く場合も「好みのタイプ:優しい人」とふわっとしすぎだし。「モテよりマッチング」を目指すなら、自分の好みを掘り下げて、ニッチな好みを書いたほうがいいと思います。
アル:「シャイでオタクな草食系男子が好みです」と書いて、キンタマをゲットした女子もいる。そう書くと「えっ、まさか俺のこと!?」と石の裏から出てくるんだって(笑)。
ただ女子のほうも恋愛経験が少ないと、具体的にわからなかったりするよね。それこそラーメンを1回しか食べたことない人は「どんなラーメンが好き?」「50年食べ続けたいラーメンは?」と聞かれても、よくわかんないでしょ。
だから私は「100軒のラーメン屋に行こう作戦」を提案してます。いろいろ試食してみたら、自分の「好き・嫌い」「合う・合わない」がわかってくるから。なのでデータを集めるつもりで、色んな男性に会ってみるのがいいと思う。
みみこ:それをメモするなりしてデータに落とし込めるともっといいですね。「今日もサンプルを取りに行くぞ!」と思って挑まないと、なんとなく惰性で婚活を続けることになって「今日もピンとくる人に出会えなかった……」と疲弊してしまうので。
アル:「ピンとこない」と感じたら「どこがイヤだったか」「何に違和感を感じたか」を考えて、データに残すといいよね。すると共通点が見えてくるから。
地球上でたった1人と50年暮らすんだから、そう簡単に見つからなくて当然だと思う。「今日もダメだった」といちいち落ち込まないためにも、「今日もデータ集めに行こう」くらいの感覚でいたほうがいいよ。
みみこ:「今はフィールドリサーチしてるんだ」みたいに、発想を転換するのがおすすめですね。
「お試し交際」で言いたいことを言う
「お試し交際」で言いたいことを言う
みみこ:「お互いをもっと知るために、試しに付き合ってみませんか?それでうまくいかなかったら、クーリングオフありで」という言い方だったら、リスクも少ないですよね。
私も自分から夫にそう言いました。相手は「えっ、もう?早くない?」と戸惑ってたけど(笑)、なんせオクテ男子はこっちが押さないと動かないので。
アル:岸辺露伴並に動かない(笑)。それに実際、付き合ってみないとわからないよね。付き合う前って様子見してるから、素をさらけ出せないし、腹を割って本音トークできないし。
それに付き合ってからじゃないと、衝突もできないよね。「その衝突をどうやって乗り越えるか?話し合って歩み寄れるか?」が、人生のパートナーになりえるかのポイントだから。
みみこ:とりあえず付き合ってみるくらいの「好き度」の時のほうが、いざぶつかったときに言いたいこと言えますしね。やっぱガチで好きになると、嫌われるのが怖くて相手に合わせちゃったりするから。
アル:あと、そもそも人を好きになりにくい人もいるでしょ。私は「導火線しけってる系」と呼んでるけど、恋心に火がつかない人。そういうタイプは一緒にいる時間を重ねるうちに、じわじわ好きになるパターンが多いので、お試し交際はおすすめです。
友情結婚に向いてる人・向いてない人
アル:しけってる系女子は友情結婚に向いてると思う。恋愛的なドキドキやときめきを優先せずに、「パートナーを選ぼう」と最初から思いやすいし。逆に「一生恋していたい!ときめき至上主義!」みたいな人は向いてないだろうし。みみこ:「恋愛」にあまり重きを置いてない人は向いてますよね。恋愛至上主義に疑問を抱ける人とか、恋愛状態にある自分のことが好きじゃない人とか。
ただ、私の周りでは「友情結婚いいなと思うけど、やっぱり恋愛を諦めきれないし、ときめきもほしい」という声をよく聞きます。
アル:その気持ちもわかるけどね、私も昔はそうだったから。ただ、ときめきはいろんなコンテンツからも得られるし、なにより友情結婚の先には「愛情補正で夫にときめく日々」が待ってるから、あんまり心配いらないと思うけど。
「感謝のときめき」ってあるでしょ。私はありのままを受け入れてくれる夫のブッダみに萌える。
みみこ:ブッダみ(笑)。めっちゃわかります。私も毒親のことやADHDのことを受け入れてくれる夫に「大好き…!!」ってなりますね。
アル:みみこちゃんは「自分を女扱いしない人と結婚したい」と思ってたんだっけ?
みみこ:はい、私がパートナーに求めるもので一番譲れなかったのが「私を女扱いしないこと」でした。
婚活中、男性にいちいち女扱いされるのがしんどくて。それってつまり、相手より弱いもの、庇護すべきものとして見下されることだと思うんですよ。相手に悪気がなかったとしても、私はそれが耐えられなかった。
女扱いされると条件反射的に自分も「求められる女像」を演じてしまうところがあって、そういう自分も嫌いだったし。
アル:わかる……わかるぞ……!!
みみこ:夫は接し方も話し方もニュートラルで、「あれ?私って取引先の人だったっけ?」と思うくらいだったんですけど、それが楽でしたね。
アル:取引先の人(笑)。うちの夫も役所の人みたいな対応だったわ。夫は私を「女」じゃなく「人」として扱ってくれたから、信用できたし居心地がよかった。それで私も夫を「男」じゃなく「人」として好きになって、結婚したんだよね。
婚活女子は「その人といるときの自分を好きか」を大事にしてほしい。自分を嫌いになるって、地獄めぐりの中でも一番キツい地獄だから。
みみこ:自尊心をゴリゴリに削られますよね。
アル:当時の私は恋愛地獄行脚しすぎて、精神が応仁の乱みたいに荒れてたのよ。男に対して「どうせヤリたいだけだろ」と思ってたから、私を女扱いしない夫に安心できた。
私みたいにやたら恋愛してきた人が底打ちして友情結婚にたどりつき、安寧を得るパターンも多いかもね。
みみこ:そう思います。今の世の中って「恋愛結婚推し」じゃないですか。でも恋愛中って正気を失ってるし、恋愛は非日常で結婚はド日常だし、恋愛と結婚はセットじゃなくていい。友情寄りの結婚も良いものですよ、というのが広まっていけば、もっと楽になる人も増えるんじゃないかと思うんですよね。
アル:選択肢は多いほうがいいよね。結婚しない選択も、子どもを持たない選択も、普通に尊重される社会になるべきだし。我々は異性と友情結婚して幸せになったけど、幸せの形はみんな違うから、それぞれの形を実現しやすくなればいいなと思う。
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